覚えた魔法は異世界召喚魔法!?

もぐら

44話 第2の悪魔

44話

あの後、俺は王様に今の状況を説明してもらった。今この王国に戻っているのは榊達をはじめとした10人ほどらしく沙知も含めタジール隊長もまだ戻ってきていなかった。

「鏡じゃないかよく無事だったな」

話しかけてきたのは榊だった。その後ろには葛西と田口もいた。

「鏡が無事に帰ってくるなんてよっぽど運が良かったんだな」

「まぁ、でも無事で良かったわ」

この3人はなぜこんなに上から目線なのだろうか。

「あぁ、榊達も無事で良かったよ。それより榊達は今何やってるんだ?」

「俺達は今、正式にこの国の騎士になってなアルベイトというやつからこの国を守ってるだ」

「そうか...楽しそうだな」

この時、アルベイトの存在を知っている俺は榊達が下に見えた。

「楽しそうだと?アルベイトのせいで殺された奴も大勢いるんだぞ」

「やめなよ榊、鏡は自分が戦えないから強がっているだけよ」

怒りに染まった榊を止めた葛西は俺のことを哀れんだ目で見た。そんなことは気にしないのだが一つだけ気になることがあった。本当にアルベイトは殺しをしたのかということだ。しかし、その答えはすぐ知ることになった。

ゴーンゴーンゴーン

大きな鐘の音がした。

「また、きたわね」

「田口と葛西は戦える奴を集めて門まで行ってくれ!俺はすぐに門に向かう」

「おう」

「わかったわ」

どうやらこの鐘の音は敵がきた合図らしい。

「鏡あなたも来なさい。この戦いが楽しそうなんて言えなくなるから」

田口と葛西とその仲間達に連れられて俺は門の前まで来た。途中タリアとナノの姿が見えたが楽しそうに買い物をしていたのでほっておくことにした。門の前に行くと先に行った榊がボロボロになっていた。

「みんな!来るな!こいつは今までの奴とは違う」

ボロボロの榊の前にはダンジョンで会った悪魔と似たような奴がいた。

「これはこれは、王国の皆様こんにちは。私は序列7位のアモンと申します。今まで私のモンスターの相手をしてくださってありがとうございました」

「序列?私のモンスターだと?何を言ってやがる」

一緒にいた田口は訳がわからずアモンに叫んでいた。他のみんなも同じだった。

「アモンと言ったな。お前もアルベイトの手下か?」

「ほっほっほ、アルベイト....そうですよ。今までの命令は全てあの方のものです」

「やはりな、絶対許さないぞアルベイト」

後ろの方で聞いていた俺は話しがわかってきた。悪魔は自分達のボスがアルベイトだと言って王国の戦力をアルベイトに向けようとしているんだと。そうすれば一番の脅威であるアルベイトが動きづらくなる。以外と悪魔は策士なのかもしれない。

「私は今日、戦いに来た訳ではありません。と言ってもボロボロの勇者様と戦いましたがね。私は宣戦布告しに来たのです。1ヶ月後の今日、この国を襲います」

「なぜそんなことをわざわざ教える?」

「深い意味はありませんよ。今この国を攻めてしまえば簡単に滅ぼせます。それじゃ面白くないじゃないですか」

「くっ、なめるなー」

ボロボロの榊は両手で剣を持ちアモンに振りかざした。
しかし、アモンは軽やかに交わし榊の腹部に強烈な蹴りを放った。

「がはっ」

「今のあなた達じゃ私にすら勝てませんよ。それでわ」

アモンが後ろを向いて帰ろうとした。

「おいまてよ、アモン」

「?なんです?まだ、挑んできますか?」

俺はアモンに質問した。

「いや俺は、戦えないんでな。一つ教えてほしい。序列ってのは強さで決まるのか?」

「ほぼ強さと言っていいでしょう。まぁ、例外はいますが」

「例外?適当に聞いてみるが序列3位の奴はその例外か?」

「3位?確かヴァッサゴさんですね。あの方は例外ではなく確かに強いですよ。何かあなた引っかかりますね」

「何、適当に聞いただけだ流してくれ」

「そうですか、それではまた1ヶ月後。会いましょう。戦えない騎士様」

アモンはそのまま歩いて消えていった。

続く

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品