世界にたった一人だけの職業

Mei

神の加護。そして、最終決戦へー。

「"炎透眼"って何ですか?」
「それは妾が説明するよりステータスの説明を見た方が早いじゃろ」
 俺はそう言われてステータスを確認する。
 柏沢 蓮斗Lv16 職業:生成魔術師
 生命力     46700
 魔力      47600
 魔法展開速度  48500
 魔法耐性    50080
 想像力     50080
 スピード    45600   
 攻撃力     48000
 防御力     46200

 スキル
魔法生成(+魔法式省略)(+威力維持)、無詠唱、全属性耐性(+反射)、気配遮断(+隠密)、気配察知、状態異常耐性、変幻自在(+能力値底上げ1.2倍)、身体強化、炎透眼

炎透眼…… 対象を視認するとその対象を焼き尽くすスキル。見えない対象でも見通すことが可能になる。効果時間は三秒。五秒のクールダウンを必要とする。

 ふむふむ……。こんな感じか。何か"変幻自在"が派生してる。能力値底上げ1.2倍……?"変幻自在"の短所を補った見事な能力だが……。こんなに都合よく手に入るものなのだろうか……?まあ、色々と考えていても仕方がない。秀治や川崎を助けるためにも一刻も早くあの化け物のいるところに行かなければならない。
「後、汝の能力やレベル、いくつかのスキルに妾の"神の加護"をかけておいたのじゃ。存分に活用してほしい」
 ああ。そういうことか……。だから俺のスキル"変幻自在"が派生していたり、妙にレベルが上がっていたりしたのか。今まで疑問だったが、これで合点がいった。……とそんなこと考えてる場合じゃなかった!! 早く戻らないと!!
「あのー……。炎の女神さん? 元の場所に戻りたいのですが……。どうすればいいのですか?」
 俺はなるべく落ち着いた口調で元の場所に戻る為の方法をウェスタに聞く。
「妾の手に触れてくれ」
ウェスタにそう言われ、ウェスタの差し出した右の手のひらに自分の右の手のひらを重ねる。
「汝の健闘を祈る」
そう言うとウェスタは頬に軽くキスをしてきた。
「はひゃ!?」
 俺は突然のことに驚き変な声をあげてしまった。ウェスタは頬を朱に染め、恥ずかしそうに俯いていた。
 そうこうしているうちに俺の身体がだんだん薄くなり光の粒子となって消えていく。
「あ、あとこれう、受け取ってほしいのじゃ」
 しどろもどろになりながらもウェスタは小さい赤い魔石を渡してくる。紐がついているのでおそらく首にかけるものだろう。俺はそれを受けとる。
「これは?」
「そ、それはいつでも妾と会話できるようになる"念話石"じゃ。その念話石は妾としか会話できないぞ。因みに妾を呼ぶことも可能じゃ。ひ、必要な時には頼ってほしい」
「? ありがとう。炎の女神さん」
「ウェスタ」
「?」
「妾のことはウェスタと呼んでほしいのじゃ。後、敬語も不要じゃ」
「……わかった。ありがとうウェスタ」
 俺がそう言うと嬉しそうに微笑むウェスタ。それと同時に俺の身体も全て光の粒子となり消えていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 「これで国王陛下の邪魔をする者はいなくなった……。これで国王陛下の望みも叶う」
 レミリーは哄笑する。偽装魔法を見破られた時は本当に焦ったが、邪魔者を排除できて何よりだ。この結果の意味するところは大きい。これで気兼ねなく、国王陛下の目的とする世界を支配するための計画を進行できる。
 レミリーが再び浮遊する巨大なラーニャ石に偽装魔法をかけようとしたその時ー。
「おい、まだ終わってないぞ」
 レミリーが振り返るとそこには無傷の蓮斗が立っていた。
「な……!? あの傷がすぐに癒える訳がない……! ……ちっ……。今度こそ立てないようにしてやる。……我に知能を。我に力を。我が身に宿りたりし古代の力よ。虚勢を薙ぎ払い畏怖を与えよ。他の者の追随を許さず拒み立ちはだかりて、力を持って敵を滅せよ……。"アドベント(降臨)"」
 レミリーが詠唱すると先程までとは比べ物にならないほどの威圧感と魔力を感じた。やがて、巨大な紫色の魔法陣が出現し、そこから大きな怪物が現れる。
 頭が三つあり、胴体が馬のようになっていて、二本の手には日本で言う銃みたいな物が握られている。背中には翼が生えている。何かケルベロスに似ているが、ケルベロスは銃なんか持ってないし、頭なんて三つもない。一つだ。
 そんな姿をした怪物が段々とレミリーと合体していく。背中から翼が生え、両手に銃みたいなものが出現し、眼の色が緑色に変わった。レミリーの身体中からものすごいオーラを感じる。常人ではまず相手にもならないだろう。これはこちらも最初から全力で行かなければ勝ち目はない。
「"身体強化"、"変幻自在"同時発動」
 "身体強化"によって飛躍的に能力が向上し、さらに"変幻自在"によってそれを強化した。
「くそ王女……。お前はこの俺が絶対に倒す」
 俺は言葉を吐き捨てながら悠然と戦闘の構えをとった。



     
 

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