元勇者の吸血鬼、教師となる
030
リハビリをしながら過ごしていると、いつの間にか夜になっていました。今は午後の八時、おいしいご飯を食べてから一時間ほどです。
家主さんを今か今かと待ち続け、ついにその時は訪れました。
「--ただいま」
低く、それでいて静かな声です。そこに威圧感は無く、この家に愛着があるのが感じられます。エマちゃんは家主さんが帰ってくると直ぐに走っていきました。甘えることが恥ずかしく無い少女なんですね。とても羨ましいです。
私ももっと甘えておけば良かったと後悔しています。
私と違ってエマちゃんは親孝行が出来ますから、精一杯してもらいたいものです。いや、人に自分の出来なかったことを押し付けるのはいけませんね。
「兄さんが帰ってきましたね。一度廊下に出ていてください。今の兄さんの姿は、見せられないものかもしれません。恐らく、誤れば消されます」
『分かりました』
シャルさんから恐ろしい言葉を聞かされたのですぐに廊下に出ます。
私、水魔法の文では落ち着いた返事が出来ましたが、内心はあせりまくりです。家主さんがどんな仕事をしているのか怖くなりました。
もしかすると、暗殺とか裏側の仕事をしているのかもしれませんね。
……流石に無いでしょう。帰る時間が普通の会社員と同じです。
「兄さん、あの子が目を覚ましました。」
「知ってる。そろそろ目を覚ます頃合いだと思っていたからねぇ。みんなのことだから必要なことの大半は終わらせているんだよね?」
「ええ、散髪とお風呂、それに服ぐらいは。食事はいつもの時間にとりましたよ。兄さんはクロノさんのところで?」
「いやぁ、欲望の為に平気で媚薬を混ぜる変態のところで飯はとりたくないなぁ。帰りにパフェを買ってそのまま帰ってきたからご飯は無くて良いよ。」
「そんなところだろうと思いまして食事は準備していません。……それで? あの子が目を覚ましているのにその格好で帰ってきた理由を教えてもらえますか? 他人に見られたら消さなければならないと昔言ってましたよね?」
「え? ……あぁ、そんなこと言ったっけ。多分その場のノリだよ。」
「……私の気遣いを返してください」
おや、どうやら家主さんの冗談だったみたいですね。下手にエンカウントして消されたとなったら笑えません。良かったです。
それはそれでシャルさんを不憫に思いますが、特に怒気を含んだ様子ではないので大丈夫でしょう。きっと、家主さんはそういう性格なんですね。
安心しました。文面から怖そうだと思っていましたから。
「--さて、聞いてると思うから言うけど、もう入ってくると良いよ。まぁ、そもそも出て行く必要なんてなかったんだけどね。」
失礼します、といって入るのが正しいのでしょうが、兄としかまともに話せなくなった私はノックだけして入ります。面接なら即落ちるでしょうが、こればかりは許してもらいたいです。治るまで時間がかかります。
中に入ると、そこにいたのは灰色のローブを着た仮面の人です。腰には不自然な膨らみがあり、武器が入っていることはよく分かります。
とても恐ろしいですね。思わず泣きそうになりました。
「とりあえず座りなよ。この姿は君が信用に足る人間だと分かったら脱ごうじゃないか。あ、下は裸とかじゃないから安心してほしい。」
『はい、分かりました』
「ん? 喋れなかったりするのかね?」
「長い間痛めつけられたことで会話する能力が欠落しているんだよ。時間があれば直っていくだろうけど、それまでは水魔法で擬似会話になるね。」
「なるほど? ……まぁいい。先に自己紹介をしておこう。僕の名前は藤原詩季、とある学園で教師をしている。この格好については……そうだな。魔物でも討伐していると思っていてくれればいい。」
『柏木美雨です。この度は助けていただき--』
「待て、僕は助けてなどいない。僕の親友が昔救った命だから拾っただけだ。感謝をするのは君をここまでしてくれた僕の家族だけにしておけ。君の命になんて欠片も興味は無いし、親友が助けた者じゃなかったら見捨てていた。そのことはよく覚えておけ」
