雑学部!!

白兎

合コンの雑学



 合コン。
 それは二つ以上の男女のグループが合同で行うコンパのこと。


「ちなみにコンパの語源はドイツ語で『仲間』を意味するKompanieコンパ二ー、もしくは『会社』のCompanyカンパニーからきているらしい」


「誰に言ってるんだ? まあいい、来たぞ」


 場所は駅の改札を出てすぐ。
 眼鏡をかけなおす白髪の少年、哲司真也の視線の先には、爽やかな少年がこちらに手を振って走ってきている。


「どうもっス、俺、一年の久賀竜馬くが りょうまっス。あなたが津樂先輩っスね」


 爽快な笑顔を振りまいて久賀は俺に握手を求めた。
 こいつは壁と言う単語を知っているのだろうか。俺のATフィールドを簡単に壊してきたんだが。


「ぁ、あぁど、どうも」


 俺は言葉を詰まらせながら握手に答え、哲司を呼び出す。


「おい、なんだあいつ? 人見知りという人種を知らないのか?」
「ま、まぁあいつは昔から人との距離を埋めたがる奴でな」
「昔から?」
「あいつは中学からの後輩だ。中二の頃で図書委員を決めるジャンケンに負けた俺は美化委員に入ったんだが、あいつも美化委員で、なぜか気に入られてしまった」


 哲司の表情を見る限り、気に入られてはいるが気に入っては無いようだ。二人の温度差が凄い。
 そして、コソコソと話している俺達に割って入るように久賀。


「ホント今日はお願いしますね先輩方」
「お願い? 俺全然話聞いてないんだけど」
「ふむ、どうやら久賀はクラスの女子生徒に好意を抱いてな、今回の合コンを持ちかけたらしいのだが、相手側が俺を連れてこないと合コンはキャンセルすると言って、俺は津樂達也が来ないと行かないと言った。と言ううわけだ」
「なんだその連鎖。俺が入る余地ないよね? もう帰っていいかな」


 帰宅を要求する俺の腕を久賀は半泣きでしがみつく。


「あぁ~待ってくださいっス! 先輩が来ないと合コン自体無くなっちゃうっスよぉ~」
「うるせぇなぁ、ていうかお前ならその好きな子も簡単にデートとか誘えるだろ?」
「それがっスねぇ……」


 なぜか表情をくらませる久賀。その真意を確認する前に、


「あ、来たっスよ」


 駅の改札を通る三人の少女。一人はポニーテールの女子、第一印象は活発な少女だろう。
 もう一人はゆるふわウェーブの少女、少し垂れ目の彼女は包容力がありそうだ。
 そして、最後に改札を通る少女。黒髪ショートに眼鏡をかけている。少し釣り目だがそれもまたいい。
 俺は初対面の彼女らを観察、となりで久賀は緊張して表情を固めている。見かけによらず初心かこいつ。


「き、貴様はぁ!?」


 そして、なぜか哲司は驚愕の表情を浮かべていた。

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