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生意気な義弟ができました。

鈴木ソラ

生意気な義弟ができました。16話





幸い、家に帰っても母さんたちは仕事から帰ってなくて。おそらく、明日の零央の誕生日を一緒に祝うために、今日は会社に泊まり込みで仕事をしているんだろう。




「おにーさん、とりあえず飯食お」
「あ、うん…なんか、作るか」

俺は手を洗ってキッチンに立った。酔いはほとんど冷めてるけど、あまりお腹は空かない。零央の夕飯を用意しようと冷蔵庫の中を覗いた。

「手伝う、疲れてるでしょ」

そう言って、零央は珍しくキッチンに立った。

「…………そういえば、零央、どうやって早見くんの家知ったんだよ」
「あそこの塾長に、おにーさんがあの人と喫茶店出てくの見た、って聞いた。ほら、電話かけたらおにーさん酔い潰れてるとか言うから、迎えに行くっていう体で?塾長に家の場所聞いて直行」

相変わらず、迷いがなくて行動力のあるやつだ。

「ほんとにごめんな、せっかく誕生日祝ってやろうと思ったのに」
「別に、まだ明日だし。いつでも祝えるでしょ」

……そうは言うけど…せっかく、約束もしてたのに…。

「…今日、デートってどこ行く気だったんだよ?考えてたの?」
「んー、まぁ、いつでも行けるとこだし?また今度行こ」
「さっきからいつでもいつでもって言うけど…記念日だから行くんじゃないのかよ」

俺がそう言うと、零央は俺を見て、おにーさんがそれ言う?と笑ってきた。

……たしかに、約束ほったらかした俺は何も言えないな……。

「やっぱプレゼント、なんか買うよ。俺だって一応、彼氏……だし?」

俺がチラッと隣の零央を見て言うと、零央はどこかを見つめて考えるようにした。

「んー、…それよりもさ、ちょっとお願いがあるんだけど」

何か思いついたように俺の顔を覗き込んで、ニヤリと笑った。

……………ちょっと……嫌な予感…。

「…な、なんだよ?」

恐る恐る聞くと、零央はずいっと迫って俺の手のひらを握った。それでから、スっと真剣な顔をして俺の目をじっと見る。




「おにーさんを抱かせて」



一瞬、聞き違えたかと思ったその言葉に、俺は頭を真っ白にして立ち尽くした。そんな俺に、零央は念を押すように、いいでしょ?と言った。


………………え……?…いや、待て待て、え?


「嫌?」
「……い…嫌とか…じゃ、ないけど…。き、急すぎ…っ」

俺はまともに零央の顔を見れなくて、俯いた。

「急じゃない、俺にしては我慢した方でしょ」
「ま、まだ付き合って半月も経ってないだろ……!」
「待った方じゃん」

いや、どこがだ。

「とにかくさ、おにーさんが俺のだっていう証拠が欲しい。今日のことだって、許せないんだよね、何もされてないよな?」

零央は眉間に皺を寄せて俺の身体を上から下まで見回した。

「さ、されてない、何も無かったし…」

………………でもちょっと……零央の言いたいことが分かるような気もする。
零央は俺なんかよりずっとモテるし、もしかしたら学校で他の女の子と遊んでるかもしれない。いや、疑ってるわけじゃないけど、ちょっと、不安になる。今日のこともあって、零央が同じように不安なんだとしたら、それは拭ってやりたい。俺が零央のだって、わからせてやりたい。


「おにーさん、おねがい」

可愛く言ったって、全然可愛くなんかないけど。不思議と、こいつの言うことは聞いてやりたくなってしまう。

「………………わ、わかった……から……、…とりあえずご飯、」

俺が俯いて言いかけると、零央は話も聞かずに俺の腕をキッチンの外へ引っ張った。

「どうせお腹空いてないんでしょ。我慢できないから、飯はいい」
「えっ、ちょ、零央……!」

俺はそのまま、零央の部屋まで引っ張られて行った。階段も部屋の中も暗いまま連れて行かれ、ベッドの上に押し倒される。

「れ、零央!ま、待って、ちょっとストップ!まだ心の準備が…。それに、シャワーくらい浴びさせてほし、」
「どうせ汗まみれになるしいいでしょ、童貞のくせに気にするんだ?」
「そ、それとこれとは別だろ……!」

