屋根裏見たら異世界降臨

ノベルバユーザー198902

18話 魔水砂漠へ

「結局寝れなかった。」


気がついたら朝であった。


「ハルキおはよう!」


「メネルおはよう。今日はここ出るぞぉ~。」


大きなあくびをしながら体を起す。


「だね」


と返してくるのはメネル。


「なっちゃん起こすよ?」


「いや。もうちょっと寝かせといてあげて。行ってる間に起きると思うから。」


「分かった!ってどこに行くの?」


「ちょっと散歩にな~!」


「私も行っていい?」


「えっ?いや、そのー。うーん。」


酒場に行く予定だったが多分。きっと多分。大丈夫だろう。


「そのーあんまり、急に飲むなよ?」


「なんの話?」


首を傾げる仕草が愛くるしい。見てるだけでドキって来る。今考えれば美少女二人いるパーティとはいいのか?


「ハルキ?赤いけど大丈夫?」


「どどど、どこが?」


「顔が。また熱でもあるんじゃない?」


やっぱり風邪は1日じゃ治らないか~。とでも言いたそうな顔をする。


「大丈夫だから。」


と言うと玄関に走っていく。


「ちょ、ちょっと待って!」


「あっ。」


「あっ?」


「着替えるの忘れた。」


「おぉぉぉい!」


ピシッという効果音が聞こえた気がした。


外に出ると、一番近くの酒場に入る。朝だが、結構繁盛してるみたいだ。


「俺は酒で、メネルは?」


「私もハルキと同じで!」


げっと心の中でボソッと言う。まぁ忠告しといたし大丈夫だろう。


「あんたらここ出るみたいだがどこ行くんだ?」


いきなり問いかけてきたのは隣に座ってたおじさんだ。


「魔水砂漠だけど」


「あそこならやめときな。」


笑いながら向かう先の否定してくる。


「どういう事だ?」


「まぁまぁ、こういうのは最後まで聞くもんだぜ?」


最近注意された気がする事を言われる。


「別に今のところ魔水砂漠自体に悪い話は聞かねぇが、その道中だ。」


ここから向かうには、集めた情報によると、山を乗り越えた先に砂漠が広がってると聞いてる。


「道中と行ったら山だけだぞ?」


「そこがいい話が聞かねぇんだ」


ただでさえ、恐ろしい顔をさらに恐ろしくして喋ってくる。


「なによりそこに行った奴が帰ってこねぇらしいんだ。」


「で、原因は?」


「それはあるモンスターらしい、噂だがな」


聞いただけでも背筋がゾッとする。


「でそのモンスターと言うのは…」


それと同時にほっぺたを突かれる。そのせいかおじさんが話すのをやめてしまう。


「んっ?」


「ふふっ、ハルキのほっぺた柔らかいなぁ」


とか言いながらほっぺたを何度も突っついてくる。


「はぁ、また酔ったのか。朝っぱらからこんなに酔っちゃて」


「酒に弱いんだなっ!」


「そのくせに飲むんですよねえ~!とりあえず先にすみません!」


「ああ!また、会えたら飲もうぜ」


「はーい!」


お金を払ったあとメネルを抱きかかえ、店を出る。


「…」


抱きかかえたのはいいが柔らかい感触…当たってる当たってる!


「ただいま~♪」


…。返事が来ない。今更だが耳をすましてみても、しーんと静まり返ってる。メネルを抱きながら奥に向かう。


「ナツー?」


「すぴー。すぴー。」


「…。いい加減起きろっ!」


「んっ」


甘い声を出しながら起きてくる。その間にメネルを横にならせ水を持ってくる。


「ナツ起きたか?あとメネル水」


「うん。起きたよ。」


と、目を擦る。


「ほんとに?」


「ほっ本当だよ?」


こっくりこっくりしながら焦った口調で寝てないと弁明をする。




「とりあえずみんな出るぞ~♪」


・・・・・・・・・・・・


アイス街を出て1日。ついに問題の山が見えてきた。寝た時とかは堕天使の神にはあっていたが聞くことを忘れたため、練習をしていた。ちなみに山は何個かあり、一つ一つがでかい。そして何かの大穴が見える、人工的には見えないほどなのになのに穴は不思議なほど大きい。人工的じゃ、ないと無理なほどだ。それなのに、何かが突っかかる。見たことある大きさ、さらに穴に恐怖を覚える。体は覚えてるらしいがそれ以上考えるのを脳が、俺の魂が拒む。あともうちょっとで思い出せそうなのを振り切り、恐怖に屈しる。なにか分からないものに怯える。分からないのに怖い。そんな自分が嫌で嫌で。


「うっ、気持ち悪い」


「ハルどうした?」


「いや、何でもない。大丈夫だ」


そういい、山に入って行く。木がぼうぼうと生えていてそこからツタが垂れている。どうやら古いようだ。


「これは遺跡?」


「結構、大昔に住んでたみたいだね♪」


「僕は初めて見たよ!遺跡なんて見ることなかったし」


遺跡を発見し、少し見てから再び歩き出す。


「なぁ、これ足あとじゃないか?」


「ホントだ。何か引きずられたあともあるね」


「うん。物を運んだみたいだね。」


ナツが喋り終わるのと同時に草むらが、『がさっ』と鳴る。すぐさま振り向くが誰もいない。


「気配がまだする。剣を抜けっ!」


…。……。剣を抜く感覚がない。さっき向いてた方に向き直すとゴブリンが剣を持って逃げていた。


「っ?やばいやばい」
 

あっけらかんとするハルキ


「確かにやばいね」


きょとーんとするメネル


「ってハルとメネル何で追いかけないの?」


後ろ振り向き首を傾げるナツ。


「あ。びっくりしてて追いかけるっていう概念忘れてた」


と言いながら走り出す。


「って忘れるかぁ!」


そこに横から一匹の大型犬。いや大型犬から結晶見たいのが出てるモンスターだ。


「クリスタルドック!?ハルキ!あいつに近接はだめ!私にまかせて」


「ああ!メネルの言うとおりだ!ハル、ナツたちは先に行くよ!」


「なんで近接ダメなんだ?」


ナツを追いかけながら聞く


「あいつの結晶には氷属性が宿っていて、触った場所から徐々に凍っていくという厄介なモンスターだ」


「じゃあメネルは?」


「距離を取りながら結晶が、ない部分を狙って射れば大丈夫なはず!」


「分かった!それよりもゴブリンが見えてきたぞ!」


「やっと追いついたね!何ハルの剣を盗んでるの?」


ゴブリンに向かって何故かキレてるナツがそう言った。

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