魔王に成り上がったスライム~子育てしながら気ままに異世界を旅する~
魔王、子育て始めました ー1
「お前は、どこからきた? 何者だ? 両親はどうしたんだ?」
俺は子供に聞く態度としては相応しくない言い方で小さい女の子に尋ねる。
「………………」
しかし、その女の子は何も答えない。
「……名前は?」
俺は再度女の子に問う。すると、
「……わからないの。何もわからないの……」
小さい女の子はそう言いながら涙を溢していた。今までずっと一人だったからだろうか。
俺は何も言わず不器用ながらその子を抱き締める。すると、女の子は更に泣き出した。今までたまっていたものをぶちまけるかのように。
暫くすると、その女の子は泣き疲れたようでぐっすりと寝てしまった。
(……この子をどうするか……。何処かに預けるわけにもいかないな……。人間はどうも信用出来んしな……。ここは俺がとりあえず預かるしかないか……)
よし。そうと決まれば、北西へ急ごう。そこに取り敢えず一回拠点を造らねば。流石にこんな小さい子を抱えていてはとてもじゃないが野営は危険だ。
俺は、"ローデイル"を使い、小さい女の子を背負って北西方向へと急いだ。これは極力魔法を使わずになんて言ってられないかもしれないな。これからはこの子のためにも魔法は積極的に使っていくとしよう。
暫く走り続けると、急に視界が開けてくる。木々だらけだった場所から木々も何も無いところに出た。
(この広さなら、拠点を作れるな! よし、チャッチャと造るか)
俺はポーチから採集した木々を取り出す。
「"組成"」
俺は、魔法を駆使して一瞬で拠点を造り上げていく。それは、一般に見られる一階建ての木造建築で屋根がついており、比較的通気性の良い建物だった。
「"硬化"」
この魔法は素材の強度を上げたりすることができる。ニールはこれを使って木造の建物の強度を上げたのだ。
ニールは他にも考えられる危険性に対してそれを最大限防ぐために、他の魔法もかけておく。
「"耐熱強化"、耐水強化、耐氷強化」
よし。これだけかけて置けば問題ない。後は……。この子を家に入れてベッドでも作って寝かせるか。あ! あともう一個追加で魔法をかけて置かなければ。
「"結界"」
はー、危ない危ない。魔物とか不審者の侵入を許してしまうとこだった。取り敢えず一旦家に上がるか。
俺はそう思い、自分の造った拠点へと足を踏み入れる。中へ入ると大きなスペースがあり、何も設置されていない状態だった。
「そう言えば、中も設備設置しなきゃだったな……。取り敢えず木材は余ってるから……。うん、これだけあればなんとかなるな」
ニールはポーチから残りの木材を取り出しながら頷く。
「"材質変換"」
この魔法により木材が軽くて丈夫な素材、"ターデント"になった。この素材は様々な使い道がある。家具の素材に利用するのもその一つだ。俺はそれを使い、キッチン、トイレ、風呂、テーブル、椅子を"組成"を駆使してそれぞれ設置する。ちゃんとトイレは個室にしたし、風呂もちゃんと見えないようにしたからこれで大丈夫だろう。後はベッドだな。これは違う材質にしたい。
「"材質変換"」
材質を"ターデント"から弾力性もあって、快適に眠ることができる素材の"レビア"に変換する。
「"組成"」
俺はまた"#組成__コンポジション__#"を使い、ベッドを作る。これも一瞬で出来上がり、自分の手で感触を確かめ、我ながら良い出来だ、等と呟く。さあ、ベッドも出来たことだしこの子を寝かせるとしよう。
ニールは背中に背負っていた小さい女の子を静かに下ろし、ベッドの上に寝かせる。
(この子が起きてきたら何か食わせるか……。あ、この子の名前どうしよう……。多分覚えてないだろうし……。まあ、ここは俺がつけるしかないか)
ニールは小さい女の子の名前を考える。うーん……。青く透き通るような瞳に、薄水色の髪の毛……。そうだ! レヴィアと名付けよう! うんうん、我ながらセンスの良い名前のだな。惚れ惚れするな。
こうして小さい女の子もといレヴィアと、ニールの生活が幕を開けたのだった。