零央は俺の服を捲りあげて、腹のあたりにキスした。その光景がなんだか零央に似合ってて、ドキリとする。

「…怖い?」

零央は、俺をじっと見つめてきた。

「…………ち、ちょっとだけ。初めてだし…俺、何も調べてなかったから…」
「俺、男抱いたことないけど、ちゃんと勉強しといたし。絶対気持ちよくするから、ね?」

身を委ねろ、と言いたげな零央の表情は、歳下だとは思えないくらいの色気を纏っていた。熱の篭った目で見つめられて、腰のあたりがズクン、と刺激されたような気になる。

「優しくするから」

そんなキザなセリフを吐いて、零央は俺の唇を奪った。零央の舌があっという間に入り込んできて、俺の口内を弄ぶ。濃厚なそれにまだ慣れない俺は、零央の背中にぎゅっとしがみついた。

「っ、…………んっ、は……く、るしぃ…」

やっと唇が離れると、零央と目が合った。

「おにーさんキス好きじゃん」
「ぅ、うるさい…」
「否定しないんだ」

否定は……し、しないけど…………。

すると、零央は俺の胸辺りに顔を近づけた。

「男でも乳首って気持ちいいらしいけど、どうなの?」

そう言って、舌をペロリと出して俺の乳首を弄ぶようにした。そうすると、ムズムズとした感覚から、次第にヒリヒリと電気が走るような感覚に変わっていく。

「……っ、どう、って…………」

零央は、甘噛みするように時々歯を立てて刺激した。その度に、ピクっと素直に反応してしまう自分が恥ずかしくて、俺は両腕で顔を隠すようにした。

「んっ、ぁ、………………か、むなよ…っ」
「気持ちいいんだ?感度良いよねやっぱ。……それとも誰かにされたことある?初めてだったらおにーさんもっと慌てふためくと思ったんだけど」

零央は俺の両腕を退かして、じっと目を見つめてきた。

……勘ばっか鋭くてムカつくやつだ…。

「………………ま、麻海さん……この前、泊まってったときに……」

出来ればこんなこと言いたくなかったけど、下手に嘘をついた方が零央はキレそうだ。

案の定、零央はチッと舌打ちをして、泊まらすんじゃなかった、と呟いた。

あのとき俺を見捨てたのは零央の方だというのに。

「……まぁいいや。どうせそれよりすごいことするし?」
「っ、も、黙れよ…いちいち恥ずかしいこと言うな」
「ホントのことでしょ。もうおにーさんは俺のなんだから」

そんなこと言って、零央は俺のズボンのベルトをはずしだした。

「あっ、ちょ……」

抵抗する間もなく、下着も脱がされあっという間に下半身裸にされる。俺はあまりの羞恥にぎゅっと目を瞑った。そんな俺のことなんか気にせず、零央は俺のものに手をかけた。

「んっ、う…………はぁ、」
「おにーさんって、気持ちいいことには貪欲だよね…そういうのも、たまんない」
「な、にが……だよ、馬鹿……っ」

……男は誰だって、そういうもんだろ……!

俺は心の中で反論して、これ以上恥ずかしい声が出てしまわないように口を塞いだ。

「……ね、こっち、いい?」

そう言って、零央は俺の後ろの穴にピタリと指先をあてがった。自然と、ドキドキと心臓が鳴って落ち着かなくなってくる。

「…………す、好きにしろよ、もう……っ」

俺はもう考える余裕もなくて、テキトーに答える。零央は指先に、知らないうちに用意されていたローションを垂らした。すると、ゆっくりと零央の指が入り込んでくるのが分かって、俺はぐっと息を止めた。

「痛くなったら言って、すぐやめる」

こんなときばっか珍しく優しい声でそう言う零央に、俺は何も言えずにただコクコクとうなづいた。内壁を拡げるように指が奥に進んで、なんとも言えない異物感に俺は困惑するしかなかった。

「息、止めないで、楽にして」
「んなこと、言われても……っ」
「大丈夫だって、まだ指一本だし、任せてよ」

俺は、精一杯言われた通りにしようと、息を吐いて吸ってを繰り返しとりあえず落ち着こうと試みる。これまで彼女の一人だって出来たことない俺に、こんなのハードルが高すぎて。心臓はずっとうるさく鳴りっぱなしだった。

