最期で最初の異世界戦争

山木 美涼介

序章 死の痛み

(俺は、、、死ぬ、、、のか?)

目に映るのは、赤い液体のみ。
腹から出た血が、俺の顔まで流れてきた。

体中が熱を生み、放散してはまた生み。
溶けそうなくらい熱いと体が感じる。

熱い熱い熱い熱い熱い熱い。

体が熱すぎて、腹に刺さっているナイフの感触がわからなくなる。

痛みよりも熱さが多く湧き出てくる。

(死ぬって、こんな感じなのか、、、)

だんだん目が見えなくなる。
ぼんやりとか視界が赤く染まっている。

死ぬのがこんなに熱く痛く苦しいものだとは、俺は想像すらしていたなかった。

だんだん耳も聞こえなくなり、木々のざわめきさえも感じない。

ここがどこなのか、今はいつなのかはもうわからない。

そして、熱さがどこかへ消えた。
痛みすら感じなくなった。

あ、死んだ。

この瞬間、俺は異世界で最初の死をとげた。

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