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桜の花道

クロム ジェル

プロローグ



  桜が舞い人が出会う季節に私は、部屋の窓から空を見上げて居いた。
冬が私のことを離さないかのように閉じられた部屋から出ることができず、まだ冬眠の期間だよと囁きながら私の身体を蝕んでいく。
ここから出たいのに出られない。
昔の私からは想像できないだろう。
元気だったあの頃、黒百合といわれるようになる前の私。
  あの頃はまだ髪も短くボブカットで庭や遊歩道、公園などを走り回って、怪我やアザを作っても直ぐに治って、また作る。
そんな日々は楽しかった。
両親も親戚も友達も私と話すときは明るく語りかけてくれた。
 昔行った岩瀬浜から見る景色、小学校の窓から見えた立山連峰、冬には宇奈月の花火を足湯に浸かりながら眺めていた。
全てが綺麗で輝いていた。
懐かしむことしか今は出来ず、私の空は雲がかかる。


  気がつくと私は眠っていたのだろう。
懐かしい光景が目の前にある。
ある夏の日の夕暮れ、友達と小学校のプールに行った後、アイスが食べたくなって家から遠くなるがコンビニへ行ってホームランバーを買って公園で食べた。
どうせなら食べる前の場面が良かったなと思いながらアイスの棒を握りしめ帰路につく、ゴミ捨て場が無いため家に持ち帰らなければいけない。
そういや、あのとき持ち帰るのがめんどくさくて用水路に捨てたっけそんなことを考えて居るうちに家に着いた。
「ただいまぁ」
玄関を開け中に入ると犬が迎えてくれる。
ルルまだ生きてるんだよね。高校1年の秋に死んでしまって今でも忘れられない愛犬がそこに居た。
元気な姿が嬉しくて抱きしめる。
いつのまにか涙がでてきて泣き疲れて意識が途切れる。
「あんた、こんなとこで寝て風邪ひくちゃ、起きられま」
母さんの声が聞こえ目を覚ますとルルに抱きつきながら寝て居たのか、ルルも横で寝て居た。
母さんまだ若いなぁと思いながらはーいと返事をして居間に入るとあの頃のままの配置で懐かしく、夕食までテレビを観ながら過ごし、夕食の後は夏休みの宿題をする為に私の部屋に戻る。
宿題をある程度して明日の予定はあったか確認してから布団に入ってルルと一緒に眠った。



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