指が奥まで届くと、二本目が入ってくる。ローションのねっとりとした感覚をやけにリアルに感じてしまう。

「う、っ…………は、」
「……二本、入ったけど、動かしてもいい?」

俺がコクリとうなづくと、零央は中で指を動かし始めた。零央の骨ばった指が内壁を擦るように動く。初めての不思議な感覚に俺は体を強ばらせる。そうすると、零央が俺の腹あたりに舌を這わせた。

「ひ、ちょ、くすぐった……っ」
「ムードないなぁ…ほら、力みすぎ」
「ご、ごめ…ひぁっ」

一旦深呼吸しようとしたとき、中で動き回る零央の指が一点を掠めた。俺は突然の刺激にビックリして情けない声をあげる。零央はニヤリとどこか妖艶な笑みを浮かべてこちらを見ていた。

「ここ、イイんだ?中、キュッて締まった」

零央はどこか楽しそうに言う。存在感のある零央の指は、中でコリコリと同じ場所を刺激し続ける。その度にビクビクと体が反応してしまって、恥ずかしくて死にそうだ。

「んっ、や…待って、零央……っ」

俺は初めての感覚に少し怖くなって、零央に縋りついた。

「ビビりだなぁほんと、大丈夫だって。ちょっとは信用してよ?」

零央は少し呆れたようにそう言って、優しく俺のおでこにキスする。

…………かっこつけやがって、イケメンだからムカつく……。

「ぁっ、う……そこ、ムリ…っ」
「…前立腺、気持ちいいらしいじゃん?ちゃんとこっちで反応してくれんの、嬉しい」

零央が珍しく素直にそんなことを言うので、こんな恥ずかしいことでさえも、まぁいいか、なんて思って許してしまう。結局こいつのペースに持っていかれてる。

零央は、ゆっくりと指を抜いてズボンを脱ぎ捨て、自分のものを露わにした。初めて見るわけじゃないのに、興奮しきった零央のそれに、俺は思わずドキリと心臓が痛くなった。

……………………あんなの、絶対入んないだろ…………?

本当に大丈夫だろうかと、不安になって零央の目を見つめた。俺は思わず後ろに引いて逃げ腰になる。

「…だいじょーぶ、おにーさん感度良いでしょ。痛くしないから、ね?」
「…………んな、ムリだろ……っ、絶対入んないし…………!それに…」

俺はそこまで言いかけて、口を噤んだ。零央は俺の顔の横に手をついてじっと見つめてきた。その眼光は貫かれてるみたいに鋭くて、獣に睨まれるうさぎのような気になった。

「…それに、なに?」

俺は少し考えてから、ゆっくり口を開く。

「………………嫌に、なるなよ、絶対…。やっぱり男は無理とか…後になって、言うなよな…」

もしかしたらこんなの気まぐれかもしれないって、思わないことはないし…早見くんみたく、ただの好奇心とか、一時の気の迷いとか。そういうのは、あるのかもしれないし。俺とは違ってこの前までちゃんと彼女もいたのに、絶対、もったいないことしてるのに。

「…言うわけないじゃん、そっちこそ…いいの、童貞の前に処女卒業?」

零央は、こんなときでもふざけたように笑った。

「うるせ…ほんと、要らないことばっか言うよなおまえ……!」

俺が睨むと、零央はまたへらへらと笑う。それでから、ふいに触れるだけのキスをして俺を見つめた。

「いれていい?もう、限界…」

そう言って、後ろの穴にそれをあてがった。俺の心臓はドクドクとうるさく鳴って、もう、何がなんだかわからない。

「れ、零央………………こわい、かも…」
「…うん、へーきへーき」

…んなこと言って………なんの根拠もないくせに、強気なことばっか。怖くて仕方ないのに、こいつにそんなこと言われたら………………全部、どうでもよくなっちゃうだろ………。

零央は、撫でるようにして俺の前髪を上によけた。ちゅ、とおでこにかっこよくキスして、優しく笑う。





「……………零央………いいよ……俺は、おまえのだから」

 


































​───────朝、カーテンの隙間から眩しい陽の光が射し込んでいるのがわかった。


ゆっくりと瞼を閉じたりまた開いたりしていくうちに、だんだんと意識がはっきりしてくる。


……………………ここ…零央の部屋………?



