ガチホモの俺がお嬢様学園に入学させられてしまった件について 

湊湊

36「生徒会役員との対峙」(前編)



「おおっ!櫻井っち、お疲れー。もしかして愛莉ちゃんに告白でもするつもり……?っていうか体感的には、凄く久しぶりの登場って感じするんだよね?何だか作者の怠慢によって数か月間くらい存在を放置さ
れていたような気がするんだけど気のせいかな?」


「告白ってちゃうわっ!つーか、だったらお前だけ呼ぶし、そもそも俺は男が好きだし、ついでに言うとメタ的なネタをぶっ込むのはご遠慮頂けませんかね!?……ってツッコミどころ多すぎっ!」


「にしし……愛莉ちゃんは櫻井っちが大好きなんだけどなー。全くつれないねー」


「はいはい。ありがとよ。俺も愛しているよ。だがな。今日の俺はいつになく真剣なんだよ。だから真面目に頼むなー」


「櫻井っちが真面目とか……似合わないねー、ぷぷぷ!」


「何をわろてんねんっ!俺が真面目でも別にいいだろ!」


 愛莉はほくそ笑むのを辞めなかったが、内心では愛莉の軽口に多大な感謝をしていた。愛莉のこのふざけた言動のお陰で緊張がほぐれるのは事実だからだ。この生徒会のメンバーとの対話もまた、作品の成否に大きく関わり得るからな。絶対に失敗出来ないと言う重圧を俺は感じていたのだ。


「しかし、櫻井。わざわざ生徒会の役員全員に対して召集を掛けるなど平和的では無いな。一体どうしたのだ?」


「いやー、少し重要な用件で……皆さん集まったらきちんとご説明しますから」


 俺は適当に愛層笑いを浮かべてその場をごまかした。柊先輩の疑問は当然だった。日中の内に生徒会の方々にどうしても相談したいことがあるという旨を伝えて、放課後に無理やり俺の自室に集合して貰うことにしていたのだ。
 本来であれば生徒会の部外者である俺が召集を掛ける権利など存在しないし、更に言えば唯一の一年生である俺が偉そうなことを言える筈も無い。
 しかし、流石は優秀な生徒会役員の方々というだけあるのだろう。俺の無遠慮な召集に応じ相談に乗ってくれる確約をしていたのだ。……ほんといい人たちだな。
「しっかし櫻井っちもやるよねー。こうして女子を四人も自室に招くなんてさー。ハーレム気分?」


「おい。誤解を招くような言い方は辞めろっ!別に変なことはしねえし、ハーレムだと思ってねえよ」


「ん?愛莉ちゃん別に何も言っていないけど?ところで変なことってどんなこと?」


 何ニヤケ面してんだ。ぶん殴るぞこいつ。ちょっといい人とか思って損した気分だぞおい。


「そういえば櫻井。以前の愛莉も含めた三人での『アレ』は非常に快感だったな。会長や美春が訪れるまでは励むか?」


「励むわけないでしょうっ!あんたまで何を言っているんですかっ!今日は真剣な話だと言っているでしょうがッ!」


「櫻井が真面目か!似合わんな……ふふふ……」


「どんだけ俺が真面目だとおかしいんだよ!っつーか、今日そのノリで行くの?俺途中で力尽きるぞマジでっ!」


「え?あの日と同じみたいに力尽きるの?愛莉ちゃんちょっと興味あるなー」


「ったく……早く東雲さんと小鳥遊さんも来てくれないかな?」


 その後もしばらく愛莉の下らない冗談に付き合い、柊先輩とも会話を繋げながら残りの二人を待った。やがて二十分程度経過した頃だろうか。遂に―――――


「遅くなりましたーっ!」


「悪りいな櫻井。待たせちまったか?」


「いえ……とんでもない。全然待っていませんよ」


 この程度の待ち時間であれば全く問題はないだろう。『彼女』との約束の時間にもまだ少しばかりの余裕があるしな。


 しかし安堵するのも束の間……ようやくここからがスタートなのだ。生徒会役員の協力を仰ぐのも決して簡単ではなさそうだからな。もしも簡単に説得される人がいたら相当な馬鹿かお人よしのどっちかだ。ちなみに俺はその両方が混在してくれねえかなと心の底から期待をしている。さて……それじゃあ話を始めるか。


