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生意気な義弟ができました。

鈴木ソラ

生意気な義弟ができました。44話




あの賑やかな親睦会を存分に楽しんでから、一ヶ月。本格的な冬の季節に入り、こたつがぬくぬくと気持ちのいい時期になってきた。けれどそんな中、零央は変わらず、いや、これまで以上に部屋にこもりきりで机に向かうようになっていた。


「うーん…こたつから出れない…」

悩ましいほど気持ちのいいこたつに、俺は心を奪われかけていた。二階で零央が真剣に勉強してるというのに、ダラけるのもなんだか申し訳ない。そうは思うものの、やはりなかなか動く気にはなれないものだ。

しかし、零央の受験への熱意には本当に驚かされている。夏頃はまったく興味も無さそうに遊び呆けていたというのに、今となってはひたすら目の前の目標に向かって前へ進もうとしている。それが俺といる為でもあるっていうのも、口には出してやらないけど本当はすごく嬉しい。

そんなことを思ってこたつでゴロゴロしてニヤけると、廊下から突然零央の声がした。

「おにーさん、なに一人でニヤニヤしてるの」
「っれ、零央…勉強終わったの?」

ニヤついているところを見られていたらしいが、気にせず俺は起き上がって聞く。すると、零央は背後に来て後ろから俺の体に抱きついてきた。

「まだやるけど、ちょっと休憩」

そう言って、俺と同じように足をこたつにつっこんで深く息をついた。

きっと零央と出会っていなかったら、人とこんなにくっついてこたつに入ることもなかっただろうな。

「……あんま、無理しすぎるなよな」
「…ん?心配してくれてんの?」
「……心配、っていうか…まぁ、なんでもいいや…」

俺がそう言えば零央は、ん?とまた首を傾げた。

正直、心配してはいるのだけど、今はそれとは違うことを思ってしまう自分がいる。

……………ちょっと寂しい、とか……ただの俺のわがままなんだけど…。

思えば最近ずっと零央は勉強につきっきりだ。それはいいことで、決して俺のわがままなんかで水を差していいものじゃない。それは分かっているのだけど、どうしてもそう思わずにはいられなかった。今まで散々ベタベタしてきたからか、急に勉強にスイッチを切り替えられて、またもや俺は振り回されそうになっているらしい。

何も言わない俺を不思議に思ったのか、零央は悪戯をするように俺の服の下に手を滑らせる。当然というように胸の突起を撫でられ、思わず俺はビクリと肩を揺らした。

「んっ、………ち、ちょ…零央っ」

俺は慌てて服の中から零央の手を引っ張り出した。

今そんな中途半端に触られては、困る。零央にとってはいつもの軽い戯れかもしれないが、俺にとってはそれだけでは済ませられない気がする。

「べ、勉強、まだするんだろ…やめろ、馬鹿」
「え?何を今更恥ずかしがってるの」
「は、恥ずかしいとかじゃなくて…!」

俺が後ろを振り向いて訴えようとすれば、透かさず顎を掴まれて、あっという間に唇を奪われる。俺はあまりにも突然のことに、抵抗するのも忘れてしまう。

「っん……ふ、ぁ…」

強引に舌を絡められ、背筋をゾクゾクと何かが駆け巡る。

……ま、まずい……このままだと、ほんとに……。

真っ白になりかけた頭で警鐘を鳴らして、俺は何とか零央の胸を押し返して顔を背ける。口元を塞がれていたせいで、苦しくて俺の呼吸は上がったままだ。

「おにーさん、いつまで経ってもキス下手くそ。ずっと息止めてるし、そのうち窒息死しちゃうんじゃない」

俺の様子を見てクスクスと笑う零央は、本当にいつまで経っても生意気だ。

「っ………も、いいからっ、馬鹿は大人しく勉強してろっ…!」

俺は笑う零央に思いっきりそう言い捨てた。零央は少し呆気に取られたような顔をしている。俺は構わず、勢いよくこたつから出て二階の自分の部屋へ駆け込んだ。

扉をバタンと閉めて、俺はその場に座り込んだ。

「………は……はぁ……」

深く溜息をついてから、恐る恐る自分の下半身に手を伸ばした。案の定、それは緩く反応していて、俺は更に溜息を零す。

軽い戯れ程度で反応しているなんて零央に知れたら、きっとあの場で押し倒されていたに違いない。零央の勉強を邪魔したくはないのに、体は言うことを聞いてくれないようだ。

……しばらく、零央にむやみに近寄らないようにしよう……またこんなふうになってしまっては困る…。

俺はそう決めて、あとはとりあえず下半身の熱を冷ますことに集中した。









それからというもの、零央はなぜだかこれまで以上にくっついてくるようになった。


「おにーさん、こっち来て」

風呂上がり、俺がリビングに行くと零央は俺を自分の方へ手招きした。不思議に思いながらも言われた通りに零央の前まで歩み寄ると、零央は覆いかぶさるように俺の体に抱きつく。

