《完結》虐待されてる奴隷少女を救った、異世界最強の龍騎士
第4話「奴隷少女の救出」
カーン、カーン、カーン。
と、村中に響きわたるような、けたたましい鐘の音が鳴り響いた。各々の家屋から村人たちが跳びだしてきた。その手には斧やらクワやらがあった。
(まさか、オレを殺そうとしてるのか?)
そんな様子ではない。
何か尋常ならぬ様子で、村人たちはストリートを駆けて行く。龍一郎が茂みに潜り込んでいる家の者も例外ではなかった。あわてたように家を飛び出している。空襲でもはじまるのかと思うような、あわてようだ。
跳びだして行った中に、さっきの薄幸の少女はいなかった。
よくわからないが、これはチャンスだ。家のトビラも開け放たれている。火事場泥棒のようで悪いが、これが少女を助ける絶好の好機に思えた。
茂みから出る。
周囲の者たちに気づかれないように、急いで家の中に忍び込んだ。
幸い、明かりは灯っている。
異世界というと中世ヨーロッパのイメージがある。でも、この世界では、電気は通っているということか。
そう言えば外にも、たくさんの外灯があった。
入口は土間になっていた。木製の下駄箱がある。布の靴が置かれている。ファンタジックな感じだ。
龍一郎は裸足だったから、一足頂いておくことにした。靴を履いたまま家の中に入った。
どこもかしこも木造だ。プラスチックなどを加工する技術がないのだろうか。
まだ家の中に人が残っていないとも限らない。いちおう足音を忍ばせて、家の奥へと潜り込んだ。
木製のトビラがある。ドアノブは金属製だった。わずかな隙間を開けた。中の様子をうかがう。
広間だった。
リビングだろうか。
木製の長椅子と、巨木を輪切りにしたようなテーブルが置かれている。テーブルの上には食器が置かれている。食事中だったんだろうか。美味そうな肉が乗っていた。
その向こうに、さっきの少女がいた。
全身にコードのようなものがつながれている。
他に人がいる様子もない。龍一郎はその少女に駆け寄った。
「おい、大丈夫か?」
少女はボロイ布きれを着ていた。布のバスタオルを巻いているかのようだ。
肌の露出が激しい。肩は出ている。フトモモもさらけ出していた。そのカラダのあちこちに、コードが刺さっている。
そのコードをよく見てみると、カテーテルのように細い管になっていた。先端が針になって少女に刺さっているのだ。管の中には少女の血が通っているようだ。
「なんだ、これ?」
これに似たものを、どこかで見たことがある。
すぐに、ひらめいた。
献血だ。
この無数のチューブには、少女の血が流れているのだ。まるで血の翼を広げているかのようだった。
「血を採られてるのか?」
針は舌にまで刺さっている。これはかなり痛そうだ。
「……」
少女は寡黙にジッと、龍一郎のことを見つめていた。
「抜いたほうが良いんだよな?」
こくりと少女はうなずいた。
「すぐに助けてやるからな」
少女は手足に枷をつけられていた。自分で、針を抜けないようにしているのだろう。
医療的な知識はなかった。とりあえず一本一本を慎重に抜いていった。針は細いようで、抜いてもたいした出血はなかった。
それでも、アザが残っている。全身アザだらけなのは、普段からこの謎の儀式が行われているからだろう。
すべての針を抜くことに成功した。
すると――。
プツン。
家の電気が消えた。
と、村中に響きわたるような、けたたましい鐘の音が鳴り響いた。各々の家屋から村人たちが跳びだしてきた。その手には斧やらクワやらがあった。
(まさか、オレを殺そうとしてるのか?)
そんな様子ではない。
何か尋常ならぬ様子で、村人たちはストリートを駆けて行く。龍一郎が茂みに潜り込んでいる家の者も例外ではなかった。あわてたように家を飛び出している。空襲でもはじまるのかと思うような、あわてようだ。
跳びだして行った中に、さっきの薄幸の少女はいなかった。
よくわからないが、これはチャンスだ。家のトビラも開け放たれている。火事場泥棒のようで悪いが、これが少女を助ける絶好の好機に思えた。
茂みから出る。
周囲の者たちに気づかれないように、急いで家の中に忍び込んだ。
幸い、明かりは灯っている。
異世界というと中世ヨーロッパのイメージがある。でも、この世界では、電気は通っているということか。
そう言えば外にも、たくさんの外灯があった。
入口は土間になっていた。木製の下駄箱がある。布の靴が置かれている。ファンタジックな感じだ。
龍一郎は裸足だったから、一足頂いておくことにした。靴を履いたまま家の中に入った。
どこもかしこも木造だ。プラスチックなどを加工する技術がないのだろうか。
まだ家の中に人が残っていないとも限らない。いちおう足音を忍ばせて、家の奥へと潜り込んだ。
木製のトビラがある。ドアノブは金属製だった。わずかな隙間を開けた。中の様子をうかがう。
広間だった。
リビングだろうか。
木製の長椅子と、巨木を輪切りにしたようなテーブルが置かれている。テーブルの上には食器が置かれている。食事中だったんだろうか。美味そうな肉が乗っていた。
その向こうに、さっきの少女がいた。
全身にコードのようなものがつながれている。
他に人がいる様子もない。龍一郎はその少女に駆け寄った。
「おい、大丈夫か?」
少女はボロイ布きれを着ていた。布のバスタオルを巻いているかのようだ。
肌の露出が激しい。肩は出ている。フトモモもさらけ出していた。そのカラダのあちこちに、コードが刺さっている。
そのコードをよく見てみると、カテーテルのように細い管になっていた。先端が針になって少女に刺さっているのだ。管の中には少女の血が通っているようだ。
「なんだ、これ?」
これに似たものを、どこかで見たことがある。
すぐに、ひらめいた。
献血だ。
この無数のチューブには、少女の血が流れているのだ。まるで血の翼を広げているかのようだった。
「血を採られてるのか?」
針は舌にまで刺さっている。これはかなり痛そうだ。
「……」
少女は寡黙にジッと、龍一郎のことを見つめていた。
「抜いたほうが良いんだよな?」
こくりと少女はうなずいた。
「すぐに助けてやるからな」
少女は手足に枷をつけられていた。自分で、針を抜けないようにしているのだろう。
医療的な知識はなかった。とりあえず一本一本を慎重に抜いていった。針は細いようで、抜いてもたいした出血はなかった。
それでも、アザが残っている。全身アザだらけなのは、普段からこの謎の儀式が行われているからだろう。
すべての針を抜くことに成功した。
すると――。
プツン。
家の電気が消えた。
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