陰キャな俺がハーレムに!?

絵音 聖夜

バイト面接

 「お詫びはモデルに、か...。ぷぷぷ。」
笑ってやがる。毎回毎回なんで笑うんだよ。
「別に面白くねえだろ... 聖修。なんで笑うんだよ。」
と言うとまた笑い始める。うぜぇ。すると、笑いながら話す態度になり
「けど、ハーレムになるんだからモデルやってもいいんじゃねえの?ぷくく...」
笑いながら言われても説得力がない。それに俺は何より、
「モデルになれる自信が無い。」
第1モデルになれる自信なんて俺にはない。ハーレムとモデルは違うと思っている。当たり前だけど。ハーレムは女子に好かれるような感じで、学校の中では噂になるかもしれない。けどモデルは学校内だけでなく、全国に広がるわけだ。俺にその責任は持てない。だから無理だ。なれると、出来れば信じたい。妹、光月みづきのためにも。俺は俯く。肩の力を入れて。すると、突如笑い声は止まった。
「出来ない、とかそういうのは俺には分からん!」
急に口を開いたかと思えば、それかよ。結局は出来ないのと同じということじゃないか。
「出来ねえとかそういうのは分からないけど、そんなのその時にしか分からないじゃないか。出来ないって最初に諦めたって何も進めない。逆にこの機会を利用したらいいじゃないか。」
何言ってるんだ。進めない?俺は。そういう人間だから。
「利用するって意味不イミフなんだよ...。」
「だから、12月までにハーレムになればいい。今は6月だ。約6ヶ月間ある。その間になればいい。」
「でも...」
「お前からしたらハーレムとモデル... 違うかもしれねぇ。けど、同じと考えればいい。モデルになれば、ハーレムになった、そう思えばいい。ってことで着いたぜ、ファミレス。」
俺達の前には聖修が言ったように、ファミレスがあった。このファミレスはかれこれ5年以上はある。
「じゃあ、中はいるぞ?」
「お、おう...」
入ると少しして若い女性の店員さんが来た。
「2名様でよろしいでしょうか?」
「いや、今日はバイトの面接を受けに来たんですけど...」
と、聖修が答える。
「あ、そうですか...!じゃあ、店長を呼んできますね。えっとここの席に座ってお待ちください。」
と4人席に案内された。そこに俺と聖修は横に並んで座る。
 しばらくすると男性が来た。
「こんにちは、君たちが面接を受けに来た2人?」
「はい...」「はい。」
俺は暗めに、聖修は普通に答えた。
「じゃあ、それぞれ自己紹介として名前、年齢、趣味、得意なことを教えてください。じゃあ、まずはこちらから。」
と聖修を手であてた。すると聖修は早速と言わんばかりに話始める。趣味かぁ。俺に趣味?そんなの言えねえよ...。いつも家で寝てばかりとか絶対に。嘘つくか?それとも正直に答えるか。そんなことを思っているうちにあっという間に聖修は終わったみたいだ。すると店長の目線が俺にいく。
「あ、えっと...。俺の名前は上城 風季かみしろ ふうきです...。年齢は高校2年生16歳です。趣味は、恥ずかしながら寝たり、読書です。得意なことは暗記です。」
そう、俺は暗記が得意だ。だから理数系の計算があまり得意ではない。
「2人ともありがとう。では早速よろしく頼むよ。」
ん?早速頼むよ...?あれ?面接ってこんな感じだっけ...?
「人手不足だから、そこまで厳しくはしないつもりだよ。」
おどおどしている俺に店長は優しく言った。確かにここは駅が近くにあり、人が多く来るだろう。それにしては店員さんが少ない気もするし分かる気がする。
「2人希望とかある?ホールかキッチンどちらか。」
「俺はキッチンでお願いします。」
店長から聞かれた瞬間聖修はすぐに答えた。
「お、俺は...」
隣で聖修が顔を覗いている。「ホールだろ」と言うように。
「ホールでお願いします!」
頭を下げて言う俺に店長は苦笑いした。
「そこまでかしこまらなくてもいいよ。では、2人に日程予定を渡すから都合のいい時間にマーカーをひいて貰っていいかな?」
と、1人2枚ずつの紙と蛍光ペンを渡された。俺と聖修は話し合いながら着々と決め、マーカーで線をひいていく。
 作業はあっという間に終わり店長に渡す。
「ありがとう。これ通りに来てください。もちろん急用がある場合は電話をしてください。次来た時に制服を渡します。では、これからよろしくお願いします。」

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