陰キャな俺がハーレムに!?

絵音 聖夜

条件

 夜道は予想通り暗かった。もちろん外灯は立ってるが、光が弱いため道が見えるくらい。そこまで明るいわけではない。車が通ったりしたら明るくなるだろうけどここは住宅街。あまり車は通らないのだ。俺は怖くない、怖くないという情けないことを思いながら進んで行くと大きな家が見えた。インターフォンを押すと、「はーい」という女子高校生の声が聞こえた...。? あいつに兄弟とかいたっけ...?
ドアを開けて出てきたのは... ふ、福本さん!? し、しかも私服だろうか綺麗なワンピースを着ている。いつも通り胸は微笑ましい。いや、それより... 家間違えたか?間違えて福本さんの家にたどり着いてしまったのか?暗かったし、まあ仕方がないという発想は生まれそうで生まれない。だって親友の家を間違えるか!?普通! ヤバイ目が回りそうだ...
「あ、あわ、あわわわ」
福本さんもどうやら戸惑っている。ヤバイ、頭が痛くなってきた。俺はこういうのに慣れていない。俺は後ろに倒れて意識を失った...。

「だから、美玲が出たらいけないって言ったのに...」
「ご、ごめん... つい...てへへ...」
「『てへへ』じゃないだろ?」
聞き覚えのある声が聞こえて目が覚めた。俺は上半身を起こした。痛い。倒れた時に思いっきり打ったのだろうか。
「あ、目覚めたよ!聖修!」
「ほんとだ...。おはよう、風季... お前... 大丈夫か?あたm」
「ふぁっ!?」
聖修が心配してくれて嬉しいと思った瞬間、最後の言葉で台無しだ。俺は普通に切れて「ふぁっ!?」という声を出してしまった。その俺の反応をみて聖修は「あ、いつも通りだ。平気そうだな」と笑顔で言った。もっとマシな確かめ方あったんじゃないのか!? 「それより...」と聖修が話し始めた。
「お前が倒れたのもなんとなーく理由はついてる。なんで美玲が俺の家にいるか... だろ?」
まあ、的中だ。俺はこくんと頷いた。
「実は俺たち... 『付き合っている』んだ!」
俺は一瞬固まった。ずっと前から付き合ったらお似合いだろうなー… と思っていた2人が本当に付き合っていただなんて...
「まあ、それ... 嘘だけどな?」
ベッドから落ちそうになった。思いっきり倒れたが...。なんだ、嘘かよ!? そんな様子をみて、福本さんは困り顔。聖修は笑いそうになっている... ってか笑っている。起き上がりながら、
「本当の理由はなんだよ...」
俺が聞くと、
「うん?ああ、本当の理由は普通にいとこなんだよ、俺と美玲。美玲がこっちにいる理由は俺と同じ高校に行きたかったかららしい。美玲の本当の家は遠いからそっから高校まで行くのは難しいから高校3年間だけこっちにいるんだよ。」
ご丁寧に説明をありがとう... ってことは福本さんは1年生の頃からずっと聖修の家にいたってことかよ!?
「せ、聖修... ってことは福本さんは1年生の頃からずっと聖修の家にいたって... こと...?」
聖修はニヤリと笑いながら頷いた...。
「ああ、そうだよ? 毎回俺の家に遊びに来て俺が一緒に女子の話すると『福本さんって可愛いよな』とか言ってたけど... ぜーんぶ本人は知ってまs...」
「ああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!やめろおぉぉ!!!」
ヤバイ、叫んでしまった!そんな福本さんは顔を真っ赤にしてる。
「べ、別に聞いてないよ!そ、そんなこと... だって私友達と遊びに行ってたり、部屋にいたり... あ...」
この反応はもしかして聞いてたのかよ...。ああ... 死にたい... 前からそうは思ってたけど、さらに死にたくなった... 顔が熱い... 赤くなってるんだろうか... 俺は布団を引っ張り、潜った。
「んで、その事で頼みがある。」
俺を散々いじめといて何か頼むのか、こいつ...  俺は布団から顔を出し聖修の方を見た。
「このことを他の人にはバラさないで欲しい。」
頼みってそんなことか。今さっきいじられなければこんなことはすんなり受け入れられた。そもそも俺は聖修以外に友達はいないし。でもいじられたんだ。条件を貰うか... 俺は息を思いっきり吸って、
「条件が欲しい」
と言った。すると聖修は「条件か... いいぞ!」と言った。何やら考えてるみたいだけど。まあ、いい。
「条件は...」
「条件はお前をハーレムにする!でいいか?」
おいおい、条件って俺が決めるもんじゃねえのか? ってかそもそも俺がハーレムになれるのか? 
「あ、それいいっちゃない?」
おいぃー!福本さん! あ、2人で納得してる。今更否定できない。
「で、いいよな!」「いいね!」
あ、負けた。
「あ、うん...」
としか答えられなかった。

俺は本当にハーレムになるのか?

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