極道検事
1-3
武瑠は警官に注意するように言った。しかし、赤井刑事は警官達を止めた。
「美緒ちゃん、どういうことか説明してくれるかい?」
美緒はニコリと笑うと「はい!」と元気よく返事した。武瑠は仕方ないなという表情をしていたが美緒に説明してやるように言った。
「私が思うには、被害者の藤堂先輩はふだん殆どメガネをかけてなかったんじゃないかと思います」
「え!?なんでそう思うんだい?」
赤井刑事は驚いた表情で聞いた
「お兄ちゃんにつまみ出されるときに、藤堂先輩の日記を見たんです。そのページにたくさんの写真やプリクラが貼ってあったんですけど、藤堂先輩はどの写真やプリクラもメガネ姿で写っていなかったんでそう思いました」
赤井刑事は、近くにいた鑑識に日記を持ってこさせて確認してみた。すると、確かに藤堂さんはどの写真もメガネをかけていなかった。
「こ、これは!でもあんな数秒しか日記を見なかったのになんで覚えてたんだい?」
美緒は武瑠にアイコンタクトで「説明していい?」と聞いた。武瑠はうなずいて返事をした。美緒は小さな声で
「この話は内緒ですよ。実は私瞬間記憶の能力があるらしいんです」
「えー!瞬間記憶能力って一回、一瞬でも見たものは忘れないっていうあれ?」
「はい、でも内緒ですよ」
赤井刑事はとりあえずうんうんとうなずいた、まだ頭の中の整理がつかないらしい。武瑠は藤堂さんの生徒手帳を指差した。
「美緒のいうとおりだ、俺も生徒手帳の写真を見たときそうじゃないかと思ったよ。そんで、日記を見たとき確信したってわけ。クソッ、美緒においしいとこ持って行かれちまったぜ」
赤井刑事が手帳を見てみるとこっちの藤堂さんもメガネをかけていなかった。武瑠は悔しそうな顔をしていたが美緒はニコニコしていた。
「おい!離せよ!痛てーっていってんだろうがよ!」
その声に武瑠達は声がしたほうに顔を向けた、1人の生徒が刑事や警官に腕を掴まれ押さえられていた。そして、1人の刑事がやってきた
「赤井刑事、目撃者の証言から被害者を突き落としたという生徒を連れてきました」
そう言ってその生徒をテープの中に入れた。武瑠はその生徒を見てみると、腰パンに金髪で見るからに不良の男子生徒であった
「うわー、不良高校生か。どの時代にもいるんだな」
武瑠はじろじろその生徒を見ながらそう言った
「うるせー!俺はなんもしてねえよ、藤堂を突き落としたりなんかしてねえよ!」
その生徒は刑事に押さえられながら武瑠にむかって大きな声でそう言った
「とにかく警察署まで来て話を聞かせてもらうよ」
そう言ってその不良高校生はつれていかれた
「美緒、あの子知ってるか?」
武瑠は不良高校生の迫力に圧倒されていた美緒に聞いた。
「うん、あの人は3年の宮西先輩。うちの学校じゃ珍しい不良でね、2年の頃から急に不良になったっていう噂だよ」
「急に不良になった?そんなことあんのか?」
「最近はそんなこと多いらしいよ、勉強についていけなくてタバコとかに手をだしたり。急に人が変わっちゃうんだって」
武瑠が宮西くんのほうをもう一度見てみると、警察の車に乗せられるところだった。彼は相変わらず抵抗していたが、とても悲しそうに見えた
「で、その目撃者は誰なんだ?」
赤井刑事はさっきの刑事に聞いた
「はい、この学校の教員です。被害者が屋上から転落した直後、さっきの男子生徒が屋上にいたそうです」
その刑事は目撃者の教員をつれて来た、30代ぐらいの真面目そうな教員だった
「あなたが目撃者の先生ですね、お話を伺いたいので警察署まで来ていただけますか?」
「はい、もちろんです。この学校で数学を教えている高宮と申します」
