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桜の花道

クロム ジェル

到着+side雪花

   中学校の横を通り北上していき、富山城の信号で止まった時だった。
「ねぇ、和葉、やっぱり大人っぽくなった?」
「え?どこがけ??」
「だって、お城とか見えたときとかなんていうか慈愛に満ちてるって言うか、黄昏てるっていうか、そんな感じの顔になってたし…服もアレンジ加えてるし…なんか、前とは違う感じがするもん、でも前より輝いて見えるからなんかいいなぁって思うよ!」
とびっきりの笑顔を見せてくれて少し動揺して鼓動が早くなっていた心臓が平穏を取り戻し安堵した。
それと同時に愛しさが湧いて来る。
かわいいな、そう呟いた声は雪花には届かずに風に流されていった。


  城址公園でお買い物をどこでするか話し合い行動に移す。 
ショッピングモールに行きバッグや洋服を買ってからご飯を食べてアニメイトへ行こうという話になったため、【マリエとやま】へ向かった。


「和葉、マリエに着いたら私の洋服も選んで欲しいな!」
「かわいいの選んであげっちゃ!!」
食い気味に答えてしまった。
雪ちゃんを着せ替えることが出来る楽しみができたからだ。
「カッコいい感じのが良いんだけど…」
「色々試着して決めたら良いちゃぁ。」
「まぁ、そうだね!!」
マリエに着きとりあえずバッグを買いに行く。
今の服装的には茶色の肩掛けカバンか少し大きめの灰色のカバンが合う気がする、一番欲しいのポーチだけど、この後服を買う事を考えるとお母さんと来た時にでも買ってもらおう。


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    私は、冬乃 雪花。
ゆきばな、じゃなくてせつかね。
和葉にはゆきちゃんと呼ばれていて、このあだ名は幼稚園の頃の自己紹介で『ゆきのはなとかいてせつかと言います』と言った時に和葉がどう聞き間違えたのか【ゆきか】と覚えちゃってそこから雪ちゃんと言われるようになってずっと続いていた。
 和葉の富山弁は軽い感じでわかりやすく、顔も綺麗だから話していると凄く可愛い。
 最初は漠然とかわいいなぁって思っていて、話していると楽しく、今では大親友と言っていいほど仲が良くなった。


 今日はどこかに出かけたくて雪ちゃんを買い物に誘ったけれど、何を買うか決めてなかった。
しかし、和葉は洋服が買いたいらしく私も親戚のおばちゃんにお小遣いとして一万円貰い何かを買いたいなと思っていたから、ショッピングモールに行くことになった。


和葉はファッションにあまり興味がなく活発な娘だった。
だったとは、今は違うという事で、昨日プールの帰りから今日のラジオ体操後に何かあったのかな? 
ラジオ体操の前でも不思議な感じがしたけど、幼稚園の時からたまに大人の顔と言うか黄昏てる時がたまにあったから気にしてないけど、今日のはいつもと違う感じがした。
ちなみに和葉は男の子たちから黄昏姫と呼ばれていたりするけど、本人はまだ知らないことで、気づいていない。
そして、私は百合姫と呼ばれていた。
男の子の中で大人の漫画とかアニメとか見てる子が和葉と居る私を見てそう付けたらしい…恥ずかしい…


あ、そうそう、ショッピングモールについたら和葉は脇目も振らずにバッグが売って居る店に歩いていった。
まるで目的のお菓子を買いに来た子供のように一直線だった。
バッグを見て居る和葉は色々なバッグをみてうーんと唸って居る。懐かしいな、元気な和葉を見れるのは嬉しいけれど、元の和葉はどうしてるのかな…


「懐かしいなってどう言うこと?」
口に出ていたのは気づかなかった。
なんとかごまかせるよね。
「なんでもないよ!ただ、お母さんもそんな感じで唸っていた時があって懐かしいなって思っただけだよ!」
「そうなん?まぁ、いっかぁ〜」
和葉に私の今の年齢が21歳と言うことは言っていない。
和葉のあんな姿を見たくないから小さい時からやり直して和葉の運命を変える事を願って今この姿でいる。
なるべく違和感がないように和葉を守りながら生きていく、元の和葉には会えないけど、未来の和葉が元気で過ごせるように…



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