《冷姫》に告白をした結果泣かれてしまったが、なぜかその後積極的に話しかけてくる件

ささかま

第十三話

 
 啓介君たちお風呂から上がった後に、私と里奈ちゃんもお風呂に入ることになった。

 里奈ちゃん先導のもと廊下を歩いてるけど、やっぱりとても広い。私の家も、普通の人に比べたら広いほうだと思うのだけれど……里奈ちゃんの家は別格だ。まず、建物だけでもいま私たちがいる建物と使用人さんたちが住んでいる建物の二つがあるらしい。他にも、武道場や家畜小屋……更には森や川まであるんだとか。
 まだまだ案内しきれてない場所が沢山あるみたいだし、明日も案内してもらうことになっている。






 お風呂は、建物の端のほうにあるみたいで着くまでに意外と時間がかかった。お風呂のほうも、途轍もなく広かった。室内には五個ほど風呂があり、外には露天風呂もあるみたい。
 ……いいなぁ、私の家には露天風呂はないから羨ましい限りだ。

「やっぱり、お風呂はいいよね!普段は、人とお風呂に入る機会なんてないし……ましてやそれが同年代の女の子だから余計に楽しいな」

「そうだね~。里奈ちゃんは、勇君と一緒にお風呂に入ったりしないの?」

 それだけ一緒にいるなら、一緒にお風呂に入っててもいいと思うんだけど……。
 私の質問を、里奈ちゃんは苦笑交じりに答えてくれた。

「一緒には入らないなぁ……流石に恥ずかしいかな。結奈ちゃんはどうなの?」

「私??うーん……啓介君さえいいなら、一緒に入りたいかなぁ」

 啓介君は、恥ずかしがり屋さんだから一緒には入ってくれないだろう。それでも、いつかは……いや、今でもうまくお願いすればあながちいけるかも??
 ……恥ずかしがる顔も見てみたいけど、今はまだいいかな。そういうのは、啓介君のほうから誘ってほしいしね。

「大胆なんだね~。結奈ちゃんほどの女の子に迫られたら、鼻血出して倒れちゃいそう」

「それ、里奈ちゃんに言われるとなんか腹立つなぁ……」

 私だって、に体には自信はある。それでも、里奈ちゃんはなんというか……レベルが違うのだ。同年代とはかけ離れた発育の良さに、シミ一つない顔。少し低めの身長だから、自然と上目遣いになる。それだけで、大半の男の子が落ちるだろう。
 それだけではなく、性格も良いのだ。明るめな性格は、人を惹きつける魅力がある。勉強も家事もすべてできるから、里奈ちゃんは学校では人気者だ。

 私とは真逆な里奈ちゃんのその姿には、羨ましいというよりかは……憧れる。私も里奈ちゃんも、何回も学校で告白をされている。でも、里奈ちゃんはその性格や容姿をすべて含めて好意を抱かれての告白だ。
 でも、私の場合は……容姿しか見られていないのだろう。啓介君と付き合い始めるまで、あまり感情を表に出さないタイプだったと思う。話しかけられてもうまく返せず、むしろ冷たく返してしまったことも度々あった。そんな私のことを好きになってくれた人なんていたのだろうか?ほとんどいないだろう。

「里奈ちゃんって、勇君とずっと仲がいいの?喧嘩とかしたことある?」

 思わず出てしまったその質問は、恐らく私の不安なんだと思う。こんな性格の私で、啓介君は本当にいいのだろうか。今後も、上手くやっていけるのだろうか。不安に思うことは沢山ある。
 一緒にいることで私は幸せな気持ちになるけれど、もし啓介君に無理をさせてしまっていたら……それはとても悲しい。

 どんどんネガティブな思考にハマっていく私に、里奈ちゃんは母親のような優しい声で答えてくれた。

「結奈ちゃんが不安に思うのはわかるよ。でも、それって普通だと思うよ。喧嘩しないなんてことはないと思うし、少しは無理をさせてると思う」

「やっぱり、そうだよね……」

 でも、と里奈ちゃんは少し微笑みながら続けた。

「でも、啓介君だって結奈ちゃんのこと好きだから一緒にいてくれるんだと思うよ。好きな人のためなら、少しくらい無理をしたって構わない。そんな関係がいいと思う。
 喧嘩だって、お互いの意見を言い合えるくらい深い関係になれたってことでしょ?それって、素敵なことだと思わない?」

「…………確かに、そうかも」

 里奈ちゃんの言葉は、不思議なことにすんなりと胸の中に入ってくる。確かに、喧嘩だって悪いことばっかりじゃないのかな?……あまりしたくはないけどね。

「それに、私たちだって最初から仲良かったわけじゃないよ~。会話なんて全然なかったし、毎日が不安でいっぱいだったなぁ……」

「えっ、そうなの!?」

 普段はとても仲良さげなだけに、とても驚いた。二人が喧嘩してるところなど見たことないし、ましてや会話もしないなんて、想像もつかない。

「そうだよ~。最初は、親に決められただけのあいてとしか思ってなかったかな。でも、色々あって……少しづつ仲良くなっていったんだ。……のぼせちゃいそうだし、続きは布団のなかで話そっか」

「そうだね。実はそろそろ限界だったんだ」

「……実は私も~」

 お互いに無理をしていたことを笑いあいながら、湯船からあがって脱衣所に向かう。
 夜の女子トークは、まだまだ続きそうだ。


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