二番目(セカンド)の刹那

Lot

4月10日①《あんた呼ばれてるよ?》

「小波さーん。小波刹那さーん? いらっしゃいませんか?」


 朝からなんだ? 家の外から僕を呼んでいるようだ。


「小波ー! あんた呼ばれてるよ?」


 隣の部屋から日菜にそう言われる。この声は誰だ? 凛でも真央でもないだろうから、また初めて会う人かな。こっちに何人来てるんだか。


「小波ー! 聞いてる?」
「聞いてるよ。行ってくる」


 とりあえず何か進展はあるだろうから、会ってみるか。自室のドアを開けて外に──


「いたっ! ……あ、すみません小波さん」


 ドアを開けたら、月菜にぶつかってしまった。


「いや、こっちこそ、ごめん。大丈夫?」
「ちょっとぶつけちゃっただけなので、全然平気です。それより誰か来てるんじゃないですか?」
「あーうん。じゃあ僕は行くね」
「はい。朝ごはん作っておくので戻ってきてくださいね」
「分かった」


 月菜とちゃんと喋ったの初めてかも。

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