腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

22話 スポーツの秋

「そう言えば優、君は何にしたんだ?」
学校の窓際の席。そこに優、ミーシェ、陸が集まっていた。
「何にしたって?何の話だ?」
「忘れたのか…?もうすぐ体育祭だろ?」
「ああ…選択種目ね…。俺は障害物競走だ。」
「へぇ。ユウは障害物競走かぁ…。」
「お前は何にしたんだよ?」
「私はクラス対抗リレーだよ!」
「君…運動は出来るからな。」
「ふふーん。もっと褒めてくれていいんだよ?」
「運動…な。」
「運動はって何?!」
「ちなみに僕は借り物競争だ。」
「話しそらした!」
「なんか…楽しみだな…。」
「そうだなぁ…。」
優と陸はしみじみ語る。
「2人は去年どうだったの?」
「俺は…ずっとサボってゲームしてたな。」
「僕は家で勉強していた。」
「ははは…楽しそうだね…。」
「楽しくねえよ…。その後は花園にグチグチ言われるしな。」
「今年は参加するんでしょ?」
「ああ、まあな。」
「僕も今年は出ようと思ってる。」
「借り物競争とか緊張しね?」
「まあ…何とかなるだろ…。」
「まあ…頑張るか…!」


そうして訪れた当日。
「では皆さん、正々堂々と頑張りましょう!」
花園が皆に掛け声をかける。
…おお!
「そう言えばミーシェ。リレーのアンカーってお前か?」
「ううん、天城くんだよ。」
「そうか…まああいつはサッカー部だし大丈夫だろ。」
「当たり前だ。」
いつの間にか後ろにいる天城。
「どわっ!おま…後ろから急に話しかけんな!」
「ふん…文化祭ではお前に迷惑かけられたからな…体育祭では足引っ張るなよ?」
「どの口が。」
「まあいい。せいぜい頑張れ。」
天城はそう言って応援席に戻って行った。

────借り物競争に参加される生徒は入場門に集まってください。

アナウンスが鳴り響いた。
「僕の番だな。行ってくる。」
「おう、頑張れよ〜。」
「応援してるね!陸くん!」
「…小宮くん、頑張って。」
皆で小宮に呼び掛けた。
「あ、ああ。」

「そう言えば松山と陸って最近仲良いよな。」
優はふと松山に話しかけた。
「…まあ色々合うのよ。話しやすいし。」
「ふーん。」
「へぇ〜…!」
「…な、何よ…?」
「「別にぃ?」」
「…ふ、ふん…。」
「お、陸の真似か。」
「なんか似てる〜。」
「…う、うるさいわね…!ほ、ほら!始まるわよ!応援しましょ!」
「そうだね。」
「陸は…3番目か。」

陸の番がやってきた。
「ふぅ…。」
陸は深呼吸する。
「位置について…よーい…」
ドンッ!
合図と同時に机に置かれた紙目掛けて走り出す。
(真ん中にしよう…!)
小宮は真ん中に置かれた紙を取る。
お題は…
「!」

「あれ?陸くん…こっち来たよ?」
「は?」
「まさか…好きな人とか?!」
ミーシェは松山の方を見る。
「…す、好きな人とは限らないでしょ?」
小宮は息を切らし切り出す。
「…松山…来てくれ。」
「…へ?」
「お題は…後で言うから…!」
「…あ、うん。」
陸は松山の手を引き走り出した。
「陸の奴…大胆だな〜。」
「そうだね〜。」

「2位か…。微妙だったな…。ありがとう松山、手伝ってもらって。」
2位でゴールした陸は松山にお礼を言う。
「…そ、それはいいけど…お題って…なんだったのかなぁ?」
「?…ああ…。」
陸は握って走ったせいでくしゃくしゃになってしまった紙を見せる。
「…異性の友達…。」
「ああ、ミーシェでも良かったんだが…ユウに悪いだろ?」
「…そういう事…。ま、役に立ててよかったわ。」
「ああ、ありがとう。今度お礼でもさせてくれ。」
「…ふふ…2人でね?」
「!…わ、分かった…。」

「陸にも春が来たな〜。」
「そうだね〜。」

2人はホッコリした様子で見ているのだった。


────障害物競走に参加される生徒は入場門に集まってください。

「俺の番だ。サクッと1位取ってくるわ。」
「うん!がんばって!」
「おう…!」
(ミーシェの応援…これは…


…負けられない!)


