腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

80話 平和な平和な?冬休み 〜大切な人〜

「美味しいね〜ここのパスタ。」
「ああ、松山のお母さんがやってるらしいぞ。」
「へぇ〜!美味しいなぁ…。」
「そうね。」
「あ、はあ…。」
松山の母親が営むパスタ屋で、優とミーシェ、そしてミーシェの母親が食事をしていた。
「…ストーカーってもっとひっそりと後を付けるもんじゃないんですか…?」
「わ、私だってミーシェとご飯食べたいモン!」
「そ、そっすか…。ミーシェ…ミートソース付いてるぞ…。」
そう言って優はミーシェの口をナプキンで拭いてやる。
「ん…ありがと!」

パリィン!

その瞬間ミーシェの母親が持っていたグラスが砕け散った。
「!…大丈夫ですか?」
「ママ…大丈夫?」
「え、ええ!大丈夫ですとも!」
「「?」」
「片付けなくちゃ…。」
ミーシェが破片を拾おうとする。
「っ…馬鹿!素手で触ると危ないだろ?!」
優はミーシェを手を掴む。
「「あ…」」
それにビックリしたミーシェが振り返り、見つめ合うような形になる。
「ご、ごめん…。」
「こ、こっちこそ言いすぎた…悪い。」
「ユウ…。」
「ミーシェ…。」
「コ、コホン!」
「「!」」
「え、えっと…危ないし定員を読んだ方がいいんじゃないかしラ?」
「そ、そうですね…。」
「す、すいませーん。」




何よ…


「ほら、ミーシェ…そっち地面凍ってるからこっち来い。」
「あ、うん!」
そう言って優の手を取るミーシェ。
その様子を見守るミーシェの母。


あの子…本当に…


「ユ〜ウ〜…おしるこ食べた〜い〜…。」
「はいはい、今買ってやるよ。」
「わぁ〜い!ユウ大好き〜!」
そう言って優に飛びつくミーシェ。
「どわっ!馬鹿、小銭落ちただろうが…。」
「あ…えへへ…ごめんごめん…。」
「ふ…たく…お前はそそっかしいなぁ…。」
そう言ってミーシェの頭を撫でる。
「んふ…。」


本当に…幸せそう…。


「じゃあこの後ユウの家にご飯作りに行くねっ!」
「おう。買い出し行くか?」
「うん!鶏肉とみりん買っとかなきゃ。」
「ん?その組み合わせってもしかして…。」
「ふっふっふ〜…今日のご飯はユウの大好きなミーシェちゃん特性の唐揚げでーす!」
「おおっ!これはこんな所でのんびりしてられないな!行くぞミーシェ!」
「うん!」
そう言って2人は手を繋ぎ歩き出す。


本当にあの子は…彼の事…


「あっ!そう言えばママ!」
「ああ…そうか。これからスーパー行きますけどどうしま…ってあれ?」
後ろにミーシェの母親の姿はなかった。
「帰ったのかな?」
「どうだろうな…。」
「あっ、メール来てた。…先帰ってるって。今日は晩ご飯はユウの家でご馳走になりなさいって。」
「そうか?なら行くか。」
「うん!」


あの子は彼の事…本当に…本当に…



…愛してるのネ…。


それに…彼のあの子を見る目…。


本当に大切に思ってる…。


私は…母親失格ネ…。


引き裂いていい筈がないワ…。



そう言って楽しそうに歩く2人を最後に見送り、ミーシェの母は帰路に着いた。




「ただいま〜!ママ〜!」
「おかえりなさい。ミーシェ。」
「えへへ…ただいま!マーマ?」
「…ええ…!」


でも…今はこの幸せに酔ってもいいかしラ?




「ふぅ…。」
晩ご飯を食べ終わり、一息付く優。
「一人暮らしなんて…慣れてたはずなのにな…。まさかあいつがいないだけでこんなに静かとは。」
優はテレビを付ける。
「ま、今日は水曜日。いつもはよく分からんバラエティ番組のせいで見れないクイズ番組が見れるな…。」
静かな部屋に流れるテレビの音。

(あっ!ユウ!私この問題わかるよ!)

「!」
優は隣を振り向くが、そこにミーシェの姿はない。
「……なんだこのクイズ番組…こんなにつまらなかったのか…。」
そう言って結局いつものバラエティ番組にチャンネルを変える優だった。
(ああ…きっと…ミーシェも…)



「あっ!ユウ〜!私お風呂先でいーい?って…あ…ま、間違えた!ママ〜!…えへへ…癖でつい…。」
「ミーシェ…。」
「えへへ、見たいバラエティ番組が始まるんだ〜。」
「そうなのネ…。私も見ようかしら?」
「うん!面白いよ!」
そう言ってテレビを付ける。
「う〜ん…今日のゲストは誰かなぁ?ユウはなんだと思う?」
「…ミーシェ…。」
「…あっ…あははっ!また間違えちった。」
「ふふふ…ドジネ…相変わらず。」
「ごめんなさぁい…。」
(ああ…きっと…ユウも…)






同じ気持ちな寂しいのかな…。





お久しぶりの更新です…。
フォローorコメントよろしくお願いします!

コメント

  • Qual

    少し遅れましたが今回も面白かったです!
    誤字訂正で定員→店員ですかね

    1
  • イルネス

    今回はちょっとしっとりしてて……いいですね!これからも応援してます!

    1
  • かつあん

    うわ〜ちょっと悲しめな話だ〜〜〜w
    ミーシェ、ユウは恋人もいなく、1人で居ることに慣れていたはずなのに、もう恋人のいない生活には戻れない。
    ありがちな話ですが、実に寂しい話ですね〜w(まあ、自分がそんな経験がないのでわからないとは言えない)

    1
  • すばるきゅ~ん

    投稿もいいですがお体も気を付けてください

    1
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