二番目(セカンド)の刹那
4月8日①《アタシに会えて嬉しくない?》
「あれ、真央じゃん。真央もこの世界に来てたんだ」
「……莉奈ちゃん?」
情報収集をしようと思い私が家を出ると、そこに元の世界での同級生、月島莉奈がいた。莉奈は学校の全員と仲が良いような人で、私もその例外じゃない。つまり、そこそこ仲が良い。高校も大学も同じというのもあって関わりは大きい方だろう。
「よかった。この世界に来た人が5人いるはずなのにアタシ以外に1人も見つからなくて困ってたんだよ」
「え、えぇ」
だがおかしい。この世界に来るのは合計で5人のはず。前回もそうだったし、何より今回の夢の中でそう言われた。なら……
「どうかした?アタシに会えて嬉しくない?」
「そうじゃなくて……異世界から来た人は昨日、既に5人集まったのよ」
「……え、どういうこと?」
「私とあなたの他に4人。既にいるの。つまり私から見るとあなたは6人目。だからおかしいと思って」
「あー、なるほどね。アタシが1人も見つけてないのに4人も見つけるなんてやるじゃん」
「そうじゃなくて……」
「分かってるよ。偽者がいるんでしょ?」
「偽者?」
「うーん、立ち話も疲れるから家、入っていい?」
「そうね。とりあえず入って」
莉奈を自宅の、昨日5人で自己紹介をした場所に案内した。
「どうぞ、座って」
「どーも」
前回は詩乃と一緒だったけど、今回は私の知り合いがこの世界に1人も来ていなそうだったので心配だったが莉奈がいると少し心強い。
「ええと、まずこの世界について説明するわね」
「あ、それはしないでいいよ。もうだいたい分かってるから。それより、早速で悪いけど、昨日の時点で4人の中に怪しい奴とかいなかった?」
「え? 特に気にはならなかったけど」
「ふーん……今日、この後に予定ないんだったら他の4人の事、教えてくれない?」
「そうね。いいわよ。4人とも今日の夕方にここに来るはずだから、あなたはその時に軽く自己紹介してもらっていい?」
「おっけー。了解したよ」
昨日の自己紹介の内容はメモしてある。それを元に莉奈に4人の事を教えた。
「ふーん。あんまり細かい事はまだ聞いてないのね。それで、偽物って要するに、元々この世界にいた人でしょ? ってことは互いに認知してる私達は間違いなく偽者じゃないわけだ。それで、今いるのが6人ってことは双子の子は偽者とは考えにくいかな。と、なると凛か刹那が怪しいと思うんだけど、どう?」
「そうね……」
莉奈。いつも学校では何か話していてうるさいような印象だけど、頭の回転は早いのね。私、異世界に来るのが2回目なのに、しっかりしなくちゃ。詩乃みたいに、私が皆のリーダーにならないと。詩乃、私ちゃんとできるかな?
「真央~?」
詩乃、前回は彼女のおかげで元の世界に戻ることができた。でも今回は、いや……3回目や4回目があったとしても、たぶん詩乃は異世界に行くことはない。だから私が、詩乃の代わりに……。
「ねぇ真央!聞いてる~?」
「え、は、はい。ごめんちょっとボーッとしてたわ」
「大丈夫?」
「大丈夫よ。別に問題ないわ」
うん。大丈夫。しっかりしないと。
「真央、お腹空かない?」
「私はさっき自分で作って食べたわ」
「アタシにも何か作ってよ」
適当に歩き回るよりは、大きな情報は既に手に入れただろう。これから外に出て歩くよりも莉奈にご飯を作りながら莉奈と話していた方が有意義そうね。
「分かったわ。そこで待ってて」
「……莉奈ちゃん?」
情報収集をしようと思い私が家を出ると、そこに元の世界での同級生、月島莉奈がいた。莉奈は学校の全員と仲が良いような人で、私もその例外じゃない。つまり、そこそこ仲が良い。高校も大学も同じというのもあって関わりは大きい方だろう。
「よかった。この世界に来た人が5人いるはずなのにアタシ以外に1人も見つからなくて困ってたんだよ」
「え、えぇ」
だがおかしい。この世界に来るのは合計で5人のはず。前回もそうだったし、何より今回の夢の中でそう言われた。なら……
「どうかした?アタシに会えて嬉しくない?」
「そうじゃなくて……異世界から来た人は昨日、既に5人集まったのよ」
「……え、どういうこと?」
「私とあなたの他に4人。既にいるの。つまり私から見るとあなたは6人目。だからおかしいと思って」
「あー、なるほどね。アタシが1人も見つけてないのに4人も見つけるなんてやるじゃん」
「そうじゃなくて……」
「分かってるよ。偽者がいるんでしょ?」
「偽者?」
「うーん、立ち話も疲れるから家、入っていい?」
「そうね。とりあえず入って」
莉奈を自宅の、昨日5人で自己紹介をした場所に案内した。
「どうぞ、座って」
「どーも」
前回は詩乃と一緒だったけど、今回は私の知り合いがこの世界に1人も来ていなそうだったので心配だったが莉奈がいると少し心強い。
「ええと、まずこの世界について説明するわね」
「あ、それはしないでいいよ。もうだいたい分かってるから。それより、早速で悪いけど、昨日の時点で4人の中に怪しい奴とかいなかった?」
「え? 特に気にはならなかったけど」
「ふーん……今日、この後に予定ないんだったら他の4人の事、教えてくれない?」
「そうね。いいわよ。4人とも今日の夕方にここに来るはずだから、あなたはその時に軽く自己紹介してもらっていい?」
「おっけー。了解したよ」
昨日の自己紹介の内容はメモしてある。それを元に莉奈に4人の事を教えた。
「ふーん。あんまり細かい事はまだ聞いてないのね。それで、偽物って要するに、元々この世界にいた人でしょ? ってことは互いに認知してる私達は間違いなく偽者じゃないわけだ。それで、今いるのが6人ってことは双子の子は偽者とは考えにくいかな。と、なると凛か刹那が怪しいと思うんだけど、どう?」
「そうね……」
莉奈。いつも学校では何か話していてうるさいような印象だけど、頭の回転は早いのね。私、異世界に来るのが2回目なのに、しっかりしなくちゃ。詩乃みたいに、私が皆のリーダーにならないと。詩乃、私ちゃんとできるかな?
「真央~?」
詩乃、前回は彼女のおかげで元の世界に戻ることができた。でも今回は、いや……3回目や4回目があったとしても、たぶん詩乃は異世界に行くことはない。だから私が、詩乃の代わりに……。
「ねぇ真央!聞いてる~?」
「え、は、はい。ごめんちょっとボーッとしてたわ」
「大丈夫?」
「大丈夫よ。別に問題ないわ」
うん。大丈夫。しっかりしないと。
「真央、お腹空かない?」
「私はさっき自分で作って食べたわ」
「アタシにも何か作ってよ」
適当に歩き回るよりは、大きな情報は既に手に入れただろう。これから外に出て歩くよりも莉奈にご飯を作りながら莉奈と話していた方が有意義そうね。
「分かったわ。そこで待ってて」
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