「……まずは、俺のために時間を作ってくれてありがとうございますっ!」


 俺は4人に対して感謝の念を示すために立ち上がり丁寧に頭を下げた。しばらく頭を下げた後は俺も4人と同じように部屋の中で座り込み四人と視線を合わせながら話を始めた。


「それで……櫻井。俺たち全員を集めて話をしたいというのはどういう意図があんだ?お前の表情を見るに……穏やかじゃねえな。おおかた、この学園内を揺るがすようなやべえことを考えているんだろう?」


「……流石にそれだけの規模になるかは知らないですけれど……確かに穏やかなことを提案するわけではありません」


「……ふん。面白そうじゃねえか。……とりあえず話をしてみろ」


「はいっ!」


 そうして俺は今回の計画についての全貌を四人の前で洗いざらいぶちまけた。基本的に嘘や誇張は一つも入れることは無かった。まあ、多少は俺の理事長に対するヘイトもあったりしたが。それでも二宮を外に連れ出すという目的は完璧に理解して貰えただろう。


「……というわけです」


「なるほど……雅の奴がふざけたことをしてくれたおかげで、二宮という生徒は傷心してしまったというわけか」


「その通りです。そして俺はそんな二宮の為に何としても彼女を外に連れ出して……会いたい人に会わせてやりたいとそう考えています」


「ふむ……お前の気持ちとやりたいことは良く分かった。……ところで櫻井、お前は分かっているのか?俺たちの立場って奴がよ」


「立場ですか……分かっていると言いたいところですが……多分俺は完全には理解出来ていません。ですから教えてくださると幸いです」


 俺は東雲先輩の迫力に負けじと対抗するように睨み合った。恐らく早乙女と三枝との事前のやりとりが無ければ、場の雰囲気に呑まれ為す術も無かったかもしれない。
 東雲先輩は迫力を前面に押し出しながら俺に言葉を述べる。


「俺たちは天上ヶ原雅によって生徒会という役職に就いた立場の人間だ。外の高等教育機関がどんなのかは知らねえが、少なくともこの学園では生徒会役員という役職は重大であり絶大な権力を有するそんな地位だ。そして俺たち四人は、程度の差はあれど理事長から学園生活での重大な援助を受けることで誉れ高きこの役職に就いている。そんな俺たちが理事長を裏切ってしまうようなことになれば……役職と援助の両方を失ってしまうことになり得るが……。そのリスクをお前は認識をしているのか?」


「役職を失いかねないリスクに関しては理解しています。ですが援助の方は全く知りません。具体的にはどんな援助を受けているんですか?」


「例えば俺なら高級万年筆だ。最高の文字を刻めるぜ?」


「私は可愛い人形だ。一年で十体ずつ頂いている」


「愛莉ちゃんは、各半期ごとに漫画を二百冊だよ」


「わ、私は保健体育の参考資料を少々……」


「意外とあんたら下らない物理事長から報酬として頂いているんだなっ!ってかそれのどこが重大な援助なんだよ!全く必要ねえだろっ!」


 ってか小鳥遊先輩保健の参考資料ってあんた……。何だか、真剣な話をしていた筈なのに力が抜けてしまったじゃねえか。


「ともかくだ……良くも悪くも俺たちは雅に世話になっていることは絶対的な事実だ。そして、そんな雅が俺たちに要求していることは学年内の規律を守らせ、守らない生徒には厳然たる姿勢で懲罰を与えること。それに尽きる。あいつに恩義ある俺たちはお前の行動を看過できないし、協力なんてすることは絶対に出来ない。更に言えば少なからず学園の秩序を保ち規則を遵守させることに私たちは少なからず、意義を感じている。だから協力は不可能。それが答えだ」