俺は子供に聞く態度としては相応しくない言い方で小さい女の子に尋ねる。
「………………」
しかし、その女の子は何も答えない。
「……名前は?」
俺は再度女の子に問う。すると、
「……わからないの。何もわからないの……」
小さい女の子はそう言いながら涙を溢していた。今までずっと一人だったからだろうか。
俺は何も言わず不器用ながらその子を抱き締める。すると、女の子は更に泣き出した。今までたまっていたものをぶちまけるかのように。
暫くすると、その女の子は泣き疲れたようでぐっすりと寝てしまった。
(……この子をどうするか……。何処かに預けるわけにもいかないな……。人間はどうも信用出来んしな……。ここは俺がとりあえず預かるしかないか……)
よし。そうと決まれば、北西へ急ごう。そこに取り敢えず一回拠点を造らねば。流石にこんな小さい子を抱えていてはとてもじゃないが野営は危険だ。
俺は、"ローデイル"を使い、小さい女の子を背負って北西方向へと急いだ。これは極力魔法を使わずになんて言ってられないかもしれないな。これからはこの子のためにも魔法は積極的に使っていくとしよう。
暫く走り続けると、急に視界が開けてくる。木々だらけだった場所から木々も何も無いところに出た。
(この広さなら、拠点を作れるな! よし、チャッチャと造るか)
俺はポーチから採集した木々を取り出す。
「"組成"」
俺は、魔法を駆使して一瞬で拠点を造り上げていく。それは、一般に見られる一階建ての木造建築で屋根がついており、比較的通気性の良い建物だった。
「"硬化"」
この魔法は素材の強度を上げたりすることができる。ニールはこれを使って木造の建物の強度を上げたのだ。
ニールは他にも考えられる危険性に対してそれを最大限防ぐために、他の魔法もかけておく。
「"耐熱強化"、耐水強化、耐氷強化」
よし。これだけかけて置けば問題ない。後は……。この子を家に入れてベッドでも作って寝かせるか。あ! あともう一個追加で魔法をかけて置かなければ。
「"結界"」
はー、危ない危ない。魔物とか不審者の侵入を許してしまうとこだった。取り敢えず一旦家に上がるか。
俺はそう思い、自分の造った拠点へと足を踏み入れる。中へ入ると大きなスペースがあり、何も設置されていない状態だった。
「そう言えば、中も設備設置しなきゃだったな……。取り敢えず木材は余ってるから……。うん、これだけあればなんとかなるな」
ニールはポーチから残りの木材を取り出しながら頷く。
「"材質変換"」
この魔法により木材が軽くて丈夫な素材、"ターデント"になった。この素材は様々な使い道がある。家具の素材に利用するのもその一つだ。俺はそれを使い、キッチン、トイレ、風呂、テーブル、椅子を"組成"を駆使してそれぞれ設置する。ちゃんとトイレは個室にしたし、風呂もちゃんと見えないようにしたからこれで大丈夫だろう。後はベッドだな。これは違う材質にしたい。
「"材質変換"」
材質を"ターデント"から弾力性もあって、快適に眠ることができる素材の"レビア"に変換する。
「"組成"」
俺はまた"#組成__コンポジション__#"を使い、ベッドを作る。これも一瞬で出来上がり、自分の手で感触を確かめ、我ながら良い出来だ、等と呟く。さあ、ベッドも出来たことだしこの子を寝かせるとしよう。
ニールは背中に背負っていた小さい女の子を静かに下ろし、ベッドの上に寝かせる。
(この子が起きてきたら何か食わせるか……。あ、この子の名前どうしよう……。多分覚えてないだろうし……。まあ、ここは俺がつけるしかないか)
ニールは小さい女の子の名前を考える。うーん……。青く透き通るような瞳に、薄水色の髪の毛……。そうだ! レヴィアと名付けよう! うんうん、我ながらセンスの良い名前のだな。惚れ惚れするな。
こうして小さい女の子もといレヴィアと、ニールの生活が幕を開けたのだった。
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