外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜

血迷ったトモ

第103話 鏖殺(2)

「さて、2人が見るのは確定として、ルドガーさんはどうしますか?見た場合、墓まで持って行って貰う事を、強く願いますが。」

 聡は笑顔を浮かべながら聞く。

「いや、俺は遠慮しておこう。これ以上の気苦労は、背負い込みたく無いからな。少し席を外そう。」

「分かりました。お願いします。」

 聡の笑顔に、底知れぬ恐怖でも感じたのか、冷や汗をかきながら、ルドガーは席を立って、部屋の外に出て行く。

「…えっと、本当に宜しいのですか?サトシ様は見せたくないと思っているようですが。」

「そ、そうよサトシ。別に私たちは、サトシの嫌がる事をしたい訳じゃないのよ。」

 2人としては、単純に聡に危ない真似をして欲しく無いだけで、ステータスを見せる事を強制したい訳では無い。

「まぁ出来れば内緒にしたいってだけだし、別にそこまで気にする事は無いよ。【ステータスオープン、共有ジョイント、フラウ、エーリカ】…これで、どうかな?」





名前:サトシ・アライ
性別:男
年齢:321(肉体年齢は21歳で固定)
種族:亜神
Lv:1491
HP:-
MP:∞
STR:3129000(+32900)
VIT:1043000(+32900)
AGI:596000(+32900)
INT:4917000(+329000)
MND:298000(+32900)
LUK:19072000(+32900)
スキル:算術 Lv:4、礼節 Lv:8、
不老不死 Lv:-、気配察知 Lv:6、
気配遮断 Lv:6、魔力感知 Lv:8、
魔力遮断 Lv:2、武術 Lv:9、
魔法創造 Lv:-、
称号:元異世界人、不死者、魔王殺し、
奇跡の体現者、達人、魔導王、賢者、
不屈の精神、億万長者、限界突破者、
亜神、ヘタレ



「【ヘタレ】ってなんだよ!?やっぱりこのシステム嫌いだ!」

 珍しく素の聡のツッコミが入る。毎度の事ながら、酷い称号やらコメントを残していくステータスシステムに、もう逆に楽しみになってきてしまう。

「「…。」」

 一方で、こんなとんでもステータスを見せられているエーリカとフラウは、目を大きく見開いたまま、動きを止めてしまっている。

-つーか、この+ってなんだ?…ふむ。【亜神】の効果か。俺に強い感情を抱いた人数×100の割合で、ステータスに加算されるのか。-

 ただでさえ頭のおかしいステータスなのに、常人の数倍のボーナスが簡単に加算されるのだから、いよいよ人間を辞めている。
 というか、ついに種族にハッキリと、【亜神】と表記されてしまっている。

「2人とも?そろそろ俺の化け物具合が理解出来たかな?」

 見たまま固まってる2人に、驚かさないように声をかける聡。

「…えっとサトシ様は、神様なのですか?」

「サトシが神様…。」

「…まぁ、成り立ての新人、いや新か?だから、様なんて付ける必要は無いけどね。あ、フラウは元から様付けか。はははは。」

 聡はおちゃらけて笑いながら言う。…ドン引きされてるのか、恐怖されてるのかは分からないが、なるべく軽い口調で場の空気を軽くしたいのだ。

「…い、いや!そこまで軽く言う…仰られる事では無いと思うのですが!?」

「そ、そうよサトシ!…様?」

 とんでもなく軽く言ってのける聡に、2人は可哀想なくらいあたふたし始める。
 そんな2人を見て、一瞬『可愛いなぁ』とか思ってしまい、自身の奥底に眠らせている、とある感情・・・・・が動きそうになるが、これ以上は可哀想なので、頑張って蓋をする。

「だ〜か〜ら〜、エーリカ。様付けは要らないってば、フラウも今まで通りに接してくれないなんて、悲しいなぁ。それとも、俺が『不敬だ!』とか何とか言って、怒り出すとでも思われてるのかな?」

「あ、ご、ごめんなさい。そういうつもりじゃないの!」

「す、すみません。驚き過ぎて、頭が混乱してしまいました。」

 軽く恨みがましい視線を2人にやりながら、少しいじけた感じを醸し出しながら言うと、彼女たちは慌てて口調を普段通りに戻してくれる。

「…まあ当然の反応だから、気にしてないけどね。で、俺が大丈夫って事は、理解出来た?俺はこの【不老不死】っていうやつの効果で、全身をふっ飛ばされようが、バラバラに解体されようが、何されても死ねないんだよ。」

「うん。色々と聞きたい事はあるけど、サトシが凄い事は理解出来たわ。」

「はい。サトシ様は凄い人間?なんですよね?」

「そこでクエスチョンマークを付けられると、心にグッと来るから止めてくれぇ…!」

 2人からは引かれる事も、恐怖される事も無かったので、聡は安心して巫山戯られる。

「さて、じゃあルドガーさんを呼ぶか。」

 話も落ち着いたので、聡はルドガーを呼びに席を立つのだった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品