『分かりました。』
家主さん……藤原さんは以前私のことを知ったらしいです。
私が誰かに命を助けられたのは……三回。一回目は制服姿の男、あの悪魔がいる場所から救い出してくれた人ですね。二回目は院長先生です。ただの孤児であった私たち兄妹を幸せに育ててくれました。
三回目は言わずとも藤原さんです。藤原さんは助けたのではないと言っていますが、助けられたことには間違いないので助けられたというのにカウントします。
この中で、藤原さんの親友がいた可能性は……
『五年前、あの龍と戦っていたのは藤原さん、ですか?』
「……あぁ、記憶はあるんだね。そう、魔術師の家々を破壊し、虐殺を行った邪龍をぶち殺したのは僕だ。あの時はそこら辺でパニックになっていてイライラしていたからね。じわじわとなぶり殺しにしたよ。」
「助けられた人が少なくてイライラしてたねー」
「やかましい。……そして、君ら兄妹を崩れた家から拾い、孤児院に預けたのは僕の親友だ。プライバシーがあるから名前は言わないでおく。」
『プライバシーって大事ですもんね』
「まぁ、普通の奴だったら言っても構わないのだけどもね。今ではあいつもリベリオンの序列一位、簡単に名前を出すことは出来ないのさ。あちらでも本名は使っていないようだしね。」
リベリオン、聞いたことがあります。あの男が忌々しいと怒鳴っていました。あの男からの情報を簡単に纏めると魔物や犯罪者と戦う戦闘集団ですね。
あの男は見た目から分かるぐらいに極悪人なので、世間的に正しいことを行っているリベリオンは疎ましいのでしょう。
……あぁ、なんならリベリオンに助けを求めても良かったですね。この家の人はとても優しいですが、多分私がいるのは負担ですから。
リベリオンなら嫌々で保護してくれるでしょう。戦闘集団ですから私のことも雇ってくれたかもしれません。《無能者》でも良ければ、ですが。
「さて、自己紹介も終わったところだし君についてだ。自殺をしようとしていたのは覚えているね? その時の君は、切り傷、火傷、骨折、神経系の病気と、通常の生活ならばまず有り得ないような怪我を負っていた。何があったのかは大体想像出来るが、認識の違いがあっては少々困る。だから君に話してもらいたい。……すまないね。」
『いえ、命を拾われた以上私が話すのは当然のことです。精神的にはルディ君のおかげである程度大丈夫になりましたから、悪いとは思わないでください。……知っている通り、私は魔術師の家系の生まれです。両親と兄で魔術の訓練をしながら過ごしていたのですが--』
それから私は、自分がどのような状況に置かれていたのかを全て話しました。話すといっても水魔法だったので、口頭よりかは伝わったと思います。
藤原さんは反応することなく私の書く文に目を通していました。その姿が真剣に考えているようにしか見えないので、この人も良い人なんだと思いました。少し素直じゃないところがあるみたいですね。
この類の人は、辛いことがあっても溜め込むと兄に教わりました。限界まで精神を追い込んで、ようやく苦しみを表に出すのだと、そう聞きました。
私とは反対ですね。私は弱すぎるので隠せるぐらいにはなりたいです。
『--以上です。これが私の過ごしてきた15年間の記録、少し長くなりましたがこれで全てです。洗脳さえされていなければ嘘偽りはありません。』
「洗脳については治療するときに調べたから大丈夫だよ。君が嘘を言っているとは思わない。嘘をついても君に利点なんてものは無いんだからね。……しかし、なんとも痛々しい人生を送ってきたのだね……同情はしないが、労いはしておこう。」
『いいんですか? そんなに簡単に信じて。私がどこかの人間で、藤原さんを殺しにきただけかもしれないんですよ?』
「聞こう。君に僕を殺す力があるのかい?」
『分かりません。多分無いでしょうね』
