観測者と失われた記憶たち(メモリーズ)
お泊まり2
「あれ、アリスさんは脱がないのですか?」
「え? いや、今から脱ぐとこよ」
そんな久遠を見ていたら気づかれてしまった。人が脱ぐとこを見ているなんて失礼よね。
それでも久遠は笑みを崩すことなく気にしていないようだった。私もずっと服を着ているわけにはいかないのでボタンに指をかける。
するとボタンをすべて外し終わった久遠が制服を脱ぎ下着が露わになった。当然胸の形も分かる。
デカッ! え、久遠て着やせするタイプ?
久遠が身に付けている下着は純白のブラだった。パットの周りには小さなレースが付いており、ピンク色の水玉模様が可愛らしい。
存在感を主張しつつも形のいいバストはC? いや、もしかしたらDはあるかもしれない。柔らかそうな胸がブラにみっちりと収まっていた。
なにそれ。自信満々に脱いで嫌がらせ? 私に対する当てつけなの?
世の中不公平。私にだってそのくらいちょうだいよ。今なら嫉妬で人が殺せそうだわ。
そんな醜い思いを胸にしまいつつ《胸に嫉妬する思いを胸にしまう、というのが言い得て妙というか満足》、私たちは体を洗ってから湯船に入った。
横に並び体育座りで入る窮屈なお風呂だがそこは気にしない。
「いい湯ですわね」
「ええ」
私と久遠は髪を串で持ち上げ肩まで浸かった。暖かいお湯に体を浸し、久遠とはどうしても体が密着してしまう。私は前を何気なく見つめていたが、ふと久遠の視線に気が付いた。
「ちょっと久遠、そんなにジロジロ見ないでよぉ」
「だって、アリスさんったらとてもきれいな肌をしているのでつい」
久遠は悪戯っぽい笑みを浮かべているが私の目はつり上がる。いや、あなたの方がよっぽどきれいな肌してるじゃない。
と、今度はなにを思ったか、久遠はいきなり抱きついてきたのだ。
「久遠!?」
「いいではありませんか~、せっかくなのですし。あ、アリスさんの肌すべすべで気持ちいいですわ~」
「ちょっと止めてよ、久遠。触らないで。アンっ。ちょっと、今変なところ触ったでしょ! そんなところ触らないでよ。アっ。もう、止めてってば~!」
狭い浴室で必死に暴れ強引に触ってくる久遠を引き剥がす。それから私もお返しに久遠の体をくすぐってやった。
他にはお湯を掛けたり掛けられたり。久遠がこんな調子なので私まではしゃいでしまった。
「もう、久遠ったら悪のりし過ぎよ」
「ごめんなさい、つい調子に乗ってしまって」
お風呂から出た後は私が用意した寝間着に二人とも着替え、私は勉強机で髪を乾かし、久遠はベッドに座り髪をタオルで拭いていた。
鏡で背後を見てみると、久遠は反省しつつも表情をゆるませている。白いズボンのパジャマに身を包み、クリーム色の髪からはまだ湯気が上がっていた。
「まったく仕方がないんだから。はしゃぐにしても気をつけてよね」
私は久遠に自制を求めるが、まあ、浮かれて遊んでしまったのは私も同じなので偉そうには言えないか。
「そういえばアリスさん」
「なに?」
私は背後の質問にてきとうに答えながらドライヤーを髪に当てていく。
「今朝の白い男性の方、ホワイトさん。あの方とはどのようなご関係なのですか?」
「え!?」
私はがばっと後ろを振り向く。ホワイトのこと? もしかして説明するとき、ホワイトのこと話してなかったっけ?
「あれはー」
「もしかして、彼氏さんですとか?」
「ええ!?」
彼氏? あの無愛想な男が?
「え? いや、今から脱ぐとこよ」
そんな久遠を見ていたら気づかれてしまった。人が脱ぐとこを見ているなんて失礼よね。
それでも久遠は笑みを崩すことなく気にしていないようだった。私もずっと服を着ているわけにはいかないのでボタンに指をかける。
するとボタンをすべて外し終わった久遠が制服を脱ぎ下着が露わになった。当然胸の形も分かる。
デカッ! え、久遠て着やせするタイプ?
久遠が身に付けている下着は純白のブラだった。パットの周りには小さなレースが付いており、ピンク色の水玉模様が可愛らしい。
存在感を主張しつつも形のいいバストはC? いや、もしかしたらDはあるかもしれない。柔らかそうな胸がブラにみっちりと収まっていた。
なにそれ。自信満々に脱いで嫌がらせ? 私に対する当てつけなの?
世の中不公平。私にだってそのくらいちょうだいよ。今なら嫉妬で人が殺せそうだわ。
そんな醜い思いを胸にしまいつつ《胸に嫉妬する思いを胸にしまう、というのが言い得て妙というか満足》、私たちは体を洗ってから湯船に入った。
横に並び体育座りで入る窮屈なお風呂だがそこは気にしない。
「いい湯ですわね」
「ええ」
私と久遠は髪を串で持ち上げ肩まで浸かった。暖かいお湯に体を浸し、久遠とはどうしても体が密着してしまう。私は前を何気なく見つめていたが、ふと久遠の視線に気が付いた。
「ちょっと久遠、そんなにジロジロ見ないでよぉ」
「だって、アリスさんったらとてもきれいな肌をしているのでつい」
久遠は悪戯っぽい笑みを浮かべているが私の目はつり上がる。いや、あなたの方がよっぽどきれいな肌してるじゃない。
と、今度はなにを思ったか、久遠はいきなり抱きついてきたのだ。
「久遠!?」
「いいではありませんか~、せっかくなのですし。あ、アリスさんの肌すべすべで気持ちいいですわ~」
「ちょっと止めてよ、久遠。触らないで。アンっ。ちょっと、今変なところ触ったでしょ! そんなところ触らないでよ。アっ。もう、止めてってば~!」
狭い浴室で必死に暴れ強引に触ってくる久遠を引き剥がす。それから私もお返しに久遠の体をくすぐってやった。
他にはお湯を掛けたり掛けられたり。久遠がこんな調子なので私まではしゃいでしまった。
「もう、久遠ったら悪のりし過ぎよ」
「ごめんなさい、つい調子に乗ってしまって」
お風呂から出た後は私が用意した寝間着に二人とも着替え、私は勉強机で髪を乾かし、久遠はベッドに座り髪をタオルで拭いていた。
鏡で背後を見てみると、久遠は反省しつつも表情をゆるませている。白いズボンのパジャマに身を包み、クリーム色の髪からはまだ湯気が上がっていた。
「まったく仕方がないんだから。はしゃぐにしても気をつけてよね」
私は久遠に自制を求めるが、まあ、浮かれて遊んでしまったのは私も同じなので偉そうには言えないか。
「そういえばアリスさん」
「なに?」
私は背後の質問にてきとうに答えながらドライヤーを髪に当てていく。
「今朝の白い男性の方、ホワイトさん。あの方とはどのようなご関係なのですか?」
「え!?」
私はがばっと後ろを振り向く。ホワイトのこと? もしかして説明するとき、ホワイトのこと話してなかったっけ?
「あれはー」
「もしかして、彼氏さんですとか?」
「ええ!?」
彼氏? あの無愛想な男が?
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