妹はヤンデレで小学3年生、姉はツンデレで大学2年生
11.
~新垣水美~
雄太君と私の出会いは私達がまだ小学3年生の頃のことだ。雄太君は覚えてないみたいだけと私は今でも鮮明に覚えている。
私は泣いていた。お母さんと買い物に出かけた帰りに私は迷子になってしまったのだ。好奇心大勢の頃の私は子猫を見つけてお母さんの手を離し走って追いかけてしまった。しばらく追いかけ続けふと思い出し後ろを振り返るもお母さんはいない。
「おかあさーん!」
・・・。
叫んでも返事が帰って来るはずもなく、ここに来て初めて迷子になってしまったと気づいた。辺りを見渡しても知らない家ばかりで人がいない。世界に私だけが取り残されたように感じてしまうと涙がこぼれてきてしまう。いつもそばにいてくれたお母さんがどこにもいない。そう思うとより涙が溢れてきてしまいもう止まらない。けれども私はお母さんに会いたくて歩いた。
しばらく歩いていると前に人影を見つけた。しかし、お母さんではないことはすぐに分かった。遠目からでも私と同じくらいの身長と分かったからだ。だから、誰か分からず怖くて立ち止まっていると。その人は私に気づいたらしく駆け足でこちらに向かってくる。男の子だ。
「ねぇ、君迷子?」
「・・・うん。お母さんとはぐれちゃったの。」
会ってすぐに言われて少し恥ずかしかった。
「そっか、じゃあ一緒に探そう!」
「えっ、手伝ってくれるの?」
「当たり前だろ。ほら、行くよ。」
そう言うと男の子は私の手を握り歩き出す。いきなり手を握られて最初は驚いたけどさっきまで1人ぼっちだったからか男の子の手のあたたかさに安心した。それから男の子に引かれるままに歩き続けると大通りに出た。どこに向かっているのだろうと、男の子の背中をぼーっと見ていると前に交番が見えてきた。
「おまわりさーん!迷子です!」
「ん?君たち迷子なのか?」
「はい。」
え?男の子も迷子だったの?
「ね、ねぇ?君も迷子だったの?」
「あれ?言ってなかったっけ?そうだよ。俺も迷子www」
え?笑ってるよ!自分が迷子なの笑ってるよ!?怖くないのかな?もうお母さんにあえないかもしれないのに...。
それからおまわりさんに色々聞かれて座って待っているように言われ座ろうとするとあわただしい足音が聞こえてくる。
「・・・み・・み・・。みな・。みなみ!」
この声は、お母さん!私はお母さんを見つけるとお母さんの腕の中に飛び込んだ。
「お母さん!おかーさーん!」
「水美!良かった!良かったよ!」
「お母さん!うえーーーーん!」
「よく交番の場所が分かったね。水美。」
「ううん、違うよ。この男の子が連れてきてくれたの。」
「ありがとうね。」
「いやいや、俺もまいごだったから。」
そんな話をしていると女の人が来た。
「雄汰また迷子になって。何度心配させたら気が済むのよ。」
そう言うと男の子のお母さんらしき人は男の子を抱きしめた。少しきつい言い方だけどかなり心配していたようだ。男の子の目から少し涙が見えた。自分も悲しかったのに私のことを心配してくれていたのだと気づいた。そういえば男の子の名前はなんだろう?今更になって聞いていないことに気づいた。
「ねぇ?名前はなんて言うの?」
「俺は雄汰だよ。白崎雄汰。あっ、お母さんそろそろ見たいアニメが始まるから早く帰ろうよ!」
そう言うとその雄汰君は私達か話している間におまわりさんにお礼をしていたお母さんの手を引き帰ってしまった。
「そろそろ私達も帰ろっか。」
「うん。」
そう言うと私達はおまわりさんにお礼を言い交番を後にした。
それから近くの公園でチラチラと雄汰君を見かけるようになった。雄汰君は気づいていないようだ。しかし、小学校を卒業してからは雄汰君を見かけなくなった。それからなぜだか雄汰君のことが気になり続けている。これが恋だと気づいたのは高校で雄汰君を見つけた時だった。
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