ガチホモの俺がお嬢様学園に入学させられてしまった件について 

湊湊

43.「真・学園脱出計画の全貌」



「二宮さんが既にこの学園にいない?馬鹿も休み休み言いなさい。……何を言い出すかと思えば……まさか、あなたはショックのあまりに妄想でも始めているのでは?」


「いいや。俺は完全に素面だよ。妄想なんかじゃねえ。二宮は学園を脱出している筈。……まあ、俺自身もその成否については知らないから、どうなっているかは分からねえけど。だけど、これだけ時間を稼いだんだ。だから必ずや『あれ』が成功さえしていれば……二宮は既に学園近辺には居ない筈だ。そんな策略に気付くことも出来ずに俺と呑気にお喋りをして時間を浪費していくあんたは……やっぱり滑稽だよ」


「……だから意味がわかりませんね。この期に及んで根拠にも乏しい妄言を吐くとは……」


「いいや雅。櫻井は嘘を付いてねえぞ。二宮は……きっと作戦を成功させているはずだ。あいつは、この俺が認めた最高の女だからな。絶対に成し遂げているって俺は信じているぜ!」


「あなたまでそのような妄言を吐くとは。三枝さんの見事な変装によって私は見事一本取られてしまったことは確かです。ですが……それは二宮さんが学園を脱出出来たこととは何も繋がりませんよ?」


「確かにあんたの言う通りだ。三枝が幾ら変装をしようが、二宮が変装をしていようが、二宮本人が外に出ることが出来なければ、何にも本質的な解決はしないな。そして結局校門からは俺たちは誰一人として逃げ切ることが出来てはいないのは事実だ」


「それなら……っ!」


「だけどな……それだけで終わる程今回の作戦がヌルいと思うなよ?」


 俺がちらりと背後にある時計塔の時刻を見ると既に時刻は午前一時を回っていた。作戦決行から既に三十分以上が経過している。
 そして、こうして天上ヶ原雅に対する解説をしていることで、こいつの行動を制限している。これはかなり大きな利益となっている筈だ。


「だから何だと言うのです!貴方もおっしゃる通りに黒服たちは、この学園の生徒を誰一人として逃していません。故に絶対に二宮さんは逃げることが出来ていない。それが真実でしょうっ!」


「それはどうかな?」


 俺はニヤリと笑い天上ヶ原雅に言葉を突きつける。最高に爽快だった。まさか、俺の人生でここまで彼女を動揺させることが出来るなど到底考えていなかったからだ。


 俺は最高の愉悦を帯びながらも、彼女に勝利の言葉を突きつけることにしたのだ。


「天上ヶ原。二宮はな……校門から脱出したんじゃないんだよ」


「は?ば、馬鹿も休み休み言いなさいと言っているでしょう?この学園は校門を除き四方には十五メートルを超える大壁に囲まれているのです。校門を抜けなければ学園外に出ることなど不可能に近しいことはあなたも存じあげているでしょう?」


「そうだな……少なくとも俺はあの方法で学園から抜け出そうだなんて発想には至っても、実現しようとは考えないな」


「あの方法……貴方は何を言って……」


「ここまで言ってまだ分からねえのか?分かんねえな天上ヶ原雅。本当に方法は無いのか?奇想天外であり危険さを伴っている方法さえ使えば事は為せる筈だ」


 それは俺が以前に一人で学園脱出を企てた時ですら、どうにか実行できないか思案していた方法だった。だけど俺はそれをすぐに棄却した。それは危険な行為であり実行は不可能であると瞬時に悟ったからだ。だから実際にはそんな危険を犯すことは無かったのだ。
 俺は未だにその方法について理解出来ていない天上ヶ原雅の為にヒントを与える。俺は右手の人差し指を校門とは真逆に位置する屋上に向けた。具体的には第四校舎の屋上。六階に位置するその場所を示す。そして……天上ヶ原雅は青ざめた表情になり、事の事実に気が付いたのだ。


