SCP版 エンジェル・オーバードーズ

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プロローグ2

 麗華は侵入を続ける。自身にかけた強化の聖位術のおかげで火傷の心配はなく猛熱の炎の中を走る姿にためらいはない。

 彼女が目指すのは地下への入口。そこに試作品があるという情報だ。途中、従業員と見られる白衣の人が倒れていたのを見たが火傷はなかった。

 銃創だった。夜間警備の者も首を刃物で切られ死んでいた。

 やはり襲撃。麗華の意識がじりじりと焦げ付いていく。

 炎がすべてを覆う前、麗華は地下へと通ずる入口直前までたどり着いた。ここにはまだ火の手は回っておらず、廊下は静かだ。

 そこに、三人の人影があった。

「止まりなさい!」

 彼女の叫びに三人が振り向く。窓から差し込む月光が三人を照らし出す。

 服装は普段着であるがその手には血濡れたアーミーナイフが握られており、彼らがこの事件の犯人なのはすぐに分かった。

 麗華は睨むが、三人の中に白のアタッシュケースを持つ者を見つけさらに顔を歪める。

「あなたたち、どこの組織? GOC? それとも財団?」

 麗華の問いにしかし答えるはずもなく、アタッシュケースを持った男ともう一人は走り出した。残った一人がナイフを構え麗華の前に立つ。その慣れた手つきと姿勢、訓練された兵士だ。

 室内においては長い刀剣よりもナイフの方が有利に働く。だが、麗華の戦意に迷いはなかった。

 片手で剣をつかみ、踏み込みと共に突き出す。フェンシングのような突きであり、普通の剣ではまず行えないそれを聖位術の身体強化で放つ。

 間合い外からの強襲に男は倒れ麗華は後を追う。彼女の追撃に一人が振り返り、顔を忌々しくしながら隠し持っていた拳銃を取り出した。

 ここで発砲すれば痕跡が残る。それに対する躊躇いが見て取れるが、男は減音器サブレッサー付きの銃口を向け発砲した。

 向けられる銃口の向き、男の表情と体の緊張。そこから攻撃の意の先を読み、麗華は回避した。

 彼らがどこかの工作員であるように、彼女も訓練された教会の騎士なのだ。

 鹿目は二人目も倒し三人目、アタッシュケースを持つ男を追い詰める。

 だが、二人目を倒し三人目に目を向けた時、今まで平静を保っていた彼女に動揺が走る。

 ここで行われていたもの。それは心の病や精神病に対する治療薬の研究。しかしそれは表向き。従業員のほとんどもそう思っていただろう。

 しかし違うのだ。ここで行われていた真の目的は――

 男はアタッシュケースを開けていた。中には赤の生地の上に、数本の注射器が並べられている。男はそこから一本の注射器を取り出し、自身に打っていた。

「そんな!?」

「ふ、ふふ、ふふふっ!」

 薄暗い廊下で男が不気味に笑う。男は注射器を打っただけ。にも関わらず勝機を得たかのように焦った表情の中で笑っていた。

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