最強魔神の封印解除

ゼノン

4魔将ミラクラ登場!!

シルヴィアとリオナが女の話?みたいなことをしている時、俺は封印されていた墓を見ていた。
墓の前で立っているのは、俺だけ魔力を感じたからだ。まぁ、面倒ごとになるのはもう決まったと思うがな。だとしても、俺はやらなければならない。
何百年も前に交わした約束を守るためにも。
白と黒の戦いを終わらせるためにも。
「あれぇ?    ゼノン様じゃないですかぁ?   お久しぶりですねぇ」
そう言いながら俺が見ていた墓の陰から現れたのは、長い銀髪をウザったそうに搔き上げる美少女だった。
確か、俺が封印される前の配下の一人のはずで、名前は確か……。
「ミラクラ・ラフィードです。覚えているでしょうかぁ、ゼノン様ぁ?」
ふふっと笑いながら俺に近づいてくるミラクラ。そうだ。ミラクラだったわ。
「あ、あぁ。もちろん覚えているさ。我が配下がこんなところにいたとは思わなかった」
「そうですかぁ?     私をここ大陸の支配者にされたのはゼノン様ですよぉ?」
上目遣いになりながら俺を見るミラクラ。名前長いからミクでいいや。
と言うか、俺ってミクを個々の支配者にしていたのね。
「覚えてますぅ?    私の名前を覚えるのが面倒くさいとか言って《ミク》って省略してたのを」
マジかよ。全然覚えてなかったわ。ごめんミク。俺全然覚えてなかったわ。
「まぁ、いいんですけどねぇ。私結構気に入ってますしぃ?」
俺の記憶が正しければ、ミクは昔から口数が少なくて一人でいることが多かったはずだ。なんだったっけ、俺が何か言ってからミクが俺の近くを歩くようになったのは。
「まぁ、その、ごめんな」
元々を言えばミクは争いを好まない性格だった。歩くのとか面倒くさいって言って部屋にこもりキリッとした真面目な剣士だったのを覚えているが、なんかずいぶん変わったような気がする。
「にしても、しばらく見ないうちにずいぶん可愛くなったな」
「……ッ!     か、可愛いって、嬉しすぎですよぉ。まさか、あなたの口からそのような嬉しいお言葉をもらえるなんて」
なんかものすごく嬉しそうにされたよ。昔は可愛いって言ったら物凄い目つきで睨んできたっていうのに。時が経つと変わるもんなのかね?
「ま、それにしても。俺が認めた4魔将ミラクラを見つけることができたのは嬉しいな。今の俺は魔力がほぼ無いから、戦力が欲しかったんだ」
「そうですかぁ。それは嬉しいです、だからぁ、ゼノン様のお手伝いでもご奉仕でもなんでもしますよぉ〜」
「ご、ご奉仕はしなくていいからね?」
俺が却下するとムクッとほっぺを膨らませるミク。なんか可愛い。お持ち帰りしたい。
「それでぇ、ゼノン様はこれからどうするんですかぁ?」
「まだ決まってない。しばらくはこの村にいるつもりだよ」
俺がそういうと、ミクはしばらく考え込んでから、一人で頷いている。
「でしたらぁ、私もゼノン様にぃついて行きますぅ」
「そうかそうか、ついてきてく……ってええぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「なんですかぁ?」
いやいやいや、昔のミクは俺のいうことあまり聞いたことないよね!?    と言うか、いらんことしかしてないよね!?    俺嫌なんだけど、めっちゃ不安なんだけど!
「あのぉ、物凄く嫌な顔してませんかぁ?    私これでも4魔将なんですからぁ、大丈夫ですよぉ〜」
ごめん、不安でしかないぞ?
「まぁ、いい。不安はあるが4魔将としての腕は本物だからなぁ。仕方ない、ついて来るのを許すよ」
「わーい、ですねぇ。それにしてもぉ〜、ゼノン様ってなんか雰囲気変わりましたねぇ」
「そうかな?」
そんなにも変わったのだろうか?    まぁ、ミクがそう言うのであればそうかもしれないな。こいつ無駄に記憶力いいし。

まぁ、そんなこんなで俺の仲間が増えました。
ま、もっと大変なことになるのは、この後だったんだけどね。

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