《完結》虐待されてる奴隷少女を救った、異世界最強の龍騎士
第63話「巨大種迎撃~後編」
倒しても倒しても、クロエイは次から次へとあふれ出てくる。龍一郎の殲滅力をクロエイの繁殖が上回っていた。
「くそっ」
やはり根源を止めなくてはならない。
巨大種だ。
しかし、止まらない。
龍一郎の血を浴びて怯みはするが、消えてくれる気配はない。
「リュウイチロウさまーッ」
村のほうからエムールが呼んでいた。何かを指さしている。エムールが指差しているのは塔の上のサーチライトだった。村番貴族のロッツェオが照らしてくれている。たしか血質値50だと言っていた。
もしかして龍一郎の血を使えば、もっと明るく照らせるのかもしれない。
龍一郎は急ぎ村に引き返した。
村人たちが戸惑っているのがわかった。血質値がすごいということは、貴族である可能性が高い。どう接すれば良いのか、困惑しているのだろう。
構っている暇はない。
急ぎ、塔にのぼった。
ロッツェオが「えいっ、えいっ」とサーチライドを巨大種に向けている。
「貸してください。オレの血を使います」
「ここから見えとりました。すごい血をお持ちですな。もしかして王族のお方でしたか?」
「説明は後で」
「わかりました」
ロッツェオはチューブを引き抜いて、龍一郎に差し出した。消毒とかしなくても良いのか――と思った。
他人が使っていたチューブをそのまま使うのは、はじめてだった。その心配をロッツェオは見抜いたようだった。
「心配はいりません。龍の血管の針さきは、常に清潔になるようにできております」
「すみません」
チューブを刺した。
サーチライトの明かりがひときわ強くなった。
その明かりが巨大種に直撃した。
「グアァァ――ァッ」
巨大種は悶絶していた。
ピタリと足を止めた。
「効いとりますな!」
と、ロッツェオは興奮していた。
続けて明かりを当て続けていると、巨大種はついに身をひるがえした。それに見習うかのように他のクロエイたちもすごすごと引き返していった。巨大種の姿は暗闇に呑まれて見えなくなった。
なんとか難を逃れたようだ。
塔下。
村の者たちが、今度こそホントウの歓声をあげていた。
「ふーっ。やりましたね」
と、ようやく龍一郎も気を抜いた。
しかし、チューブは抜かなかった。いちおうこのままライトを照らしておくことにした。
「いやぁ。いつもなら巨大種が、こんな真っ直ぐ村のほうに来ることはなかったので、もうダメかと思いましたよ」
「いつもは、来ないんですか?」
「ええ。明かりを嫌って、よそに行ってくれるんです。いやぁー、助かりました」
流れ出る汗を、ロッツェオは拭いながら言った。
もうクロエイが襲ってくる様子がなかったので、龍一郎とロッツェオは交代でサーチライトを照らしながら仮眠をとった。
「くそっ」
やはり根源を止めなくてはならない。
巨大種だ。
しかし、止まらない。
龍一郎の血を浴びて怯みはするが、消えてくれる気配はない。
「リュウイチロウさまーッ」
村のほうからエムールが呼んでいた。何かを指さしている。エムールが指差しているのは塔の上のサーチライトだった。村番貴族のロッツェオが照らしてくれている。たしか血質値50だと言っていた。
もしかして龍一郎の血を使えば、もっと明るく照らせるのかもしれない。
龍一郎は急ぎ村に引き返した。
村人たちが戸惑っているのがわかった。血質値がすごいということは、貴族である可能性が高い。どう接すれば良いのか、困惑しているのだろう。
構っている暇はない。
急ぎ、塔にのぼった。
ロッツェオが「えいっ、えいっ」とサーチライドを巨大種に向けている。
「貸してください。オレの血を使います」
「ここから見えとりました。すごい血をお持ちですな。もしかして王族のお方でしたか?」
「説明は後で」
「わかりました」
ロッツェオはチューブを引き抜いて、龍一郎に差し出した。消毒とかしなくても良いのか――と思った。
他人が使っていたチューブをそのまま使うのは、はじめてだった。その心配をロッツェオは見抜いたようだった。
「心配はいりません。龍の血管の針さきは、常に清潔になるようにできております」
「すみません」
チューブを刺した。
サーチライトの明かりがひときわ強くなった。
その明かりが巨大種に直撃した。
「グアァァ――ァッ」
巨大種は悶絶していた。
ピタリと足を止めた。
「効いとりますな!」
と、ロッツェオは興奮していた。
続けて明かりを当て続けていると、巨大種はついに身をひるがえした。それに見習うかのように他のクロエイたちもすごすごと引き返していった。巨大種の姿は暗闇に呑まれて見えなくなった。
なんとか難を逃れたようだ。
塔下。
村の者たちが、今度こそホントウの歓声をあげていた。
「ふーっ。やりましたね」
と、ようやく龍一郎も気を抜いた。
しかし、チューブは抜かなかった。いちおうこのままライトを照らしておくことにした。
「いやぁ。いつもなら巨大種が、こんな真っ直ぐ村のほうに来ることはなかったので、もうダメかと思いましたよ」
「いつもは、来ないんですか?」
「ええ。明かりを嫌って、よそに行ってくれるんです。いやぁー、助かりました」
流れ出る汗を、ロッツェオは拭いながら言った。
もうクロエイが襲ってくる様子がなかったので、龍一郎とロッツェオは交代でサーチライトを照らしながら仮眠をとった。
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