100回目の勇者人生〜俺の頭の中ではこんなにも《ゆるい転生物語》が繰り広げられている。
41話 目標達成! 最終回
幸運な事に死なずに済んだらしい、あんなにも素晴らしい光景を見せて戴いた代償が、あれっぽっちの爆発で済んだのだと思うと心が躍るように嬉しかった。日頃の行いが良いおかげだ。
チャレンジ最終日が終わりを迎えたが結局、記録更新は出来なかった。(ちなみに2番目は、お嬢ちゃんの10連鎖。最下位は村長の2連鎖だ)
小屋に入り今後について話合う。
「さて! 皆に話がある」
そう言って俺はアイテムの一覧を呼び出す。
――――――――――
所持金 958821G
アイテム 薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草
――――――――――
「ああ、ついつい薬草類に目が行きがちだけど(ありがとうドーグさん)所持金の方を見てね。かなりの額が溜まりましたー! いぇーい!」
「「「おおー!」」」
俺はいつになく真剣な表情で、
「これだけあればお店は建てられるよね?」
「えっ!?」
俺はお嬢ちゃんの反応を見ずに、今度は少年に語りかける。
「少年もステータス見てみな? ずいぶん成長してるから。もう、そこらへんの戦士じゃ手が届かないくらいの実力を持ってる」
「うん……」
「村長! 婆さんの仇はもういいんじゃない? そろそろ村に帰ってゆっくり暮らしたらどうだい? 皆も待ってるよ」
「勇者殿……」
「ねっ? 今回、変な縁で集まったこのパーティーだけど当初の目的である各個人のやりたい事、欲しい物は手に入ったんだ。もう十分だろう?」
「「「…………」」」
皆が沈黙する中、俺は切り出す。
「今回の旅は、もう。――――終わりにしよう」
「終わりって……でも、だってまだ!」
「まだ?」
「…………」
そう、無いのだ。これ以上、このパーティーで旅を続ける理由が。皆が欲しい物は手に入れた、応援出来た。あとは魔王を倒すだけ……だがそれは、あくまで俺の目的だ。皆は関係無い。
「明日の朝ここを出て、皆を順番に送り届けるよ。じゃあ、最後の作戦会議終わり! おやすみ」
俺は横になって目を閉じた。全然眠れなかったけど、絶対に目を開けなかった。その夜俺は夢を見た、どこまでも広がる大きな草原に一人で立って辺りを見渡していた。誰もいない、何もない。ただただ、広い草原が広がっていて、叫んでも誰も返事なんかしてくれなくて、次第に心細くなって、寒くなって、その場にしゃがみ込んで、悲しくなった。頬に涙が伝い、やがて俺は広い草原の中に飲まれた。
――――翌朝。
朝日がまぶたの裏を赤く染める頃になってようやく目を開けると皆、昨日のままだった。同じ位置に、同じ姿勢で座っていた。
「おはよう皆」
「「「…………」」」
返事がない。どうしたのだろうか? そうしていると村長が、
「ワシ達にとって勇者殿とは何なのじゃろう?」
「俺? 夢を手助けする勇者……とか?」
少なくとも俺はそう思っていた。今までと違う勇者人生にしようと、経験を活かして皆の手助けをしようと。
「そうか……残念じゃ」
「なに? どういう事?」
「ワシ等、昨日話したんじゃ」
「兄貴に出会って、育てて貰って、ここまできて、目的も叶った。こんなにも強くなった」
「開店の資金援助をして頂いて、目標も達成出来ました。まさに夢を叶えてくれる夢のような勇者様です。でも――――」
「夢のような勇者である前に一人の大切な――――仲間じゃと。ワシ等はそう思った、いや気付いたのかのう?」
「一人の大切な仲間……」
「うんっ! 兄貴で、夢の勇者で、仲間だよ」
「ええ。勇者様は紛れもない私達の仲間です」
「ホッホッホッ! 今更、仲間じゃと認識するのも変な話じゃがのう」
「だから、後は兄貴の目的達成だけだよ? それに僕もまだ強くなりたいし、兄貴よりもずっとずっと」
「そうね。開店にお金全部使っちゃって無一文になったからって、お店に来てくれないんじゃ意味ないですし。その為にももう少し、貯金増やしといた方がいいんじゃないですか?」
「…………」
そんな風に思ってくれていたのか。なのに俺は……。
とんだ野暮勇者だな。
なら……。
「少年! 今日から死ぬほど鍛えてやるから覚悟しろ!」
「うんっ! わかった!」
「お嬢ちゃん! 店で一番高い酒キープ入れるわ! 名前は……『勇者御一行様』って書いといて!」
「ーーーーはい。ありがとうございます」
「村長! そういえば『魔王を倒さんと仇を討ったとは言えんじゃろう?』とか言ってたな! 魔王見てビビるなよ!」
「おおっ! ホッホッホッ! 懐かしいのう」
「皆! 本当にありがとう。今度は俺の目的達成に協力してくれ!」
「「「もちろんっ!」」」
「いくぞっ! 魔王の城へ」
俺達は清々しいほどに晴れ渡った空を見上げながら、気持ちを一新し、ついに魔王討伐へと歩き出した。
