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異世界転移したいっ!

個上仔下

異世界テンプレ!

 [この世界はつまらない。]
僕は、下校中にそんなことを考えていた。毎日学校に行って勉強して帰る。何が楽しくてそんなことをしなければいけないのか。僕は今中学三年生なので、こういうことを考えるのは自然かもしれない。
「あー早く帰ってアニメ見てゲームしてーな。」
そして僕は、アニメ兼ゲーム兼ラノベオタクである。
 だから早く家に帰りたいと思うのは当たり前なわけで。学校に行きたくないのも当たり前なのである。
「なんか面白いこと起きねぇかなー。」
と、何気なく路地裏を覗き込んでみる。
 するとそこでは、変わった服を着たミニスカの美少女が三角座りで俯いていた。こっち向きに。それを悟った瞬間、僕はわざとこけて、頭から倒れ込んだ。そして、倒れた地面と腕の隙間から、男性にとっての楽園を拝もうとした。
 この手法は僕にとって最強の技なのさ!だが、少し遠かった。ギリギリ見えなかったのだ。
(まあそれはそれでいいんだけど。)
 そこで僕は立ち上がり、服の汚れをパンパン払う。すると、僕の方に美少女が走ってくるではないか。まあ、この覗き方をしているとたまにある。心配して来てくれるのだ。僕はそう思い、大丈夫だと伝えることにした。
「ああ、だいじょ…」
「あなたは勇者なのですか!?」
何を言ってるんだこの人は。
「あー…まあ、そんな感じですね。」
とりあえず適当に答えておく。
「では、私と一緒に来てください!」
「え…ど、どこに?」
「こことは違う世界です!」
「よろこんで。」
異世界だろ?分かってる。僕のつまんない人生も、やっと楽しくなりそうだ。
「え…い、いいんですか!?」
「はい!とりあえず事情を教えてください。」
「じ、実は…」
 話によると、彼女がいた世界《ラダム》では、みんなが平和に暮らしていたのだが、魔王とその配下である魔物が出現して、世界の危機になっているらしい。そこで彼女は一人でこの世界に来て、勇者になる素質を持った人間を探していた。だがなかなか見つからず落ち込んでいた時に、絶大な魔力を感じたらしい。それが僕だ。まさにテンプレである。
 それに彼女が言うには、異世界にいる間はこの現実世界の時間を止めておいてくれるらしい。実にご都合主義だ。
「それじゃ、はやくいきましょ!」
僕のテンションも上がる上がる。
「あの…その前に一つお願いがあるんですけど…」
「んん!?何でしょうか!?」
「異世界にいる間だけ、こちらの世界の記憶を無くしてもよろしいですか?」
「そ、それはどのような理由で?」
「あの…魔王討伐に支障をきたされては困りますので…。あ、あの!あなたの実力を疑ってるわけではないんですよ!?で、ですが…」
「何らかの規則ですか?」
「は、はい…」
まあそれなら仕方あるまい。異世界に行けることの方が重要なのだ。と、自分で納得する。
「そんじゃ、行きますか!」
「は、はい!」
「てか、まだ名前聞いてませんよね?」
「え、えと、私はメナと申します。あなたは…?」
「僕は、三神樹戸(みかみ きと)と申します。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
「あ、こちらこそよろしくお願いします。」
「お願いしますー。……え、えーと…。」
「あー…なんかすみませんね、出発前の士気を下げちゃって。」
「あ…いえ。えー…では行きましょう!」
「イィエーーイ!」
 僕が下げた士気を取り戻すためにテンションMAXでいくぜ!………はい。メナはテンションMAXの僕にちょっと引いた後、手を前に出して呪文のようなものを唱え出した。その直後、僕とメナは白い光に包まれる。そのまま視界がだんだん暗くなっていき、僕の意識はなくなった……。

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