ゲームと良く似た異世界に来たんだけど、取り敢えずバグで強くなってみた

九九 零

オール・ワールド

そのゲームの名前は『オール・ワールド』。
中世ファンタジー風の剣と魔法があるMMORPGと呼ばれる大規模多人数同時参加型オンラインRPG。

つまりは、数多の他人とオンラインで繋がり、ゲームを通して知り合い、時には仲間となり、時には敵となって争い競い合ったりするゲーム。

ゲームの中には、スキルや魔法。はたまた、多種多様な武器や乗り物が存在する。

東西南北に大きな国があり、その他にも小さな国があったり、小さなイベントから大きなイベント。また、隠しイベントも盛りだくさんで、やりこみ要素は大きかった・・・・・

そのゲームが発売されて早三年。

発売当時は超が付く程に大人気で、全世界各地でプレイされた。

しかし、それを手掛けたゲーム会社が新たなゲームを発売すると、『オール・ワールド』の人気は目に見える程に減った。

三年前なら、街道近くを歩くだけでプレイヤー達で溢れていたのにも関わらず、今ではその半分も居ないぐらい減った。

そんなゲームを俺は三年間、暇な時に時間を見つけてはやっていた。

要は、スマホからでもプレイ出来るから暇潰しにしていた。

今の現状を少し淋しいとは思うけども、辞めて行ったプレイヤーが戻ってきて欲しいとは思わない。

リアルでの友達はいるけど、ゲーム内での友達はゼロ。

完全独立型孤立プレイヤー。

カッコつけた言い方しても、意味は同じ。

ネットを介して人と繋がる事が出来ない俺は、ソロプレイヤーだった。

ーー独りぼっちだった。

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