「それが答えだよ。僕に損や不快感が無いのなら問題ないからね。……まぁ、さっきも言った通り、君が嘘をつく理由が考えられない。当然僕を殺しにくる場合も想定したけど、それはおかしいんだ。だって僕、ただの教師だし、狙われるようなことした覚え無いし」
「兄さん、それは無理があります。」
藤原さんが理由を話すとシャルさんに即答されています。実の妹さんに否定されているところを見ると色々やらかしているみたいですね。
少なくとも、コスプレイヤーでも無い限り藤原さんのような格好をする人が恨みを買っていないとは思えません。あの服からは強さも感じます。絶対、相当強い魔物の素材が入っています。魔術師としての何かがビンビン反応しています。
「まぁ、仮に僕に恨みを持っている人がいたとしても、この姿すら見せたことが無いから素顔なんて知られている訳ないんだ。この姿で名乗ったことすら初めてだからね。ちなみに、君に名乗ったのは僕の家族が信用しているからだよ。本来だったら何も言わないだろうね。」
『契約の魔術でも使わなければ不安ですよね、普通。』
「その非常に心くすぶられる魔術については後々教えてもらおう。勿論、代わりに僕の教えられるものを教える。……で、君を家族が信用している理由としてはルディとエマの態度だね、あの二人はかなり人間不信だからまず君のことを疑うよ。食べ物と簡単な服、あとは路銀だけ与えて放り出すね。」
『それだけでも十分過ぎるような気がします』
「いや、疑ったら子供でもそうする。たとえ五歳児が相手でも疑うのがあの二人さ。それに君は慰められた、信用はされているね。……いや、君が母性を刺激される人だからかもね。一応言っておくけど、エマ以外は年齢詐欺者たちだよ。」
あ、だからルディ君とか落ち着いているように見えたんですね。納得です。魔術師の中には半世紀ほどサバを読む人もいるらしいですし、おかしなことではありませんね。
きっと、ルディ君も年齢的にはルディさんなのでしょう。
「大体三世紀以上はサバ読んでるよ」
『そこまでとは思いませんでした』
「……もっと読んでるくせに」
えぇ……、藤原さん一体何歳なんですか。
家主さんを今か今かと待ち続け、ついにその時は訪れました。
「--ただいま」
低く、それでいて静かな声です。そこに威圧感は無く、この家に愛着があるのが感じられます。エマちゃんは家主さんが帰ってくると直ぐに走っていきました。甘えることが恥ずかしく無い少女なんですね。とても羨ましいです。
私ももっと甘えておけば良かったと後悔しています。
私と違ってエマちゃんは親孝行が出来ますから、精一杯してもらいたいものです。いや、人に自分の出来なかったことを押し付けるのはいけませんね。
「兄さんが帰ってきましたね。一度廊下に出ていてください。今の兄さんの姿は、見せられないものかもしれません。恐らく、誤れば消されます」
『分かりました』
シャルさんから恐ろしい言葉を聞かされたのですぐに廊下に出ます。
私、水魔法の文では落ち着いた返事が出来ましたが、内心はあせりまくりです。家主さんがどんな仕事をしているのか怖くなりました。
もしかすると、暗殺とか裏側の仕事をしているのかもしれませんね。
……流石に無いでしょう。帰る時間が普通の会社員と同じです。
「兄さん、あの子が目を覚ましました。」
「知ってる。そろそろ目を覚ます頃合いだと思っていたからねぇ。みんなのことだから必要なことの大半は終わらせているんだよね?」
「ええ、散髪とお風呂、それに服ぐらいは。食事はいつもの時間にとりましたよ。兄さんはクロノさんのところで?」
「いやぁ、欲望の為に平気で媚薬を混ぜる変態のところで飯はとりたくないなぁ。帰りにパフェを買ってそのまま帰ってきたからご飯は無くて良いよ。」
「そんなところだろうと思いまして食事は準備していません。……それで? あの子が目を覚ましているのにその格好で帰ってきた理由を教えてもらえますか? 他人に見られたら消さなければならないと昔言ってましたよね?」
「え? ……あぁ、そんなこと言ったっけ。多分その場のノリだよ。」
「……私の気遣いを返してください」
