極道検事
1-4
ー 5月11日18時20分
警察署 取調室 3号室 ー
武瑠はひとまず学校での捜査を終えて、警察署の取調室に来ていた。
「どうです、疲れましたか?」
「ああ、おかげさまでな」
「一つ余ったんで食べますか?」
そう言って赤井刑事は武瑠にドーナツを差し出した。
「ああ、サンキュー」
警察署に来る前にコンビニで間食を買ってきて食べていた、今日の仕事が終わるのは10時頃になるからだ、俺はカップ麺とおにぎりを食べた。事件の担当になると裁判が終わるまでこの生活が続く、本当にこの期間は弁護士が羨ましくなる。
「なかなか美味いなこのドーナツ」
見た目は普通のドーナツだったが最近食べたやつの中では1番美味く感じた。疲れていたせいかもしれないが。
「最近このコンビニで人気だそうです、うちの嫁さんもよく食べてますよ。京極検事も美緒ちゃんに買って帰ってあげたらどうですか?」
「美緒は俺よりも流行りに敏感だからこれぐらい知ってると思うぞ」
そう言うと赤井刑事は「そうですね」と笑っていた。いつも思うがこいつはタフな奴だ、俺なんかもうクタクタだ。こいつのこういうとこは本当に尊敬する
「あ、そろそろ用意しないとやばいですね」
赤井にそう言われて腕時計を見ると事情聴取の時間まであと7分だった。武瑠達はコンビニの袋をかたづけて、赤井刑事はメモと飲み物を用意していた。
コンコン
「失礼します!事情聴取はじめてよろしいですか?」
警官がノックして入ってきた
「ああ、1人目を連れてきてくれ」
赤井刑事がそう言うと1人目が入ってきた。1人目は昼間の不良高校生の宮西くんだった。
宮西くんが入ってきて武瑠達と目が合うと、宮西くんは、あっ!という顔をして2人の前に座った。さっそく赤井刑事が事情聴取をはじめた。
「宮西くんだったね?率直に聞くけど、本当に被害者の藤堂さんを突き落としたりしてないんだよね?」
宮西くんは、はあとため息をした
「またかよ、何回言ったらいいんだよ!やってねえって言ってんだろ」
「そ、そうか。ゴメンね。別に宮西くんが犯人だって言ってるわけじゃないからね」
「もういいよ、別に」
宮西くんは急に小さな声になった
「こんなことなら慣れてるから。俺がこんな見た目だからって理由だけでいつも犯人扱いされてさ、2年のときに教室で財布が無くなったときも何の証拠もないのに成績の悪い俺が真っ先に疑われたよ。それから俺は学校が面白くなくなって不良になっちまった」
赤井刑事は彼の話をすごく同情した感じで聞いていた。すると今まで黙っていた武瑠が口を開いた。
「そっか、それはすまなかった。でもお前あんとき屋上にいたのは確かなんだよな?」
「ああ、いたよ」
「じゃあ、お前1人で屋上で何してたんだ?」
武瑠が聞くと宮西くんは急に黙りこんだ。すると武瑠は続けた。
「隠し事をしてる奴はすぐそうやって黙りこむ、典型的な嘘つきだなお前は」
「別になんもしてねえよ」
宮西くんは武瑠と目を背けてそう言った。
「だったら俺の目を見て言えるか?」
宮西くんはまた黙りこんだ
「じゃあ俺から言わせてもらう。お前タバコ吸ってたんだろ?」
宮西くんはビクッとして汗をかきはじめた。赤井刑事は武瑠達のやりとりをじっと聞いている
「お前、疑われんのが嫌なんだろ?濡れ衣を晴らしたいんだろ?だったらちゃんと話せ」
「そうだよ…。あんとき屋上の倉庫の中に隠れてタバコ吸ってたよ…」
宮西くんは半泣きになりながら答えた
警察署 取調室 3号室 ー
武瑠はひとまず学校での捜査を終えて、警察署の取調室に来ていた。
「どうです、疲れましたか?」
「ああ、おかげさまでな」
「一つ余ったんで食べますか?」
そう言って赤井刑事は武瑠にドーナツを差し出した。
「ああ、サンキュー」
警察署に来る前にコンビニで間食を買ってきて食べていた、今日の仕事が終わるのは10時頃になるからだ、俺はカップ麺とおにぎりを食べた。事件の担当になると裁判が終わるまでこの生活が続く、本当にこの期間は弁護士が羨ましくなる。
「なかなか美味いなこのドーナツ」
見た目は普通のドーナツだったが最近食べたやつの中では1番美味く感じた。疲れていたせいかもしれないが。
「最近このコンビニで人気だそうです、うちの嫁さんもよく食べてますよ。京極検事も美緒ちゃんに買って帰ってあげたらどうですか?」
「美緒は俺よりも流行りに敏感だからこれぐらい知ってると思うぞ」
そう言うと赤井刑事は「そうですね」と笑っていた。いつも思うがこいつはタフな奴だ、俺なんかもうクタクタだ。こいつのこういうとこは本当に尊敬する
「あ、そろそろ用意しないとやばいですね」
赤井にそう言われて腕時計を見ると事情聴取の時間まであと7分だった。武瑠達はコンビニの袋をかたづけて、赤井刑事はメモと飲み物を用意していた。
コンコン
「失礼します!事情聴取はじめてよろしいですか?」
警官がノックして入ってきた
「ああ、1人目を連れてきてくれ」
赤井刑事がそう言うと1人目が入ってきた。1人目は昼間の不良高校生の宮西くんだった。
宮西くんが入ってきて武瑠達と目が合うと、宮西くんは、あっ!という顔をして2人の前に座った。さっそく赤井刑事が事情聴取をはじめた。
「宮西くんだったね?率直に聞くけど、本当に被害者の藤堂さんを突き落としたりしてないんだよね?」
宮西くんは、はあとため息をした
「またかよ、何回言ったらいいんだよ!やってねえって言ってんだろ」
「そ、そうか。ゴメンね。別に宮西くんが犯人だって言ってるわけじゃないからね」
「もういいよ、別に」
宮西くんは急に小さな声になった
「こんなことなら慣れてるから。俺がこんな見た目だからって理由だけでいつも犯人扱いされてさ、2年のときに教室で財布が無くなったときも何の証拠もないのに成績の悪い俺が真っ先に疑われたよ。それから俺は学校が面白くなくなって不良になっちまった」
赤井刑事は彼の話をすごく同情した感じで聞いていた。すると今まで黙っていた武瑠が口を開いた。
「そっか、それはすまなかった。でもお前あんとき屋上にいたのは確かなんだよな?」
「ああ、いたよ」
「じゃあ、お前1人で屋上で何してたんだ?」
武瑠が聞くと宮西くんは急に黙りこんだ。すると武瑠は続けた。
「隠し事をしてる奴はすぐそうやって黙りこむ、典型的な嘘つきだなお前は」
「別になんもしてねえよ」
宮西くんは武瑠と目を背けてそう言った。
「だったら俺の目を見て言えるか?」
宮西くんはまた黙りこんだ
「じゃあ俺から言わせてもらう。お前タバコ吸ってたんだろ?」
宮西くんはビクッとして汗をかきはじめた。赤井刑事は武瑠達のやりとりをじっと聞いている
「お前、疑われんのが嫌なんだろ?濡れ衣を晴らしたいんだろ?だったらちゃんと話せ」
「そうだよ…。あんとき屋上の倉庫の中に隠れてタバコ吸ってたよ…」
宮西くんは半泣きになりながら答えた
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