「……」


 残りの三人は黙ったまま軽く頷いたから同意見ということで構わないだろう。くそ……このままじゃ説得なんて絶対に不可能だ……とはならない。
 悪いがこうなることは既に予想していた。当たり前だ。全員に断れる可能性があることくらい予想の範疇だし三枝にはぼろくそ言われたんだから、これくらいびびらなくて当然。敗北の経験に伴い俺の心は屈強になっているのだ。


「わかったか櫻井。心情的にはお前の味方だし、二宮という生徒に同情だってしている。だが、俺たちにも生徒会役員というプライドが存在し面子があるんだ。それを大切にしながら俺たちはこうして生徒会を営んでいるんだ。だからお前の提案に乗るわけにはいかない。……ああ。安心しろよ。勿論理事長に対して報告することはしねえよ。だからな櫻井。ここは大人しく身を……」


「嫌です……と言ったら?」


「……っ!」


 俺は東雲会長の言葉を遮るような無礼な働きをしつつ、自分の変わらざる主張を貫いた。流石に空気の変容ぶりには俺も肝を冷やすが……ここで退く訳にはいかない。


「おいおい。櫻井。俺の話を聞いていなかったのか?今なら見逃してやるから二宮冬香との計画を今すぐ中断しろと言っているんだ。それの意味が伝わらない程お前も馬鹿ではないだろう?」


「だから俺もはっきりと明瞭に伝えているでしょう……会長の話を聞いた上で嫌ですと」


「……ほう。なるほど……あくまで俺に逆らうということか。こいつは面白いな……てめえ……覚悟は出来ているんだろうな?」


 友好的な態度など雲散霧消と化し、この場に残されたのは圧倒的な殺意だけだった。東雲先輩は俺に対して怒りを覚え、東雲先輩に心酔している柊先輩も穏やかな表情を崩していた。小鳥遊先輩は怯えた様子を浮かべ、愛莉は苦笑いをしていた。


「ちょっとちょっとちょっと……櫻井君。何を言っているんですかっ!ほら……東雲先輩にちゃんと謝って前言撤回してください!今のは櫻井君が悪いですよっ!?」


「皆さんはこれから俺に説得されるんですから……謝罪などしませんし前言撤回なんかもしませんよ」
 俺は昨日、全力で生徒会のメンバーを説得する為の作戦を考えてきたんだ。……こんなところで退けるかよ。作戦を成功させるために絶対に協力して貰う。
 事実上説得しなければならない相手は三人だけだ。柊先輩は説得などする必要はない。何故なら東雲先輩を説得さえしてしまえば、自ずと柊先輩は指示に従う筈だ。
 何よりの問題なのは東雲先輩だった。愛莉も小鳥遊先輩はお人よしのイメージが強いから説き伏せることも不可能じゃない。だけど、昨日の時点では中々に東雲先輩を説得するビジョンだけは思い浮かぶことが非常に困難だった。
 この人は何だかんだ言いつつも真面目な人だ。よっぽどのことを言わなければ納得などしない筈だ。しかし……背筋が凍りついてしまうような迫力だ。……入学当時の二宮よりよっぽど性質が悪いっての。
 ってか三枝も含めてこの学園の女生徒って迫力あり過ぎじゃね?なに、実は俺は単純に弱くてびびりなだけなの?なんかそんな気がしてきたよ。


「おい……それで櫻井。お前は俺を納得させるためにどんな策を用意してきたんだ?俺を計画に協力させるんだろう?だったらその打開策について語って聞かせろ。もし……その話がつまらなかったりでもしたら……お前を理事長の元に引き連れて『厳罰』を要求しておく」


「厳罰って!……流石に愛莉ちゃんでもそれは駄目だってわかりますよ会長っ!こんなシリアスっぽいノリなんかは誰も期待していないので辞めましょうってっ!」


 愛莉が真剣な表情で俺のフォローをした。俺は『厳罰』とやらがどんな厳しい罰かは知らない。けれど、俺が厳罰になろうが何だろうが、俺は負けるわけにはいかないのだ。拷問でもなんでも掛かってこいと言う勢いだ。