「うわっ、お、おい…」

…しまった、油断した…。

「これから勉強するから、充電」
「…じ、充電って…」

そう言われては、抵抗できなくなる。零央も疲れているのかと考えれば、これを拒否するのも悪いという気持ちになった。

母さんや巧さんが仕事から帰ってきてしまうかもしれないのに、堂々と零央はリビングで俺を抱きしめる。少しでも息を吸うと、鼻を零央の匂いが通っていって、心臓がトクリと跳ねた。

………………ま、まずい…。

そうは思いながらもなかなか突き放すことができなくて、俺はぎゅっと目を瞑る。

「…おにーさんさ、すげー心臓うるさくない?」

耳元で笑い混じりにそう言われ、俺の体温はかぁっと急上昇する。

「う、うるさい、黙れバカっ」
「それって自分の心臓に言ってる?」
「んなっ、う、……うるさいなもぅ…」

口を開けば生意気しか言わない。

すると零央は俺の服の下に手を滑らせて、背筋をスーッと撫でた。思わずビクッと肩を震わせるが、零央の左手が逃がすまいと俺の腰を掴む。

「っ、や、やめ」
「なんで?」
「…はぁっ?なんでって、それは…っ」

俺がそこまで言いかけると零央は、それは?と耳元で聞いてくる。

…………た、勃っちゃうからなんて、言えるわけないだろ…。

俺が黙り込むと、零央はいやらしい手つきで俺の腰あたりを撫でる。

「なんでおにーさん、俺のこと避けてんの」

予想だにしない質問が飛んできて、俺は一瞬言葉に詰まる。

「……さ、避けてなんか…」
「避けてるね。一昨日だってキスしようとしたら逃げられたし、昨日も部屋入ろうとすればすぐ追い返された、今朝もちょっと近づいただけでめちゃくちゃ距離取られたんだけど」

……そう言われては、何も言い返せない。

すると零央は、黙り込む俺の耳を食んだ。耳穴に舌を捩じ込ませて、いやらしく水音をたてる。それに、背筋がゾクゾクと毛羽立つのがわかった。

「っ、ん、ちょ……っ」
「言わないと噛むよ?それとも噛んでほしい?おにーさん耳弱いもんね。Mっ気あるし痛くても気持ちよくなっちゃうでしょ」

容赦なく耳元でそう言葉を攻めてくる零央は、どうやら本当に怒っているらしい。あからさまに機嫌の悪そうな声が俺を支配する。

「…や、やめ……ほんとに、…零央…っ」

耳を舐め甘噛みされ、俺の理性はもう崩壊寸前だった。零央が喋るたびにゾクリと脳が震えて、理性がボロボロと崩れていく。

……せ、せっかく…零央の勉強の邪魔したくなくて、我慢してるっていうのに…こいつはほんと、人の気も知らないで…。

「…おにーさん?…泣いてる?」

零央が俺の顔を見て、目を丸くした。気づけば頬を熱いものが伝っていて、俺自身も少し驚いてしまった。零央の拘束が一瞬で解け、俺は思わず腰を抜かしてその場に座り込む。勃ち上がった下半身を誤魔化すように、慌ててティーシャツの裾を伸ばした。

「…ごめん、ちょっといじめすぎた?」

優しい声でそう言って、零央は俺の頬に手を伸ばしてくる。俺はその手を、反射的にバチンと払った。

「零央のバカっ…!」

涙を拭いながらそう言い放って睨んでやると、零央は驚いたような顔をしてこちらを見ていた。俺は構わず、よろよろと立ち上がって、急いで自分の部屋に駆け込んだ。









「……はぁ……っ」


俺は部屋に入るなり、扉に鍵をかけてベッドにドサリと体を預けた。

…また、また逃げてしまった…。

そう思っていれば、ドンドンと扉を叩く音が聞こえる。

「おにーさん、開けて」
「う、うるさい、黙って勉強してろ」

俺がそう言えば、零央は扉を叩くのをやめて素直に、わかった、と言って扉の前から離れたようだった。俺はとりあえず安心して、ホッと息をつく。

…………零央の手、払っちゃったな……あいつは心配して言ってたんだろうに…。

俺はそう考えて、頭をふるふると横に振った。

…違う、零央が悪い。人の気も知らないで、ベタベタ触ってくるからいけないんだ…。

まだ、零央に触られたところがじんじんと熱を持っている。耳元で零央の声が蘇って、ズクリと脳を焦がした。俺は思わずパンツの下のそれに手を伸ばす。

「…ん、…は…」

バレていただろうか、零央に。もしバレていたとしたら、欲求不満の変態だと思われてしまう。欲求不満、は…間違ってないのかもしれないけど……、勝手に一人で興奮して、恥ずかしい以外の何者でもない。

「ぁっ、……んっ…は……」

久々に刺激を求めていたそれは、どんどんと熱を持っていく。けれど不思議と前だけでは満足せず、無意識に俺は後孔に指をあてがった。

「んっ、ぅ…」

指を一本いれて、奥に押し進める。中はじんじんと熱く、刺激を待っていた。脳裏に零央の顔が浮かんで、耳元でまた零央の声が蘇る。ビクリと指が締めつけられて、漏れてしまう自分の甘い声を、シーツに顔を埋めて掻き消す。二本目の指をいれたところで、背後に零央の気配を感じた。いないはずなのに、頭の中では完全に零央の声、温度、指、全部が鮮明に思い出された。

