青い果実 -Unripe fruit-

*おれんぢ*

-すもも-

あーあーあー。もー!
今頃佑衣と佑翔はいちゃいちゃらぶらぶのリア充してるんだろーなぁ。
ムカつくなぁ。
あの2人に置いていかれた後、芳乃の恋バナに付き合わされて(一方的)…
只今夜道を絶賛独り歩き中であーる!
まーぁ芳乃の話の長いこと長いこと…
もう、一気に歳をとりました…
あの子の好きな人…瀧人たきとく愛が溢れ出て…最早引きます。
あたしが瀧人くんのこと好きになりそうなレベルだったわ…
くっそ、逃げた2人…絶対に許さねぇ…
どうせ今頃2人でのほほんと居眠りでもしてるんでしょうよ…
「リア充なんか爆発しろおおお!」
いや、百歩譲って全国各地のリア充さん達は良いとして、あの2人…佑衣と佑翔だけは許せんっ!

なぁーんて1人で考えながらのろのろと歩いていると、カバンの中でスマホが鳴った。
いつものあたしなら、スルーして通知の存在なんて忘れていただろう。

芳乃の相手で疲れてたからだろうか?
夜空の綺麗な満月の不思議に輝く光のせいだろうか?
なんだかロマンチックに言ってみたが、実際の所はただあたしがアホだっただけなんだと思う。
つまるところ、その時あたしがきちんと確認していたら…
いや、もっと前に断ち切っていたら。
もっと芳乃の話を振り切って早く家に帰りついていたら。
そうすれば何かが変わったのでは…
もっと良い結末に辿り着けたのではないかと。
自分のいい加減さに今更ながら呆れてしまう。
それでも、今更何を言おうと後の祭りだ。過去は変わらない。まぁ、何が言いたいのかと言うと、これから先起こること。起こってしまう事。その全ての事の発端は、あいつ、。
いや、全部あたしのせいだ。ということ。
1つの選択を間違えたら、あとはもう芋づる式で…全て崩れる。壊れる。
その時起こった事は、本当に、たわいもない事だった。とても些細なことだった。
ただ、今は.・・男友達…の、好きな人を知ってしまった。
ただそれだけだったのに…。

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