「ま、まさかあなたは……」


「多分。あんたの予想通りだよ。二宮は―――――


「―――――屋上から学園外に脱出したんだよ」


 そしてようやく俺の意図を理解した天上ヶ原雅は青ざめた表情で動揺を隠すこともしないで叫び散らす。


「なっ!そ、そんな……それがどれだけ危険かは分からないあなたでは無いでしょう!?」


「ああ。別に高所恐怖症でもない俺ですら足が竦んで震えてしまうような危険極まりない行為だ。それでも二宮は……実行することを決意したんだ!分かるか天上ヶ原雅っ!」


 二宮はどこまでもひたむきだった。自分の身すら顧みずに目的の為にどこまでも努力を重ねる。そして誰よりも責任感に厚い少女なのだ。入学式当日の自己紹介。人を忌避し、誰とも関わりを持たないという矜持を持ちながらも、クラス内での最低限の役割を果たそうとするその姿勢がそれを示唆していただろう。
 今回の『屋上作戦』でも彼女はその努力家としての姿勢を改めることは無かった。


「私も……私もただ黙って協力して貰うだけじゃ嫌よ……」


 と。当初は『屋上作戦』を本当に実行していいのかを俺は二宮説得後にですら迷っていた。しかし、俺は彼女のそんな苛烈な意志を汲みとり、厭う気持ちを完全に取り除いた。正直、俺はこんな作戦を実行させることが嫌で嫌で仕方なかった。どうして彼女がそのようなことをしなければならないのかと。彼女が心配で心配でたまらなかった。不憫で不憫で仕方なかった。
 だけどそれでも……俺は彼女の意志を尊重したのだ。どこまでもひたむきで……愚直な彼女のその意志を。だから今の俺には後悔の念など存在しない。寧ろ彼女を誇らしく高潔な人間であるとすら感じている。


「あなたは……馬鹿なことを……足を滑らせたら死んでしまうんですよ?これは現実の話なんですよっ!?」


「それでもだよ……いいか、天上ヶ原雅。これが二宮冬香の覚悟だよ。お前みたいにただ人の気持ちを弄ぶ
ことにしか能がない人間じゃ分からねえだろうな。お前が踏みにじろうとして『二宮の意志』はそれだけ強靭だってことだよっ!!!」


「……っ!黙りなさいっ!」


「……くっ!……へえ、いい顔をしているじゃねえか、天上ヶ原雅」


 天上ヶ原雅は俺の頬を思いきり引っぱたいた。頬には熱さがこみ上げる。彼女はようやく普段の薄気味悪い笑顔の成りを潜めていた。そうだ。これでいい。
 本当にいい顔になった。恐らく彼女が憤怒の念を覚えているのは事実なのだろう。何故なら、二宮が失敗をしてしまえば本当に命の危険に関わる可能性があるからだ。


