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俺の心は傷んでいる

ゼノン

Ⅱ・ストーカーの犯人は?

ミノアからの相談を受けてから時間が経ち、今は放課後。
俺は帰る準備をし、下駄箱で靴に履き替えてから校門のところまで歩く。
とっくにミノアは校門まで行っていたようで先にいた。
「遅いよ、黒神君」
ミノアが俺を見つけて笑顔で言う。
全く自分がストーカーされるって言う自覚はあるくせに、自分の容姿については不意識なんだもんな。
ミノアは艶のある肩まで伸びた髪を持ち、青い瞳を持っている。
スタイルも良く脚も細い。胸も大きく、ブラウスがパツパツになっている。さぞかし周りの男子から視線を受け、女子から妬まれたことであろう。俺は今まで興味がなかったので(今も興味はないのだが)、そう言う気持ちに関してはよくわからない。よくある周りの誰よりも身体能力が高いやつとか、頭が誰よりも賢い奴を妬むのと同じことなのだろう。
話を戻して、瞳に関しては、今の時代では珍しいことではない。なにせ、珍しいのは俺の方だからだ。
赤や青、黄色や緑といった瞳を持つ者がいるに対し、今の人間にはない黒色の瞳を俺は持っているのだから。
この瞳のせいで周りから「人間」扱いはされたことはなかった。学校でもそうだ。俺に友達がいないのはこの瞳のせいでもある。まぁ、そんなの関係なく接してくれる奴はミノアだけなんだけどな。
「それじゃあ、家まで護衛するか」
俺が歩き出すと、
「待ってよぅ。一緒に、ね?」
ミノアが慌てて歩き出す。

それから少し時間が経つ。
ミノアの家に着くまで、ミノアは何かと俺に話しかけて来ていた。
俺は適当に相槌を打つだけで、それ以外は素っ気なかったと思う。
まぁ、それにもちゃんと理由はあるのだが。
「そういえば、ミノア」
「な、なんですか!?」
俺が突然は仕掛けたせいで、ミノアが驚いで敬語になっていた。
「いや、ミノアって告白とかされるの?」
「うん。よくされるよ。一日で大体三回から六回、かなぁ」
ミノアのその答えに俺は「そうか」と言う。
なんだかんだ話しているとミノアの家の近くについた。
「何もなかったね」
「うん。確かにな」
そう、何もなかった。視線以外は。それも、ミノアを見つめる視線と俺に対する憎しみの視線。
「黒神君の家ってどこにあるの?
「こっから近くにあるスーパーの近く」
「い、以外と近いんだね」
「そうみたいだね」
俺が振り向いて帰ろうとすると、後ろから「待って」っていう声がする。
「何?」
俺がミノアの方を向くと、
「その、ね。また何かあるかもしれないし、その、すぐに連絡できるように、ね。携帯番号とか知ってたほうがいいと思うんだ、私」
「それで?」
「その、ライン交換、しない?」
顔を赤くしてスマホを取り出す。なんか可愛いな。
「別にいいよ」
俺もスマホをポケットから取り出す。
少しして、ライン交換した俺らは試しみたいな感じで文字を打ってみる。
ピロリン!
無事ラインが届いたのがわかった俺は、
「じゃあ、俺はもう帰るわ。また何かあったら連絡して」
そう言って家の方に歩き出す。
ミノアの家が見えなくなったあたりで、俺は足を止め、そして、
「全く面倒臭いおぼっちゃまなことだな」
と後ろを振り返る。
そう。犯人なんてとっくにわかっていたのだ。ただそのための証拠となる者が欲しいため、ミノアには黙っていたのだが。
「さて、ちょっと作業するかな」
それから俺は来た道を戻り、ある事をしに行ったのだった。






     ミノア視点

(黒神君って優しいから、ちょっと好きだな)
私は昔、黒神君に助けられたことがある。黒神君とは小学校から同じクラスで助けられたのは小学校の時。
私が小学校六年生の時に胸が大きくなってきたことが原因でいじめを受けていたことがあったの。
クラスの女子が私の胸にハサミを当ててくることよくがあったの。それも教室とかじゃなくて体育館の裏とかで。私が泣いているとクラスの女子は私を蹴り飛ばす事をしてきた。その時、黒神君が私を支えてくれて、「大丈夫?」って聞いてきた。私が頷くと黒神君は、クラスの女子に殴ることはしなかったけど、受け身って言うのかな、そんな感じのことをして助けてくれた。
もうあの時から私は黒神君に恋してしまって、黒神君の事を考えるだけで胸が苦しくあって暑くなって。
だからストーカーされてることに気づいた私はすぐに黒神君に相談したんだけどね。

私がそんな昔のことを覚え出していると、窓の方が気になって外を見た。
電柱のところに何か人影があった。
(そんな!    また私はストーカーされてるの?)
そう思ったんだけど、どうやら電柱のところに居たのは黒神君だった。
(なんだ。電柱に居たのは黒神君だったんだ。ならいいか)
私は普通の女の子にあるまじきことを思った気がする。
でも気になって黒神君を見ておると、黒神君が見ておるのは私の方ではなかった。ちょっと残念。







           優魔視点

なんかミノアに見られている気がするのは気のせいだろうか?
だが、電柱の所に来たおかげで証拠となる物が手に入った。
後は明日になれば解決する。
「さて、家に帰るか」
俺はそう言って家の方に向かって歩き出し、明日になるのを待った。

そして、次の日の放課後。
校門のところに先に来ていた俺は、ミノアを待っていた。
今日は日直であるらしくミノアは少し遅れるらしい。俺はその間、スマホを見ていた。
しばらくして、日直の仕事が終わったミノアが走って俺の所に来た。
「はぁ、はぁ……ゴメンね。ちょ、ちょっと遅れ、ちゃった」
ミノアが息を乱しながら謝る。なんかエロい。それから俺たちはまた一緒にミノアの家まで歩いた。
そして、俺は突然足を止めた。
「どうしたの黒神君?」
不思議そうな顔をしてミノアが聞いてくる。
「もういいだろ。姿を現したらどうだ?  及川翔太」
後ろを振り返って俺が言う。それも電柱のある所に。
そして、
「やれやれ。気づかれてしまったか」
電柱の背後からストーカーの犯人である及川翔太が姿を現した。
「いつから僕だと気づいたのかな?」
「そうだな……お前が何かと俺に挑発して来た時、かな」
まぁ、嘘なんだけどね?
本当は昨日の夜に電柱の陰にあった隠しカメラを回収して、ちょっとイジってカメラの保存がどこに行くのかを確認しただけなんだよね。
俺がニヤッとして言うと、及川はいきなり笑い出した。
「あははは。そんなことで気づくなんて、君、以外と賢いんだね?」
「さぁ?    どうでしょう?」
「まぁ、なんにせよ。気づかれたのなら仕方ない。君には消えていただくしかないですね」
そう言って及川はポケットからナイフを取り出し、それを俺の方に向けて来た。
「死ねよ。黒神優魔」
その言葉とともに、及川は俺に向かって走ってきた。



           次回に続く。

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