二番目(セカンド)の刹那

Lot

4月9日②《っていうか家から出てないし》

 今日は結局、特に目だった収穫は得られずに家に戻ってきた。何か収穫があったとすれば、周辺の地形を把握できたこと程度だ。


「小波、おかえり」
「おう」


 玄関を開けると日菜が出迎えてくれた。おかえりって、ここお前の家じゃないぞ。俺の家かと言われればそれもちょっと違うけど。


「何か分かった?」
「いや、全然。そっちは?」
「あたし達も手がかりは何も。っていうか家から出てないし」
「おい……」
「この世界の文化とかは少し分かったけどね」
「文化って?」
「元々分かってはいたけど、日本にかなり近い文化ね。日本語もあったわよ」
「なるほどな」


 日本語の存在くらいは僕も気付いていた。ただ、ここを日本とするには外国語が多いような気はする。英語以外は見ても何だか分からないけど。


「夕飯、できてるから。早く来なさい」
「そうか。ありがとな」


 食事を作ってくれるのは単純に助かる。真央と凛もちゃんと何か食ってるだろうか。


「いただきます」

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