 今回の作戦内容はこうだ。まず、この学園の第四校舎の屋上は六階の位置にあるおかげで、それなりに高空にあることが前提条件となっている。そして、第四校舎の屋上の北側からは街並みを俯瞰することが可能だ。また東側からも近隣地区の様子を眺望することが出来る。一方で西側は第三校舎が邪魔をしており外観を眺めることが困難であり、南側からは校門全体は見渡せるが景色を見渡すのは困難であるというのが実情である。
 これらの状態から北側と東側からは屋上を利用し、学園全体を覆っている十五メートルの大壁を乗り越えることが出来れば学園の外に脱出することが理論上は可能である。
 しかし、幾ら外界の風景を鳥瞰することが可能とはいえ、物理的には屋上と大壁には距離が生じてしまっているためその実現は困難を極める。
 俺は作戦立案時に屋上からどうにか助走を付けたりすることによって、北側から屋上を経由して市営住宅のあるエリアまで届かないだろうかと考えたが、それは不可能に近いことだった。同行してくれた立花さんの話によれば、屋上の北端から大壁までの直線距離が約8メートルあるようだ。流石にこれだけの距離をジャンプするのは不可能。立花さんと言えど、無理なものは無理だった。屋上の高さは高度二十メートルを超えていると言うこともあり、そんな高さから落ちたら流石に無事では済まないだろう。四階程度の高さから落ちても死ぬときは死ぬのだ。六階など最早危険極まりないだろう。
 だから以前は俺もこの方法は棄却したのだ。この方法では机上の空論だと。しかし、俺が一人で脱出しようとしていた時とはまるで状況が異なっていた。何故なら超万能の立花さんが味方にいるのだから。
 俺は立花さんの人間離れした能力を考慮した上で新たな作戦方法を思案した。すると、意外と見えていなかったことに気が付いたのだ。
 六階に位置する屋上よりも少し位置は低くなってしまうが、屋上と大壁の間には大樹が2本そびえ立っていた。樹木何百年とも呼べる程立派な大樹だ。これを上手く経由することが出来れば、大壁を乗り越えて市街地のエリアまで辿り着けるのではないかと俺は考えたのだ。そして、早速俺は立花さんにお願いをすることにしたのだ。
 この学園にはクライミングの部活動が存在していた。俺はクライミングにおける知識など皆無であるが、どうやら話によればクライミングにはボルダリングとリードという二種類に分かれているようだ。そして、リードの場合であれば、落下の危険性を防ぐために、クライミング用のロープを用いるらしい。
 今回俺は早乙女の友人であるクライミング部の生徒から秘密裏にロープを借りることにした。この道具に関しては、私用で借りているものなので足が付かないことから天上ヶ原雅にも気づかれにくいという点でお得だった。
 そして、クライミング部の生徒からロープを二本借りた後に立花さんにやって貰ったことは、大樹と屋上を結びつけることだった。多分俺じゃあ不可能だった作業だ。屋上から一本目までの大樹までの距離は四メートル。走り幅跳びの要領で行けば届かない距離じゃない。俺だって平常時であれば、四メートル程度なら余裕だ。
 だけど……もしも、足を滑らせるようなことになれば屋上六階から墜落することになる。そうなれば全てが終わってしまう。間違いようもない落下は死へと誘うだろう。
 だから情けない話ではあるが、俺は立花さんを頼ったのだ。情けなくても……無様でも俺はそれでも作戦を成功させるためであるならば、些末なことに過ぎない。そして、立花さんは俺の願いを易々とかなえるようにして四メートルの跳躍を果たした。
 大樹はそれなりに頑強であるようで、足場となる部分を何度も踏みしめたが、落下する危険性は無さそうだった。立花さんは巧みに足場のチェックを繰り返したが問題は無さそうだ。恐らく二宮とさほど体重の変わらない立花さんで問題が無いのだから、足場が悪く落下する危険性は少なそうだった。
 確認を終えた立花さんは頑強な大樹にクライミングロープを括りつける。そして、そのロープを真っすぐに伸ばした状態で俺の立っていた屋上の方向に投げた。俺はロープが落下していかないように注意を払いながら屋上にロープを括りつけた。
 次に立花さんは一本目の大樹から二本目の大樹にまで飛び移った。今度は俺が肝を冷やしながら、屋上と一本目の大樹に繋がれているロープで雲梯の要領で一本目の大樹へと辿り着いた。
そして、二本目の大樹にいる立花さんをサポートしながら、同様の手法でロープを括りつけた。最終的に、屋上から一本目の大樹へ。一本目の大樹から二本目の大樹へ。ほぼ助走無しの状態で二本目の大樹へと飛び移れた立花さんはやはり人間離れしているという感想が適切だろう。
 ともかくとして、立花さんのおかげで、活路は開かれた。後は……二宮が屋上から、雲梯の要領で一本目の大樹へ。そして再度、雲梯の要領で二本目の大樹へ。二本目の大樹は大壁と一メートルと間隔が無い場所に位置しているためにゆっくりと足を滑らせないように足場を中心として降りていけば任務完了だ。それさえ出来れば二宮は無事に市外住宅エリアまで脱出することが出来るのだ。
 事前に二宮には雲梯の要領でそんな事が出来るのかとクライミング部の協力を得た上で、実験をしてみた。すると――――――二宮は想像以上のポテンシャルを発揮していた。勿論、立花さんや柊先輩のような超人のような素質を持っている訳ではない。 
 しかし、圧倒的な集中力と巧みな運動神経を駆使することで、何ら雲梯の要領に関して問題は無さそうだった。
 かくして俺は二宮にこのやり方で脱出させるかは迷ったが、これを認めることにしたのだった。
ちなみに補足をしておくと俺はセッティング後にとある致命的な弱点があるのではないかと思ってしまったのだ。その時俺はすかさずに立花さんに問題点となり得ることを尋ねた。