「おーっと!2年1組藤山優くん、速い!」

放送委員の実況が語る。
優はスタートと同時にものすごいスピードで駆け出し、平均台をものともせず走り抜ける。
そして網に頭から飛び込みわずか2秒で抜ける。
この頃他の生徒は平均台の真ん中くらいである。
そしてそのまま縄跳びで2重跳びをやるはずだだ3重跳びをして他の障害物も難なく乗り越え、わずか20秒でゴールしてしまった。
「ふぅ…余裕…。」

他の生徒は好奇な視線を優に向けていた。

「…」
「ん?どうした?ミーシェ。1位取ってやったぞ?」
「う、うん!おめでとう!は、速すぎだね…。」
「おう…!」


昼休み。
「ユウ、お弁当食べよ?」
「おお…腹ぺこだ…。」
「ふふふ…唐揚げたくさん揚げたの。どんどん食べて?」
ミーシェは重箱のように大きな弁当箱を広げた。
「おお…!いただきます!」
優はお弁当をかきこんだ。
「ふふ…ゆっくり食べないと詰まるよ?」
「ああ…うめぇ…!」
「ふふ…ミートボールもあるよ。食べて食べて?」
「…」
すると優は黙って口を広げる。
「…しょ、しょうがないなぁ…はい!あーん…」
「あー…」
「あ、いたいた。ミーシェちゃーん!一緒にご飯食べよ?」
「「あ…」」
「え?何やってんの?」
最悪のタイミングで川口先輩の登場である。


「ミ、ミーシェちゃん?今藤山に何してたの…?」
「な、何も無いですよ?ねえ?ユウ。」
「あ、ああ。」
「…ミーシェちゃん…。何も無いならこっち来て2人で食べようよ。」
「わ、私はユウと…。」
「そいつの弁当は?どこにあるの?」
「そ、それは…」
(言えない…!一緒にひとつの弁当を食べてるなんて言えない!)
「なんだよ?正直に言えばいいだろ?」
「は?」
「俺はミーシェに作ってもらったこの弁当を食べてるんすよ。」
「は?なんでお前ごときがミーシェちゃんに弁当作ってもらってんの…?脅してんの?」
「別にいいじゃないっすか?…付き合ってるんすから。」
「…は?」
「ユウ…。」
「別に隠そうとしてるわけじゃないだろ?現に学年では結構知れ渡ってるっぽいし。」
「嘘…だろ?ミーシェちゃん!」
「あの…本当…です。」
「っ…!」
川口先輩は優を睨みつける。
「…くそ…!覚えてろよ…。」
川口先輩は去っていった。

「だ、大丈夫かな?」
「目…血走ってたな。なんにもしないといいけどな。」
「うん…。」
「心配するな。お前に危害を加えるなら俺も一肌脱ぐ。」
「ユウ…。」

午後の部が幕を開けた。



昨日、一昨日と出せなくてすいません…。
ちょっと進路のことで忙しくて…。

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コメント

  • ノベルバユーザー431520

    川口先輩セリフからわかる、小物感w

    0
  • かつあん

    小宮さんの借り物競争は好きな人かと思ったけどそっちか!
    あとユウの障害物競走速すぎー!
    主人公チームはハイスペックの勢揃いですな。
    そして、また川口先輩出てくんのかよ!早く消えないかなw

    4
  • 豆腐

    お弁当のシーンで川口先輩に優が弁当の説明する所
    この が 子のってなってます?

    3
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