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Will you marry me?

有賀尋

New life

亜貴あきー?遅れるよ?」

隣で寝ている彼を起こす。
いつもアラームでちゃんと起きているはずなのに、今日は目覚めが悪いらしい。
それもそうだ、長期出張で、昨日やっと帰ってきたのだから。

「んー...あとちょっと...」
「そんなこと言って、起きないじゃん。遅れちゃうってば、起きて?」
「...んー...」
「あーきー!」
「...うるさい裕貴ゆうき
「わっ...!」

そう言って僕を引っ張りこんだ。

「もー...起きてよ...」
「だーいじょーぶだって...」

最近になって本当はΩだったと知った僕と、‪α‬になったという亜貴は晴れて番になった。最初の発情期は辛かったけど、番になった今では亜貴がいてくれるから辛くない。ただ、発情期の僕がすることといえばいつでも巣作りをするわけで、正直これはやめたい。上手く作れないし、いつも亜貴に迷惑をかけてることを知っているからだ。
だからいつも今回こそは、と意気込むのに同じことを繰り返す。でも亜貴はいつもそばにいてくれる。発情期の間はずっとそばにいてくれる。それだけで嬉しいのに。

まだ1つ秘密にしていることがある。子どもが欲しいねと言って、遥貴の叔父さんの施設から1人引き取ると言った数日後の事だった。
亜貴が2週間の出張でいなかった時のこと。朝から微熱があって身体がだるくてどうにも動くことが出来なかった。遥貴はるきに聞いたら「もしかしたらお前出来てるんじゃないのか」と言われた。

「...できた?何が?」
『何がって...子どもだろ。つかさもそんなことあったし』
「......へ?」
『妊娠超初期症状だな、人それぞれらしいけど、だるかったり眠かったり熱っぽかったり。お前熱は?』
「...微熱かな…」
『試しに検査薬使ってみたらどうだ、買ってってやるぞ』
「...いい...とりあえず今日休むから...」

そう言って会社を休んで、検査薬を買って使ってみたのが一昨日の事。結果は陽性。
出張中の亜貴に話すことが出来ず、加藤夫婦に相談した。

「...子どもが...できたみたいで...検査薬も陽性で...」
「おめでたじゃないか、良かったな」
「でも...亜貴に言えてなくて...」
「出張中だろ?帰ってきてから言えばいいんじゃないか、出来たって分かったら喜ぶと思う」
「...だと、いいんだけど…」

そっと腹に手を当てる。

新しい命が、いるんだ、ここに。

そう思うと感慨深かった。

そして、言うタイミングを逃して逃して今に至る。でも、目が覚めてくれるかな…。

「...亜貴、聞いて?」
「...んー?なに?」
「...あのね、子どもが...できた、みたい」

するとバッチリ覚醒した亜貴が驚いた顔をしていた。

「...は?え?誰に?裕貴に?」
「うん...僕と、亜貴の子ども」
「...マジ?」
「病院ちゃんと行ったわけじゃないんだけど…検査薬使ってみたら陽性で...」

亜貴はしばらく驚いていたけど、優しく抱きしめてくれた。

「...そっか、そっか...!ありがとう、裕貴。俺を2人の父親にしてくれて...」
「ふふ、まだわかんないよ?」
「分からなくてもいいんだよ。...頑張ろうな、裕貴」
「...うん!」

いつ会えるだろう。どっちなんだろう。
楽しみでもあり不安でもあった。でもひとりじゃない。亜貴がいる、遥貴や課長がいる。
そう思うと心強かった。

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