「あの……立花さんっ!二宮が大壁を乗り越えることは可能でしょうが……問題はその後なんじゃないでしょうか?」


「なるほど……そう言えば説明不足でしたね。実は―――――」


 俺が疑問に思ったのは大壁にまで辿り着いた後のことだった。仮に約八メートルの距離を越えて大壁に辿り着いたとしても―――――その後はどうすればよいのかと言うことだ。高さは十五メートル。その高さから一体どうすればよいと言うのか。当たり前の話ではあるが俺たちに翼はない。要するに二宮は大壁から地上へと降りる手段がないのではないかと俺は不安に苛まれていたのだ。
 しかし、そこを見逃す程の立花さんでは無かったようだ。俺の心配は杞憂で終わることとなった。どうやら話によると外側の『大壁』には足場が設置されているという話だった。
なんでも校門の不調などによって学園内から本当の意味で出れなくなった時に外部から内部へと侵入し緊急援助が出来るようにするために安全な足場が事前に設置されているようだ。
要するに外側には足場があり、そこからゆっくりと降りていけば地上に降りることが可能となり今回の作戦で支障をきたすことはないようである。
 これが『屋上作戦』の全容である。


「さーて、天上ヶ原雅。長いながーい、お話になってしまったが、これで終焉だ。今回ばかりは―――――あんたの負けだよ」


「わ、私の負け?私があなたに負けると?」


「ああ。いつもいつも人を馬鹿にして見下したような態度を取っているあんたに付けが回って来たのさ。これからは少しは反省してみろ。凡夫の意地を舐めるなってことだよ」


「……」


「それじゃあ……ネタバレをしたんだからそろそろ俺は二宮が心配だから行かせて貰うぜ」


「……何を言い出すかと思えばっ!い、行かせる筈がないでしょうがっ!お前達っ!」


「はっ!」


 黒服の男達が俺たちを囲み牽制をする。……だが、そんなものはすぐに打ち破ってやるよ。


「なあ天上ヶ原雅。俺を止めるには―――――些か人が足りないじゃないのか?」


「なっ!」


「おいおい、どうした?先ほどまで余裕ぶっこいていたじゃないか?」


「そ、そんな……幾ら立花がいたとは言え……これだけの人数差を一体どうやって……はっ!立花っ!あなたはっ!?というかそれはっ!?」


 俺とのお喋りに夢中になっている間に、立花さんと戦っていた黒服たちは……全て地面に伏せることになっていた。完全に意識を失い誰一人としてピクリとも動かない。


「なあ天上ヶ原雅。実際お前は『あいつ』の姿が見えないところには気が回っていなかったんだな。それも敗因の一つだよ。お前は誰かもう一人、存在を忘れているんじゃないか?」


 立花さんは本当の本当の最終兵器である『ガスマスク』をスカートの裾から取り出し被っていた。これは禁じ手であり倫理的にも用いりたくはなかったが、この絶対絶命の場面によって遂に『彼女』が用いることを選択したのだろう。そう―――――


