その少女は求む~私はしたいことしかしません~
囚われの女王様
~シイナside~
「ん、ぁ?ん?」
目が覚め寝ぼけながらも何をしていたかを思考する
「お、起きたか。ではこれを食え」
「え?あ、ども」
そんなときにスープの入ったお椀を手渡され口に運ぶ
「…おいしいです」
「よかったわい、わし料理は苦手じゃからの」
見た目は貧しそうな野菜と思われるものが入った透明なスープだがスープは丁度良い塩加減で深みのある味でとてもおいしいものだった
「ありがとうございます。それで今はどういった状況なのでしょうか」
「あぁ、それはじゃな…まぁそのまま話せばおぬしは捕まっとるんじゃな」
そう寝ていたところはもちろん変わらず馬車だちゃんと布団も敷かれていて客人のような扱いだがシイナの両手両足首には枷があり枷と壁は長い鎖で繋がっている
エルミアは困った顔で話す
「すまんな、わしはなんともないと言ったんじゃがエフィルナと一人の護衛が留めるべきだと頑なに譲らんかったのでな軽い拘束をさせてもらった」
「…そうですか」
シイナは生返事をしながら(話を聞いていないわけではない)内心深く考えていた
(なんでこんなに冷静なの?今までの私ならすぐに激昂して……。そうか今までか転移する前に死んでいるのだから身体の再構成とかで変わってもおかしくない、でもなんでいまごろ?転移したときに定着させるんじゃ)
そこでハッと思いだしエルミアへ問いかける
「これから私はどうなるんですか」
「あー、そうじゃのうエフィルナらの言うことを鵜呑みにするならディルレンドの領地へ行ったあとわしらの領地へ戻りそこで今後が決まる。じゃがおぬしが何か言いたいことがあるのなら変わるじゃろう」
私は考えるエフィルナと一人の護衛の言ったことはおそらく予想できるものただそれは本当のことで弁解はないここもすぐ抜け出せるのだろうが
「なら私はそれを待ちますここで大人しくいます。安心してくださいと伝えておいてください」
「…」
エルミアは数秒悩んだあと
「そうか、分かった。では10日ほどそこで待っておれ」
そう言うと目線を合わせていたエルミアは立ち上がりお椀を回収してから扉を開け出ていった
シイナはエルミアが出ていった扉を見ながら今ごろここは別の部屋なんだなと暢気に考えていた
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