意味がわかると怖い話(自作)
夫婦の会話
僕は昼食を終えると書斎へ向かった。中に入り、戸を閉める。そして僕は書斎奥の読書用の机の前に腰掛けた。
そしてそこで本を読んでいると、スッと戸が開く音がした。ちょうど何か音楽でも聴こうと思っていた時だった。
「ねえ、あなた」
自分を呼ぶ声が聞こえたので、振り向くとそこには困り顔の妻が立っていた。
「どうした?」
僕はそう言って今まさに着けようとしていたヘッドホンを机に置いた。
「ねえ、あたしのスマホの充電器知らない?」
「充電器?」
僕は怪訝な顔をした。
「ほら、この前だってあなた、あたしの充電器を間違って使ってたことがあったじゃない」
「今回ばかりは知らないよ。ちゃんと探したのかい」
「探したわ。でもどこにもなかったの。この家にはあたし達二人しか住んでないわけだし、ここ最近誰かを呼んだこともないから、あと残る可能性としてはあなたがうっかり持ってることくらいよ」
「そんなこと言われても、知らないものは知らないよ」
僕はそう言って妻にくるりと背中を向けた。
「…まあいいわ。もし見つけたら教えてね」
妻は仕方ないといった口調でそう言うと去っていった。
バタンと戸の閉まる音を背にして、僕はヘッドホンを着けて音楽を再生すると何事もなかったかのように読書を再開した。
しかしあるものが視界の隅に映り、僕は動きを止めた。
机の上に山積している書物の隙間から、白いコードがはみ出ている。僕はそれを引っ張り出した。それは間違いなくスマホの充電器だった。
僕は机の隅に視線を移した。そこには僕のスマホが無造作に置かれている。そしてそれには既に充電器のケーブルが接続されていた。
つまり、今目の前にある充電器は妻のものだということだ。
あれれ、と僕は頭を搔いた。覚えはないが、妻の言っていた通り気付かぬうちに部屋に持ち込んでいたのだろうか。
返しに行こう、と思って僕はその充電器を片手に立ち上がった。そして戸を開けると書斎を出た。
そしてそこで本を読んでいると、スッと戸が開く音がした。ちょうど何か音楽でも聴こうと思っていた時だった。
「ねえ、あなた」
自分を呼ぶ声が聞こえたので、振り向くとそこには困り顔の妻が立っていた。
「どうした?」
僕はそう言って今まさに着けようとしていたヘッドホンを机に置いた。
「ねえ、あたしのスマホの充電器知らない?」
「充電器?」
僕は怪訝な顔をした。
「ほら、この前だってあなた、あたしの充電器を間違って使ってたことがあったじゃない」
「今回ばかりは知らないよ。ちゃんと探したのかい」
「探したわ。でもどこにもなかったの。この家にはあたし達二人しか住んでないわけだし、ここ最近誰かを呼んだこともないから、あと残る可能性としてはあなたがうっかり持ってることくらいよ」
「そんなこと言われても、知らないものは知らないよ」
僕はそう言って妻にくるりと背中を向けた。
「…まあいいわ。もし見つけたら教えてね」
妻は仕方ないといった口調でそう言うと去っていった。
バタンと戸の閉まる音を背にして、僕はヘッドホンを着けて音楽を再生すると何事もなかったかのように読書を再開した。
しかしあるものが視界の隅に映り、僕は動きを止めた。
机の上に山積している書物の隙間から、白いコードがはみ出ている。僕はそれを引っ張り出した。それは間違いなくスマホの充電器だった。
僕は机の隅に視線を移した。そこには僕のスマホが無造作に置かれている。そしてそれには既に充電器のケーブルが接続されていた。
つまり、今目の前にある充電器は妻のものだということだ。
あれれ、と僕は頭を搔いた。覚えはないが、妻の言っていた通り気付かぬうちに部屋に持ち込んでいたのだろうか。
返しに行こう、と思って僕はその充電器を片手に立ち上がった。そして戸を開けると書斎を出た。
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