二番目(セカンド)の刹那
4月6日④《にゃーにゃー》
凛に真央の事を軽く話し、森の中から来た道を辿って戻る。
「ええと……」
「ん?」
「あの、名前聞いてなかったので」
「ああ、僕の名前か。刹那だよ。小波刹那。」
「刹那さんですか。それで刹那さん、この後何するか決まってますか?」
「決まってないよ」
「じゃあ、私に着いてきてください!」
「いいけど、どこに行くんだ?」
「テキトーです!」
どこに向かっているのか、どこにも向かっていないのか、とりあえず凛に着いて行く形で歩いていく。僕の家から真央と会った辺りを過ぎた、住宅街の辺りを散歩中だ。
「ちょっとあそこ見てください」
「そこって?猫?」
「じゃなくて、そこの家の窓の……え? 猫!? どこ!」
凛が目を輝かせてキョロキョロしながら、猫の居場所を聞いてくる。
「そこだけど」
前の家の縁側の下にいる猫を指差す。影でよく見えないけど黒猫っぽい。
「おお……黒猫可愛いですね~。にゃーにゃー」
凛は猫に近寄り、しゃがみこんで覗き込んでいる。何やってるんだか。で、凛はさっきこの家の窓の中を覗けって行ったのか? 他人の家を覗いてはいけない気もするが……まぁちょっとだけならいいか。
うーん。どこを見て欲しかったんだ? 凛……は、まだ猫と遊んでるし。何を見てほしいのか分からずに、ちょっとのつもりが、かなり覗き込んでしまった。
「凛、どこ見ろって?」
「にゃ?」
黒猫を抱き抱えて凛は不思議そうにしている。よく野良猫の警戒を解いて抱き抱えられ……じゃなくて……。
「だから、この家の中を見ろってさっき行っただろ? どこを見て欲しかったのかと」
「そこのカレンダーですよ」
今度は抱き抱えていた黒猫を自分の頭の上に乗せてそう言った。よく懐いてるな。そいつ。
で、カレンダーって別に特に変な所はないよな? この家の人はその日が過ぎたらカレンダーに✕を付けているみたいで、今日が2018年4月6日……あ、なるほど。
「元の世界とまったく同じ?」
「そういうことです」
「それじゃあここって異世界じゃないのか?」
「わたしは知りませんよ~」
「そりゃそうだよな。とりあえず、またどっか行くか」
「そうですね。この猫、連れて行っていいですか?」
「いいけど」
その後も凛(と猫)に着いて行きながら住宅街をぐるぐる周った。
どっちから来たか分からなくなってきた。
「ええと……」
「ん?」
「あの、名前聞いてなかったので」
「ああ、僕の名前か。刹那だよ。小波刹那。」
「刹那さんですか。それで刹那さん、この後何するか決まってますか?」
「決まってないよ」
「じゃあ、私に着いてきてください!」
「いいけど、どこに行くんだ?」
「テキトーです!」
どこに向かっているのか、どこにも向かっていないのか、とりあえず凛に着いて行く形で歩いていく。僕の家から真央と会った辺りを過ぎた、住宅街の辺りを散歩中だ。
「ちょっとあそこ見てください」
「そこって?猫?」
「じゃなくて、そこの家の窓の……え? 猫!? どこ!」
凛が目を輝かせてキョロキョロしながら、猫の居場所を聞いてくる。
「そこだけど」
前の家の縁側の下にいる猫を指差す。影でよく見えないけど黒猫っぽい。
「おお……黒猫可愛いですね~。にゃーにゃー」
凛は猫に近寄り、しゃがみこんで覗き込んでいる。何やってるんだか。で、凛はさっきこの家の窓の中を覗けって行ったのか? 他人の家を覗いてはいけない気もするが……まぁちょっとだけならいいか。
うーん。どこを見て欲しかったんだ? 凛……は、まだ猫と遊んでるし。何を見てほしいのか分からずに、ちょっとのつもりが、かなり覗き込んでしまった。
「凛、どこ見ろって?」
「にゃ?」
黒猫を抱き抱えて凛は不思議そうにしている。よく野良猫の警戒を解いて抱き抱えられ……じゃなくて……。
「だから、この家の中を見ろってさっき行っただろ? どこを見て欲しかったのかと」
「そこのカレンダーですよ」
今度は抱き抱えていた黒猫を自分の頭の上に乗せてそう言った。よく懐いてるな。そいつ。
で、カレンダーって別に特に変な所はないよな? この家の人はその日が過ぎたらカレンダーに✕を付けているみたいで、今日が2018年4月6日……あ、なるほど。
「元の世界とまったく同じ?」
「そういうことです」
「それじゃあここって異世界じゃないのか?」
「わたしは知りませんよ~」
「そりゃそうだよな。とりあえず、またどっか行くか」
「そうですね。この猫、連れて行っていいですか?」
「いいけど」
その後も凛(と猫)に着いて行きながら住宅街をぐるぐる周った。
どっちから来たか分からなくなってきた。
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