おや、どうやら家主さんの冗談だったみたいですね。下手にエンカウントして消されたとなったら笑えません。良かったです。
それはそれでシャルさんを不憫に思いますが、特に怒気を含んだ様子ではないので大丈夫でしょう。きっと、家主さんはそういう性格なんですね。
安心しました。文面から怖そうだと思っていましたから。
「--さて、聞いてると思うから言うけど、もう入ってくると良いよ。まぁ、そもそも出て行く必要なんてなかったんだけどね。」
失礼します、といって入るのが正しいのでしょうが、兄としかまともに話せなくなった私はノックだけして入ります。面接なら即落ちるでしょうが、こればかりは許してもらいたいです。治るまで時間がかかります。
中に入ると、そこにいたのは灰色のローブを着た仮面の人です。腰には不自然な膨らみがあり、武器が入っていることはよく分かります。
とても恐ろしいですね。思わず泣きそうになりました。
「とりあえず座りなよ。この姿は君が信用に足る人間だと分かったら脱ごうじゃないか。あ、下は裸とかじゃないから安心してほしい。」
『はい、分かりました』
「ん? 喋れなかったりするのかね?」
「長い間痛めつけられたことで会話する能力が欠落しているんだよ。時間があれば直っていくだろうけど、それまでは水魔法で擬似会話になるね。」
「なるほど? ……まぁいい。先に自己紹介をしておこう。僕の名前は藤原詩季、とある学園で教師をしている。この格好については……そうだな。魔物でも討伐していると思っていてくれればいい。」
『柏木美雨です。この度は助けていただき--』
「待て、僕は助けてなどいない。僕の親友が昔救った命だから拾っただけだ。感謝をするのは君をここまでしてくれた僕の家族だけにしておけ。君の命になんて欠片も興味は無いし、親友が助けた者じゃなかったら見捨てていた。そのことはよく覚えておけ」
『分かりました。』
家主さん……藤原さんは以前私のことを知ったらしいです。
私が誰かに命を助けられたのは……三回。一回目は制服姿の男、あの悪魔がいる場所から救い出してくれた人ですね。二回目は院長先生です。ただの孤児であった私たち兄妹を幸せに育ててくれました。
三回目は言わずとも藤原さんです。藤原さんは助けたのではないと言っていますが、助けられたことには間違いないので助けられたというのにカウントします。
この中で、藤原さんの親友がいた可能性は……
『五年前、あの龍と戦っていたのは藤原さん、ですか?』
「……あぁ、記憶はあるんだね。そう、魔術師の家々を破壊し、虐殺を行った邪龍をぶち殺したのは僕だ。あの時はそこら辺でパニックになっていてイライラしていたからね。じわじわとなぶり殺しにしたよ。」
「助けられた人が少なくてイライラしてたねー」
「やかましい。……そして、君ら兄妹を崩れた家から拾い、孤児院に預けたのは僕の親友だ。プライバシーがあるから名前は言わないでおく。」
『プライバシーって大事ですもんね』
「まぁ、普通の奴だったら言っても構わないのだけどもね。今ではあいつもリベリオンの序列一位、簡単に名前を出すことは出来ないのさ。あちらでも本名は使っていないようだしね。」
リベリオン、聞いたことがあります。あの男が忌々しいと怒鳴っていました。あの男からの情報を簡単に纏めると魔物や犯罪者と戦う戦闘集団ですね。
あの男は見た目から分かるぐらいに極悪人なので、世間的に正しいことを行っているリベリオンは疎ましいのでしょう。
……あぁ、なんならリベリオンに助けを求めても良かったですね。この家の人はとても優しいですが、多分私がいるのは負担ですから。
リベリオンなら嫌々で保護してくれるでしょう。戦闘集団ですから私のことも雇ってくれたかもしれません。《無能者》でも良ければ、ですが。
「さて、自己紹介も終わったところだし君についてだ。自殺をしようとしていたのは覚えているね? その時の君は、切り傷、火傷、骨折、神経系の病気と、通常の生活ならばまず有り得ないような怪我を負っていた。何があったのかは大体想像出来るが、認識の違いがあっては少々困る。だから君に話してもらいたい。……すまないね。」