「で……どうした櫻井?言ってみろ。俺を説得できるようなことを言うんだろう?」


「はい……ありがとうございます。東雲先輩。今から言うことは多分あなたを更に怒らせることになると思います。本当は言いたくはないんですけどね……ですが、言わないと話が進まないので仕方なく言います。……東雲会長。あなたは―――――」


「天上ヶ原雅に対して敵愾心を抱いていますね?」


「なっ!」


「っ!」


「……っ!」


「……」


 小鳥遊先輩は声を出し、柊先輩と愛莉は声にならぬ音を発し、東雲先輩は黙ったまま腕を組んでいた。俺は構わずに言葉を叩きつける。


「いいえ……敵愾心と言う言葉は適切では無かったかもしれません。もっと……情けなく、もっと下劣な感情です。あなたは彼女に『嫉妬』しているんです」


「……いい加減にしろ櫻井っ!」


「……ぐっ!」


 俺は強引に柊先輩に床に叩きつけられる。相変わらず柊先輩は強引な人だ。それに立花さんとは異なり、相手に対する遠慮は無かった。だからこそ俺の腕は軋み悲鳴をあげた。
 だが……それがどうしたという話だと何度でも言ってやる。腕が折れようが関係などない。俺は俺の目的を果たすために協力をして貰うのだ。


「今の発言は会長に対する冒涜に他ならん。早々に謝罪をしろ。でなければ私もお前を許さん……」


「嫌ですって言っているでしょう……。今日は俺も皆さんと仲違いをしてでも、必ず計画を成功させるって気概できているんです。だから……一歩も引きませんっ!」


「貴様っ!」


「……櫻井。話を続けてみろ」


「はい。ありがとうございます」


「櫻井。何故、俺が雅に対して嫉妬をしているんだって言うんだ?」


「一つは単純な一般論です。理事長はこの学園を蹂躙し自分の意のままに行動をしている自由人です。一方で東雲さんは、学園外に自由に出ることも出来ずに、捉われている状態ですよね?立場的にも東雲さんよりも天上ヶ原雅の方が上だというのは実情のはずです。そんな状態で相手に対していい感情を抱く筈がありません。少なくとも俺だったら、理事長が置かれているような立場に対して苛立ちを覚え、忌み嫌い……そして嫉妬をしたとしてもそれはおかしな話ではないのではないでしょうか?」


「……なるほど……他には……まさかそれだけではないだろうな?そんな根拠薄弱な推察だけと言わねえよな?」


「勿論それだけではありません。以前俺がこの生徒会に来た時の話です。俺が天上ヶ原雅とあなたを比較してしまった時があったでしょう?その時にあなたはそれなりに苛立ちを見せつつ、人と人とを対比せずに他人と認識した上で評価しろという旨を強く主張したでしょう?その時は何故、あなたが気分を害したのかは理解出来ませんでした。もしかしたら、理事長と仲が悪いからかなという風にも思いました。ですが……今なら明確にあなたの気持ちが分かります。何故なら……貴方は俺と全く同じ部分があるんですから」


「お前と同じ部分だと?それは一体何だ?」


「それは……『誰かと比べられる不快感』という奴ですよ。東雲先輩……あなたはあの日、俺と初対面だった時に『櫻井芳樹』という人物を『櫻井堅一郎』と対比しました。別にそのこと自体に問題があったとはいいません。ですがあの日に俺は無意識の中で考えていました。この人も親父と俺を対比して俺という存在を捉えるのかと。そして東雲先輩。つい先日ですが俺は親父と比較されることに非常に不快感を催してしまうということを自覚しました」