赤井刑事が同行を求めると高宮先生もすぐに応じた
「京極検事、この後目撃者の事情聴取や取り調べがあるので警察署まで来てくださいね」
「はあー?まだ仕事すんのかよ、お前らでやってくれよ」
「ダメですよ!事情聴取のあとは担当刑事が出席する捜査会議にも出てもらいます。残念ですが遊びに行く暇はありませんよ」
「死ねよほんとに」
武瑠は深くて大きなため息をすると、赤井刑事と一緒に屋上の捜査もするため新校舎の中に入っていった。
「お兄ちゃん、赤井さん!捜査頑張ってくださーい!」
「ありがとう!美緒ちゃんも勉強頑張ってね」
赤井刑事がお礼を言うと美緒は手を振って校舎に戻っていった。
「ほら、美緒ちゃんも頑張ってるんだから京極検事も頑張ってください」
「はいはい、なんかお前娘が産まれてからうちの美緒にも優しくなった気がするのは俺だけか?」
「娘が産まれたら他の子にも優しくなったり、気配りするようになるものですよ」
武瑠は首をかしげたが、赤井刑事はニコニコしながら屋上の階段を登っていった。
屋上に着くとここでも刑事や鑑識が忙しそうに動き回っていた。藤堂さんが転落した場所ではもちろんフェンスが無くなっていた。
「ご苦労様です!京極検事、赤井刑事」
屋上にいた刑事が2人に挨拶した
「何かわかったか?」
「今のところは特に事件につながるものは見つかっていません。足跡も調べましたが新しいものは被害者と連れて行かれた男子生徒の足跡だけしかありません」
「やはり今のところは事故の可能性が高そうだな」
「はい、被害者がフェンスにもたれかかったときにフェンスのボルトが外れ転落した。と言うのが今のところ1番有力ですね」
赤井刑事と屋上にいた刑事はそう話していた。武瑠は藤堂さんが転落した辺りを見て見たが、確かにボルトが外れフェンスが落下しただけだった。
「美緒ちゃん、どういうことか説明してくれるかい?」
美緒はニコリと笑うと「はい!」と元気よく返事した。武瑠は仕方ないなという表情をしていたが美緒に説明してやるように言った。
「私が思うには、被害者の藤堂先輩はふだん殆どメガネをかけてなかったんじゃないかと思います」
「え!?なんでそう思うんだい?」
赤井刑事は驚いた表情で聞いた
「お兄ちゃんにつまみ出されるときに、藤堂先輩の日記を見たんです。そのページにたくさんの写真やプリクラが貼ってあったんですけど、藤堂先輩はどの写真やプリクラもメガネ姿で写っていなかったんでそう思いました」
赤井刑事は、近くにいた鑑識に日記を持ってこさせて確認してみた。すると、確かに藤堂さんはどの写真もメガネをかけていなかった。
「こ、これは!でもあんな数秒しか日記を見なかったのになんで覚えてたんだい?」
美緒は武瑠にアイコンタクトで「説明していい?」と聞いた。武瑠はうなずいて返事をした。美緒は小さな声で
「この話は内緒ですよ。実は私瞬間記憶の能力があるらしいんです」
「えー!瞬間記憶能力って一回、一瞬でも見たものは忘れないっていうあれ?」
「はい、でも内緒ですよ」
赤井刑事はとりあえずうんうんとうなずいた、まだ頭の中の整理がつかないらしい。武瑠は藤堂さんの生徒手帳を指差した。
「美緒のいうとおりだ、俺も生徒手帳の写真を見たときそうじゃないかと思ったよ。そんで、日記を見たとき確信したってわけ。クソッ、美緒においしいとこ持って行かれちまったぜ」
赤井刑事が手帳を見てみるとこっちの藤堂さんもメガネをかけていなかった。武瑠は悔しそうな顔をしていたが美緒はニコニコしていた。
「おい!離せよ!痛てーっていってんだろうがよ!」
その声に武瑠達は声がしたほうに顔を向けた、1人の生徒が刑事や警官に腕を掴まれ押さえられていた。そして、1人の刑事がやってきた