『いえ、命を拾われた以上私が話すのは当然のことです。精神的にはルディ君のおかげである程度大丈夫になりましたから、悪いとは思わないでください。……知っている通り、私は魔術師の家系の生まれです。両親と兄で魔術の訓練をしながら過ごしていたのですが--』
それから私は、自分がどのような状況に置かれていたのかを全て話しました。話すといっても水魔法だったので、口頭よりかは伝わったと思います。
藤原さんは反応することなく私の書く文に目を通していました。その姿が真剣に考えているようにしか見えないので、この人も良い人なんだと思いました。少し素直じゃないところがあるみたいですね。
この類の人は、辛いことがあっても溜め込むと兄に教わりました。限界まで精神を追い込んで、ようやく苦しみを表に出すのだと、そう聞きました。
私とは反対ですね。私は弱すぎるので隠せるぐらいにはなりたいです。
『--以上です。これが私の過ごしてきた15年間の記録、少し長くなりましたがこれで全てです。洗脳さえされていなければ嘘偽りはありません。』
「洗脳については治療するときに調べたから大丈夫だよ。君が嘘を言っているとは思わない。嘘をついても君に利点なんてものは無いんだからね。……しかし、なんとも痛々しい人生を送ってきたのだね……同情はしないが、労いはしておこう。」
『いいんですか? そんなに簡単に信じて。私がどこかの人間で、藤原さんを殺しにきただけかもしれないんですよ?』
「聞こう。君に僕を殺す力があるのかい?」
『分かりません。多分無いでしょうね』
「それが答えだよ。僕に損や不快感が無いのなら問題ないからね。……まぁ、さっきも言った通り、君が嘘をつく理由が考えられない。当然僕を殺しにくる場合も想定したけど、それはおかしいんだ。だって僕、ただの教師だし、狙われるようなことした覚え無いし」
「兄さん、それは無理があります。」
藤原さんが理由を話すとシャルさんに即答されています。実の妹さんに否定されているところを見ると色々やらかしているみたいですね。
少なくとも、コスプレイヤーでも無い限り藤原さんのような格好をする人が恨みを買っていないとは思えません。あの服からは強さも感じます。絶対、相当強い魔物の素材が入っています。魔術師としての何かがビンビン反応しています。
「まぁ、仮に僕に恨みを持っている人がいたとしても、この姿すら見せたことが無いから素顔なんて知られている訳ないんだ。この姿で名乗ったことすら初めてだからね。ちなみに、君に名乗ったのは僕の家族が信用しているからだよ。本来だったら何も言わないだろうね。」
『契約の魔術でも使わなければ不安ですよね、普通。』
「その非常に心くすぶられる魔術については後々教えてもらおう。勿論、代わりに僕の教えられるものを教える。……で、君を家族が信用している理由としてはルディとエマの態度だね、あの二人はかなり人間不信だからまず君のことを疑うよ。食べ物と簡単な服、あとは路銀だけ与えて放り出すね。」
『それだけでも十分過ぎるような気がします』
「いや、疑ったら子供でもそうする。たとえ五歳児が相手でも疑うのがあの二人さ。それに君は慰められた、信用はされているね。……いや、君が母性を刺激される人だからかもね。一応言っておくけど、エマ以外は年齢詐欺者たちだよ。」
あ、だからルディ君とか落ち着いているように見えたんですね。納得です。魔術師の中には半世紀ほどサバを読む人もいるらしいですし、おかしなことではありませんね。
きっと、ルディ君も年齢的にはルディさんなのでしょう。
「大体三世紀以上はサバ読んでるよ」
『そこまでとは思いませんでした』
「……もっと読んでるくせに」
えぇ……、藤原さん一体何歳なんですか。
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