「ぁっ、…ふ……れ、お…零央」

俺は我慢できなくなって、必死に零央の名前を呼びながら手を動かす。早くも達しそうになった頃、なぜか後ろからガラガラと引き戸を開ける音が聞こえた。俺はビクリと固まって、恐る恐る後ろを振り返る。


「…おにーさん、なんか楽しそうなことしてんじゃん」

こんな状況だというのに、俺の体はその顔を見て興奮しているようだった。心臓がドクドクと高鳴って、脳が警鐘を鳴らす。

「ぁ……な、なんで、」
「なんでって、ベランダで繋がってるの忘れたの。扉に鍵までかけて、そんなに俺に近づいて欲しくないんだ?」

怒っているのか何なのか。けれどその目はたしかに高揚したように熱を持っていて、その視線がこちらに降り注がれる。

「…く、来るなって、言ってるのに、」
「顔真っ赤にして勃起させてるおにーさん見たら、なにがなんでも捕まえに来るでしょ」
「っ、」

どうやらバレていたらしく、俺の体温はかぁっと急上昇する。言うことを聞かずにベランダから部屋に侵入してきては、零央は俺を組み敷いて見下ろした。

「…最後まで見ててやろうと思ったけど、あんなに可愛く名前呼ばれたら我慢できないよね」
「なっ……み、見てたのかよ…っ」

本当に意地が悪い。

すると零央は、俺の脚をガバッと開いて持ち上げた。意地の悪そうな笑みを浮かべて、こちらをじっと見る。

「一人でこんなふうにして、ほんとエッチだねおにーさん」
「っ……み、見るなぁ」

あまりの羞恥に、俺は泣きそうになりながら訴える。けれどそれは逆効果だったようで、零央は楽しそうに笑った。

「…俺、おにーさんの泣き顔見て興奮するんだよね…もっといじめたくなる」

零央はそんなことを言って、硬くなった自分のものをズボン越しにぐりぐりと押し付けてきた。俺の腰は素直にビクンと反応してしまって、あまりの恥ずかしさに死にたくなる。

「…はは、ほんとだらしない顔、今すぐ俺が欲しいって顔してる」
「っぁ…んな顔、してなぃ」

俺が両腕で顔を隠すと、零央は許すまいと俺の腕をシーツに押し付けた。零央に目をやると、熱い視線が絡んで心臓を掴まれた気分になる。

「そういえば、エッチするのちょっと久しぶり?……いいよ、お望み通りいれたげる」

そう言って、零央はズボンの下から自分の興奮しきったそれを露わにして、俺にあてがった。

「おにーさんが、可愛く強請れたらね」

零央は煽るようにこちらを見つめて笑う。その悪魔のような笑顔に、心臓が捻り潰されそうになる。

……こ、こんな…寸前で、ほんと性格悪い。

しかし反抗する体力もなく、何より俺の理性はもうボロボロだった。早く零央が欲しいと恥ずかしげもなく求めている俺の体が、俺の脳に強請ってしまえと煽り続ける。欲しいという気持ちと小さなプライドとが葛藤して、結局俺の口は開いてしまう。


「……………零央が、欲しい………いれ、て…」

案外想像していたよりも素直に言葉が出てきてしまった。けれど恥ずかしがる間もなく、零央に強引に唇を奪われる。

「……ん、かわい」

よくできましたと言わんばかりに熱いキスを交わされ、求めていたそれはすぐにやってくる。



















「おにーさんさ、結局なんで俺のこと避けてたわけ」


体がくたくたになって、腰がズキズキと痛みを訴えている頃、零央はベッドの隣でこちらを見つめた。俺はその呑気な態度にムッとしつつ答える。

「…………勉強の、邪魔したくなくて……我慢、しなきゃいけないと思ったから…」

俺がそう言うと、零央はニヤリと笑みを浮かべた。

「へぇ?それで我慢して一人でシてたんだ?」
「なっ、」
「急に避けられるから何かと思った。俺それくらいじゃ邪魔されないけど」

零央は軽々とそんなふうに言ってのける。

「…………じ、事後に言うなよな…」

じゃあ、俺の微量な努力はなんだったというのだ。

「ま、たまには放置もいいかもね、かわいいおにーさん見れるし。久々のセックス気持ちよかったでしょ?」
「っ……」

図星を突かれ、俺は真っ赤になる。

「…………ほ、放置は、やだ…」

もうこんなの、散々だ。

すると零央は、またも俺を組み敷いた。

「…はぁ、ほんとかわいい。もいっかいシよ、俺しばらく溜まってたからまだまだイケるよ」
「なっ、ばか、あっ」



結果、俺の小さな努力もプライドもボロボロに崩されて、虚しく惨敗だった。




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