雑学部!!

白兎

ラムネの雑学

「来た来たこっち~」


「まったく、この暑さにこんな格好で待たされるこちらの身にもなってほしいわ」


 夏と言えば祭り。雑学部のメンバーもこうして来ていた。クラスの方に行かなかった霧崎は先約があるという理由で断り、こうして三人で来ている。人数が少ない方を優先したのだろう。


「お前もそんな格好するんだな」


 もちろん一ノ瀬と霧崎は浴衣で来ていた。ちらほら視線を集めているので厄介ごとに巻き込まれ中ればいいのだが。






「さて、まず何食べる? 焼きそば? たこ焼き?」


「さすが一ノ瀬。食べ物一択なのな」


「ち、ちがうよ、二人ともお腹空いてるかな~と思って、べ、別に私が食べ物しか興味がないってわけじゃ」


「別にそんなに取り乱さなくても。そうだな~とりあえず喉乾いたしなんか飲もう」


「それならあそこにラムネがあるわ」


「さすがの霧崎もラムネは知ってんのな」


「あまり馬鹿にしないで貰える? ラムネぐらい知ってるわ。ペリーが来航時に交渉で振る舞ったレモン味の炭酸水をレモネードといって、それがなまってラムネとなった代物でしょう?」


(夏休み前、部室でしっかりケータイで調べてたことは見なかったことにしよう……)




「ふ~やっぱりこう暑いとラムネとか売れるんだろうな」


「そういえば、なんでビー玉入ってるのかな? ま、取り出すのが楽しみでもあるからいいんだけど」


「玉はラムネの栓なんだよ。もともとコルクだったんだけど、コルクは高いし、炭酸が抜けるから玉になったんだ。あと、炭酸が抜けにくいって理由では瓶が使われるのもそうらしい」


「へ~ビー玉ってそんな役割があったんだ」


「あと、ラムネの中のはビー玉じゃなくてエー玉な。ビー(B)玉は不合格になったエー(A)玉なんだ」


「へ~ま、どっちでもいいけど」


「だよね~」


 だんだん細かい津樂のあしらい方がうまくなる一ノ瀬とその対応に慣れてきた津楽だった。



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