「赤井刑事、目撃者の証言から被害者を突き落としたという生徒を連れてきました」
そう言ってその生徒をテープの中に入れた。武瑠はその生徒を見てみると、腰パンに金髪で見るからに不良の男子生徒であった
「うわー、不良高校生か。どの時代にもいるんだな」
武瑠はじろじろその生徒を見ながらそう言った
「うるせー!俺はなんもしてねえよ、藤堂を突き落としたりなんかしてねえよ!」
その生徒は刑事に押さえられながら武瑠にむかって大きな声でそう言った
「とにかく警察署まで来て話を聞かせてもらうよ」
そう言ってその不良高校生はつれていかれた
「美緒、あの子知ってるか?」
武瑠は不良高校生の迫力に圧倒されていた美緒に聞いた。
「うん、あの人は3年の宮西先輩。うちの学校じゃ珍しい不良でね、2年の頃から急に不良になったっていう噂だよ」
「急に不良になった?そんなことあんのか?」
「最近はそんなこと多いらしいよ、勉強についていけなくてタバコとかに手をだしたり。急に人が変わっちゃうんだって」
武瑠が宮西くんのほうをもう一度見てみると、警察の車に乗せられるところだった。彼は相変わらず抵抗していたが、とても悲しそうに見えた
「で、その目撃者は誰なんだ?」
赤井刑事はさっきの刑事に聞いた
「はい、この学校の教員です。被害者が屋上から転落した直後、さっきの男子生徒が屋上にいたそうです」
その刑事は目撃者の教員をつれて来た、30代ぐらいの真面目そうな教員だった
「あなたが目撃者の先生ですね、お話を伺いたいので警察署まで来ていただけますか?」
「はい、もちろんです。この学校で数学を教えている高宮と申します」
赤井刑事が同行を求めると高宮先生もすぐに応じた
「京極検事、この後目撃者の事情聴取や取り調べがあるので警察署まで来てくださいね」
「はあー?まだ仕事すんのかよ、お前らでやってくれよ」
「ダメですよ!事情聴取のあとは担当刑事が出席する捜査会議にも出てもらいます。残念ですが遊びに行く暇はありませんよ」
「死ねよほんとに」
武瑠は深くて大きなため息をすると、赤井刑事と一緒に屋上の捜査もするため新校舎の中に入っていった。
「お兄ちゃん、赤井さん!捜査頑張ってくださーい!」
「ありがとう!美緒ちゃんも勉強頑張ってね」
赤井刑事がお礼を言うと美緒は手を振って校舎に戻っていった。
「ほら、美緒ちゃんも頑張ってるんだから京極検事も頑張ってください」
「はいはい、なんかお前娘が産まれてからうちの美緒にも優しくなった気がするのは俺だけか?」
「娘が産まれたら他の子にも優しくなったり、気配りするようになるものですよ」
武瑠は首をかしげたが、赤井刑事はニコニコしながら屋上の階段を登っていった。
屋上に着くとここでも刑事や鑑識が忙しそうに動き回っていた。藤堂さんが転落した場所ではもちろんフェンスが無くなっていた。
「ご苦労様です!京極検事、赤井刑事」
屋上にいた刑事が2人に挨拶した
「何かわかったか?」
「今のところは特に事件につながるものは見つかっていません。足跡も調べましたが新しいものは被害者と連れて行かれた男子生徒の足跡だけしかありません」
「やはり今のところは事故の可能性が高そうだな」
「はい、被害者がフェンスにもたれかかったときにフェンスのボルトが外れ転落した。と言うのが今のところ1番有力ですね」
赤井刑事と屋上にいた刑事はそう話していた。武瑠は藤堂さんが転落した辺りを見て見たが、確かにボルトが外れフェンスが落下しただけだった。
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