「……っ!高野愛莉さん。高野愛莉さんはどうしたのですかっ!?」


 生徒会のメンバーで唯一今まで全く姿を現していなかった彼女だ。勿論役割分担をしなかったのではない。
 彼女には唯一として立花さんが所持していた高度な『睡眠ガス』の発動を頼んでいたのだ。立花さんが持っていた睡眠ガス。それは効力が強く判型20メートル近くにも影響し得る超大幅な化学兵器だった。
 これを用いるためには一つの絶対的な条件が必要だった。それは学園を脱出しようとしていた俺と二宮(三枝)が半径二十メートルにいないことだ。近くに俺たちがいて巻き込まれたら溜まったものではないからな。ガスマスクは一つしかなく、それもまた、やりにくさを増長させていた。
 しかし現在は天上ヶ原雅が俺たちを校門から校舎の元へまで連行したことで明らかに距離が出来た。更に黒服の何十人もが立花さんと戦っていた。つまり、『味方陣営に被害を与えずに』睡眠ガスを噴射するには絶妙なタイミングであるということだ。
 そうしたことから、愛莉は『睡眠ガス』を発動させ、黒服たちは睡眠ガスを浴び動揺している間に一気に殲滅をしたのだった。


「雅様……我らのSP達は些か訓練が足りていないのでは?この機にもっと増強することを提案致します」


 立花さんは軽く汗をぬぐっただけで、まるで疲労の様子は無さそうだった。……本当に立花さんが味方で良かった。あの人を敵に回したら絶対に勝利を収めることは不可能であっただろう。
 ともかく、既に状況は一変していた。黒服たちは倒れている。


「立花っ!貴様っ!」


「待ちなさいっ!たった七人ではっ!」


 立花さんは軽やかに俺たちのいる校舎付近まで駆け抜けた。俺たちを見張っていた七人の黒服たちは最後の意地なのか一斉に襲い掛かるが――――


「ぐぉおおおおおおおっ!」 


 絶叫を上げてそのまま意識を落とし―――――即座に全員が倒れこんでいた。


「さて……どうする天上ヶ原雅。あんた一人で……俺を止めてでも見るか?」


「くっ!……江藤先生。何をしているのですかっ!江藤先生?早く彼女たちを……なっ!」


「江藤先生ならすっかりとお休みになっているぜ?江藤先生を過信し過ぎたな」


「……っ!」


「どうした天上ヶ原雅。終わりか……」


「……」


 彼女は無言の状態で下を向き、ゆっくりと地面に膝を付けた。……こりゃ、流石にやり過ぎたか?あとでどんな報復をされるかと肝を冷やすが、そんなことは全てが終わってからゆっくりと考えればいいだけの話だ。俺が今なすべきことはたった一つだけだ。


「生徒会の皆っ!一年A組の皆っ!ここまでの長きに渡る戦い本当にありがとう。皆がいなければ絶対に勝利することは出来なかった。だから感謝を……。そして俺は―――――二宮の護衛という最後の役目を果たしに行ってくるっ!」


「櫻井っ!頑張ってかっこいいところ見せてきなよ?」


「櫻井君。君ならやれると僕は信じているよ」


「櫻井君。二宮さんを頼みましたわよ!?」


「櫻井芳樹っ!」


「来栖様の為に絶対に成功させるんだぞっ!」


「櫻井!この場は私たちに任せておけ。吉報を待っている」


「櫻井っ!俺たちの二宮を頼んだぞっ!」


「櫻井っちっ!愛莉は櫻井っちのことを信じているからね」




「櫻井君。あなたなら必ず出来る筈です。二宮さんを助けてあげてください」


「お嬢様のことはこの私にお任せを。最後の仕上げ……頑張ってくださいね櫻井君」


 皆―――――俺に言葉を投げかけてくれた。それだけで―――――その優し思いを受け取るだけで俺は何でも出来そうな気がした。


「それじゃあな。天上ヶ原雅。この戦い……俺たちの勝ちだっ!」


「……」


 俺はそうして悠然と学園の校門から二宮を求めて歩き出し始めたのだ。



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