「不快感……お前は堅一郎と比較されて不快なのか?」


「ええ。最高に不快でした。今後はあいつを通さずに俺を見ていただけると幸いです。……話を戻すとですね。何故俺があいつと比較されることが嫌なのかと言えば……あいつが俺よりも遥かに人から好かれているからです。更に言えばあいつが俺よりも遥かに優秀だからです。要するに……俺は親父に対して『嫉妬』をしていたんですよ」


「堅一郎に対して嫉妬……」


「はい。大して努力もしていない癖に、いつだって俺より優秀で誰からも称賛されているあいつが憎くて仕方がなかったんです。家族からも地域の人からも天上ヶ原雅からも立花さんからも東雲さんからも……櫻井堅一郎は遥かに敬愛されていました。だからはっきりと言って俺はあいつが嫌いです。大嫌いなんです。そして嫌いな原因はあくまで『嫉妬』しているからなんです。それ以外の何でもありません」


「……」


「東雲先輩。恐らくあなたも心のどこかで……理事長に対して劣等感を刺激されている部分があるんではないでしょうか?」


「櫻井。お前……っ!」


 俺を押さえつけている柊先輩が力を込める。悲鳴をあげてしまいそうになるがぐっと堪えた。場の雰囲気は最悪だ。だけど、まだ伝えなければならないことはある。


「別段、東雲先輩が理事長を憎んでいるとか、そんな風には思いません。一応は血の繋がりがある親戚ですからね。そんな人物を心の底から憎んでいるとは思いません。ですが……少なくともいい気がしていないのは事実。そして、そんな理事長を一度はあっと言わせて、出し抜きたいという気持ちがあるんではないでしょうか?どうですか東雲さん?」


「……なるほど……木葉。櫻井を離してやれ」


「は、はい……」


 俺は拘束を解かれた。……うおおおおおおおっ!解放感最高と喜びたいが今はそのような状況では無い。拘束こそは解かれたものの、まだまだ東雲先輩は真剣な表情を崩さず切迫としているには変わらないのだから。


「……それでだ。仮に俺がお前の言う通りに雅に対して思うところがあり、あいつを出し抜きたい感情を持っているとしよう。だがよ……その方法は如何にするんだ?仮に二宮を外に連れ出すことを成功したとしよう。だけどよ。それだけじゃ、多分雅はほとんど動揺しないし、残念がらないと思うぜ?何故ならこちらは事前準備を重ね作戦を実施しやすい時間帯に実施しやすい方法で作戦に取り掛かるんだ。それは全くフェアーではないからな。さて……そこのところはどうするってんだ?」


 そう……それがネックだったのは間違いない。俺が東雲先輩を協力させるに必要なことは、とにかく理事長をあっと言わせて、衝撃を与えるようなことが必要なのだ。それは指摘通りに単純に二宮を外出させるだけでは絶対に足らないのだ。
 だからこそ、昨日は死ぬ気で(課題を必死にやりながら)それについて考えていた。どうすれば天上ヶ原雅に衝撃を与えることが出来るのかと……ただ脱出するだけではなく、あくまで天上ヶ原雅をぎゃふんと言わせる方法を。そして閃いたのは『彼女』の協力だった。
 もしも『彼女』の協力さえ無ければ確実に作戦はうまくいかないであろうし、逆に味方に入れば怖いものなどない。三枝を攻略する以前に勝敗は決まっているようなものだったのだ。


「東雲会長。実は今日はスペシャルゲストを呼んでいます」


 かなり綱渡り出会ったことは確かだが、丁度四人ともいてくれてよかった。俺が東雲会長から言質を取るために必要なのは『彼女』の存在だったからだ。


「……」


 沈黙のままで生徒会室が続く。そして……『彼女』は約束の時刻を寸分違わず訪れた。


「失礼いたします……」


『……!』


「ねえねえ櫻井っち……これはどういうことなの?」


「どういうこともこういうことも……今回の二宮外出の計画に協力してくれる……」


「改めまして皆さま。……天上ヶ原雅の秘書をしています立花です」


「なあああああああああああああああああっ!」


 メイドであり本学園内において全てを支配し得る最強の女性―――――立花沙也加さんが御登場したのだった。





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