雑学部!!

白兎

名前の雑学

「そういえばなんで雑学部?」


 一ノ瀬が興味津々に聞いてくる。だが、雑務学芸部なんて部活はどこに行ってもないだろう。
 一ノ瀬の質問に津楽がめんどくさそうに答える。


「なんでも、もともとは学芸部だったんだが、部員がいなくなって廃部になりかけたんだが、雪代先生が問題児を集めて手伝いをさせたんだと。まぁ、あの先生のことだから自分の仕事を減らしたかったんだろ」


 問題児ということは津楽と霧崎も何かしたのだろうが、前に聞いた時は答えてくれなっかたので、しつこくは聞かなかった。すると霧崎から話を終わらせようとする。


「名前なんてどうでもいいじゃない。気にすることはないわ」


「名前は重要だよ!名前の由来を知ることで分かるものもあるんだから」


 霧崎の発言に、説教するような素振りで一ノ瀬が反論する。
 だが、そんな一ノ瀬に津楽が異論を唱える。


「でも、実際名前を知らなくても困らないものもあるんだよな」


「たとえば?」


 津楽の言葉に一ノ瀬は挑発するような顔で返答する。
 津楽は挑発に乗るように答える。


「たとえば、ペットボトルの底にも名前があるんだぜ」


「名前があるの!?」


「ペタロイドと言って内圧に耐えるための突起が花弁状に見えあることから、ペタロイド形状と言われるようになった。ちなみにペタロイドは英語で花弁状、花びらという意味だ」


「知らなかった」


 悔しそうにする一ノ瀬を見た津楽は勝ち誇ったように進める。


「ほかにもあるぜ。
 洗面台についている穴は、オーバーフロー穴。
 消しゴムのカバーは、スリーブ。
 赤ん坊の涎掛けは、スタイ。
 ウエディングドレスの後ろの裾は、トレーン。
 弁当の緑の仕切りは、バラン
 缶飲料を開けるための引き金はーー」


 次々と名称を答える津楽の言葉に割り込むように一ノ瀬が自信満々に答える


「それ知ってる!プルトップでしょ!」


「残念。プルタブでした。プルトップはプルタブを引き起こして開ける全体の仕組みのことだ」


「そ、そうなんだ」


 自身があったためか、恥ずかしそうに一ノ瀬は顔を赤らめる。  
 津楽はそんな一ノ瀬には目もやらず、思っていることがあった。
 ちゃんと覚えてもらえてないとか、考えた人は気の毒だな。ま、どうでもいいけどーー





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