「…………あっ…」


昨夜までのことを思い出して、俺はかぁっと赤くなった。すぐ隣を見ると零央はまだ眠っているようで、なんだか恥ずかしくなって布団の中に潜った。

……………俺…零央と………。

身体はだる重くて、腰の違和感は抜けないまま昨日の出来事のリアルさを思い出してしまう。

俺が悶々としていると、ガバッと布団がめくり上げられそのままシーツの上に押し倒される。


「なにしてんの?おにーさん」

そう言って、零央は寝起きなのにも関わらず完成度の高い顔面で俺に笑いかけた。ちょっと意地の悪い笑みで、俺はなぜかそれを呆然と見つめてしまった。

「…なに、そんな見つめられたらムラムラする」
「んなっ、…昨日、散々やったろ……!」
「えーいいじゃん、もっかい」
「か、身体痛いんだよそこら中…!零央のせいだからな…」

寝顔は小さな子供みたいにあどけないくせに、起きたらこんな生意気で、どこまでもムカつく。

すると零央は、コツン、とそのまま俺の肩あたりに頭をうずめた。まるで抱き枕みたいに抱きしめられる。

「はぁ…やっと抱けた、おにーさんのこと」
「……やっとなんて言うほど、長くないだろ…」
「いいや?俺的には、前の酒に酔ってた時の勢いで襲っててもよかったって思ってるんだよね。…それに、初めては優しくしようって思ったのに、おにーさん感度良すぎて余裕無くなっちゃった」

ちょっとため息をつくようにして、そう呟いた。

「まぁでも、ゴム付けただけ自制効いた方でしょ?ほんとは生でもよかったけど」
「っ、ば、っか野郎…!もう黙れ!何もしゃべるな…!」

俺は、これ以上恥ずかしいことを言われないように、零央の背中を叩いた。

俺よりもいい体つきしやがって、ムカつく。

「おにーさんも気持ちよかったでしょ?演技なんてするほど器用じゃなさそうだし」
「…………だ、黙れよな、ほんと…朝から、要らないことしか言わない…」
「はぁ、だめ……俺、おにーさんに執着しそう。男に欲情する日が来るなんて、思ってもみなかった」

全然黙ってくれないこいつに、俺は諦めてため息をついた。


「…………いいだろ、執着しちゃえば…。……俺、考えたんだよ…早見くんに、相手してもらえれば誰でもいいんじゃないのかって言われて……。でもやっぱ、そんな訳ないって、俺は、零央がいいんだってわかった。他の男に抱かれるなんてごめんだし、零央だから、抱かれてもいいって思ったんだよ」

じゃなきゃ、ビビりでなんの経験も無い俺にこんなことできなかったと思う。

すると、零央は舌を絡める濃厚なキスをしてきた。最中も、こうやって何度もキスされたので、それを思い出して腰のあたりがズクンと刺激された気になる。こんなちょっとの行為にも、いちいちドキドキしてしまう。

「…あー…なんか珍しく素直じゃん?もう一回抱きたくなる、次はちゃんと焦らないで丁寧に」

急に真剣な顔してそんなこと言うので、俺は、ふふ、とちょっと笑ってしまった。

「…なんで笑うの」
「いや、ごめん…なんか、零央も余裕ないんだなって思ったら、おかしくて。結構余裕ありそうだったのに」
「…ないし、余裕なんて。かっこつけるので精一杯」
「はは、かっこなんてつけなくても、もとからかっこいいだろ零央は」

俺が笑ってそう言うと、零央はふいにぐいっと俺の足を持ち上げた。

「…今のはそっちが煽った。もう、ベッドから起こしてやらない」
「は…!?ちょ、ま………離せこの猛獣が…!」
「どーせ最後にはよがっちゃうくせに?」


っ……こいつ、あとで絶対ぶん殴る…………!!





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コメント

  • あんこ、

    (ㅅ˘ㅂ˘)ナムナム 今日もいい一日になりそうです…

    6
  • のなめ

    否定しないんだね??(・∀・)ニヤニヤ

    6
  • きつね

    2人は相思相愛ダネ!
    次回も楽しみにしてますo(`ω´ )o

    6
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