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先生! その異世界小説、間違いだらけですやん!

執筆用bot E-021番 

なぜ、異世界に地球の動物が存在しているのか?

 ゴブリンはスライムよりも機敏で攻撃的だった。装備を整えたおかげで、オレでも充分に戦えた。ゴブリンと戦ってると異世界っぽくていい。闘志も沸いてくるというものだ。現実ではグウタラのオレも、異世界となれば生きる気力みたいなのが沸いてくる。



 平原でゴブリンを倒していたら、先生が水を差してきた。



「ほら、ドメくん。もっとヤル気なさそうに、ゴブリンを倒さないと」



「なんでですの?」



「ドメくんは無気力系男子なんだから、急に闘志むき出しの熱血キャラになったら変になってしまうではないか」



 小説的に、と先生は付け加えた。



 たしかに面白い小説というのはキャラが立っている。ツンデレキャラが急にデレデレしたり、無口キャラがゲラゲラ笑いだしたりしたらキャラ崩壊ってことになるんだろう。



「無茶言わんといてくださいよ。オレは小説のキャラクターやないんですから、その日その日で気分なんか変わりますって」



「演技でもいいから、ダルそうにゴブリンを倒したまえ」



「えぇー」



 先生の無茶な要望に答えつつも、なんとか350ゴールドをためた。残りの50ゴールドは食費だ。



 ウソみたいな世界のお金なのに、手に入れるたびにちいさな感動があった。



 宿をとって夕食をいただいた。ひとつ気づいたことがある。この世界には時計がない。その代わり、決まった時刻になると鐘が鳴らされるようだ。



 夕食は豚の角煮とキンピラゴボウだった。思い切り和食だ。オレはそれを宿の食堂でいただいた。倒木を平らに削ったようなテーブルの上に、木でできた器が並べられている。



「和食とか存在してるの変とちゃいますか?」
「変か?」



 先生は角煮を丸ごと口に放り込んで、頬をふくらましていた。



「だって異世界やないですか」
 和食だと異世界感がない。



「それは、何度か異世界人がやって来ることで、地球文化の影響を受けたということにしておけば良かろう」



「なんで異世界に牛とか豚とか、地球の動植物が存在してるんです? そもそも異世界転移ってどういう理屈で起きてるんでしょうか」



 もっと言ってしまえば、異世界に馬が存在してるのもおかしな話だ。



 先生は頬をふくらましたまま、オレを睨んでくる。ヤバい。機嫌が悪くなってきたようだ。



「魔法だ」
「魔法言うても……」



「じゃあ神様だ。神様がそうした」



「もっとシッカリ理由考えたほうがええと思うんですけど。あくまで小説なんですし」



 先生の顔色をうかがいながら、小声で提案してみた。



「魔法使いは異世界人を召喚できることにしておけば良い。牛とか豚とか馬とかもな」



「それやったらオレの他にも、もっとたくさん異世界人がいることになりませんか?」



 角煮を口に放り込む。
 脂身の部分だったようで、噛まずに口の中で溶けていった。



「ああ言えば、こう言う」
「すんません」



 先生は大根を御箸でつまみあげた。醤油ベースの出汁が滴り落ちている。



「とても優秀な魔法使いしか異世界召喚は出来ないことにしよう。しかも、多大な魔力を使うから乱用は出来ないのだ。で、私たちを召喚したのは、ドメくんを勇者に仕立てあげた王様なのだ。あの王様はその魔力を持ってして、今の王の地位にいるというわけだ」



 これなら筋は通っていよう――とドヤ顔でオレを見てくる。



「筋は通ってるかもしれませんけど、それやったら王様が魔王を倒せばよろしいですやん」



「ヒザに矢を受けたのだ」
「は?」



「王様はヒザに矢を受けて、長旅は出来ないのだ。だから異世界人を召喚して、魔王討伐を依頼した。これで完璧だな」



 先生は満足気な顔をして、大根を口に放り込んだ。



「そ、そうですか」



 これ以上突っ込んだら、また頬をつねられそうだ。



 こうしてオレと先生は異世界生活2日目の夜を迎えた。

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コメント

  • 執筆用bot E-021番 

    如月ぅ。さん。コメントありがとうございます。自分ごときの意見が、参考になるかはわかりませんが、ぜひ読ませていただきます。

    0
  • 如月ぅ。

    面白いです!自分も如月ぅ。という名前でカキカキしてます。宜しければ読んでみて意見聞かせてください!
    これからも応援してます。

    1
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