チャレンジ最終日が終わりを迎えたが結局、記録更新は出来なかった。(ちなみに2番目は、お嬢ちゃんの10連鎖。最下位は村長の2連鎖だ)
小屋に入り今後について話合う。
「さて! 皆に話がある」
そう言って俺はアイテムの一覧を呼び出す。
――――――――――
所持金 958821G
アイテム 薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、薬草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草、毒消し草
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「ああ、ついつい薬草類に目が行きがちだけど(ありがとうドーグさん)所持金の方を見てね。かなりの額が溜まりましたー! いぇーい!」
「「「おおー!」」」
俺はいつになく真剣な表情で、
「これだけあればお店は建てられるよね?」
「えっ!?」
俺はお嬢ちゃんの反応を見ずに、今度は少年に語りかける。
「少年もステータス見てみな? ずいぶん成長してるから。もう、そこらへんの戦士じゃ手が届かないくらいの実力を持ってる」
「うん……」
「村長! 婆さんの仇はもういいんじゃない? そろそろ村に帰ってゆっくり暮らしたらどうだい? 皆も待ってるよ」
「勇者殿……」
「ねっ? 今回、変な縁で集まったこのパーティーだけど当初の目的である各個人のやりたい事、欲しい物は手に入ったんだ。もう十分だろう?」
「「「…………」」」
皆が沈黙する中、俺は切り出す。
「今回の旅は、もう。――――終わりにしよう」
「終わりって……でも、だってまだ!」
「まだ?」
「…………」
そう、無いのだ。これ以上、このパーティーで旅を続ける理由が。皆が欲しい物は手に入れた、応援出来た。あとは魔王を倒すだけ……だがそれは、あくまで俺の目的だ。皆は関係無い。
「明日の朝ここを出て、皆を順番に送り届けるよ。じゃあ、最後の作戦会議終わり! おやすみ」
俺は横になって目を閉じた。全然眠れなかったけど、絶対に目を開けなかった。その夜俺は夢を見た、どこまでも広がる大きな草原に一人で立って辺りを見渡していた。誰もいない、何もない。ただただ、広い草原が広がっていて、叫んでも誰も返事なんかしてくれなくて、次第に心細くなって、寒くなって、その場にしゃがみ込んで、悲しくなった。頬に涙が伝い、やがて俺は広い草原の中に飲まれた。
――――翌朝。
朝日がまぶたの裏を赤く染める頃になってようやく目を開けると皆、昨日のままだった。同じ位置に、同じ姿勢で座っていた。
「おはよう皆」
「「「…………」」」
返事がない。どうしたのだろうか? そうしていると村長が、
「ワシ達にとって勇者殿とは何なのじゃろう?」
「俺? 夢を手助けする勇者……とか?」
少なくとも俺はそう思っていた。今までと違う勇者人生にしようと、経験を活かして皆の手助けをしようと。
「そうか……残念じゃ」
「なに? どういう事?」
「ワシ等、昨日話したんじゃ」
「兄貴に出会って、育てて貰って、ここまできて、目的も叶った。こんなにも強くなった」
「開店の資金援助をして頂いて、目標も達成出来ました。まさに夢を叶えてくれる夢のような勇者様です。でも――――」
「夢のような勇者である前に一人の大切な――――仲間じゃと。ワシ等はそう思った、いや気付いたのかのう?」
「一人の大切な仲間……」
「うんっ! 兄貴で、夢の勇者で、仲間だよ」
「ええ。勇者様は紛れもない私達の仲間です」
「ホッホッホッ! 今更、仲間じゃと認識するのも変な話じゃがのう」
「だから、後は兄貴の目的達成だけだよ? それに僕もまだ強くなりたいし、兄貴よりもずっとずっと」
「そうね。開店にお金全部使っちゃって無一文になったからって、お店に来てくれないんじゃ意味ないですし。その為にももう少し、貯金増やしといた方がいいんじゃないですか?」
「…………」
そんな風に思ってくれていたのか。なのに俺は……。
とんだ野暮勇者だな。
なら……。
「少年! 今日から死ぬほど鍛えてやるから覚悟しろ!」
「うんっ! わかった!」
「お嬢ちゃん! 店で一番高い酒キープ入れるわ! 名前は……『勇者御一行様』って書いといて!」
「ーーーーはい。ありがとうございます」
「村長! そういえば『魔王を倒さんと仇を討ったとは言えんじゃろう?』とか言ってたな! 魔王見てビビるなよ!」
「おおっ! ホッホッホッ! 懐かしいのう」
「皆! 本当にありがとう。今度は俺の目的達成に協力してくれ!」
「「「もちろんっ!」」」
「いくぞっ! 魔王の城へ」
俺達は清々しいほどに晴れ渡った空を見上げながら、気持ちを一新し、ついに魔王討伐へと歩き出した。
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