君は魔法で僕は剣を…。というか魔力無いんでお願いします(泣)

ノベルバユーザー198902

1話 魔法のオンパレード



「これより564期、卒業大会、準決勝を始める!」


どくんっ。


心臓の音が体全体で感じ取り、それに応えるように血が騒ぐ。


「剣を構えよっ!」


どくんっどくんっ。


心臓の音が再び聞こえてくる。断片的ではあるが頭の中を響き、とある合図を待っている。


どくん…どくん…どくんっ


心臓は落ち着き集中状態に入るとともにそれは始まる。


「始めっ!」


その瞬間、動いたのは赤髪の少年。敵に向かって走って行くが対する桃髪の少女はそれを見過ごす訳ではない。


火球ファイアボール


火球ファイアーボール
手からそのまま発射したり、背後に留めたり自由に扱える火属性の初期魔法。ちなみに何個も作って一気に放つ場合は背後に留めておくのが基本。


というかいくら卒業する人とは言え魔力の使い方にはまだまだ慣れたとは言えない。せいぜい作れて2個までだ。基本は旅をして強くなっていく。さらには作るだけでも最低限以上の魔力を使ってしまう。が赤髪の少年と対峙する桃髪の少女はそれを5個も作る。


「魔法に長けてる。さすがローズだな。」


「てへへ、じゃなくて私だってアランに負けてられないもの!」


その瞬間、魔法を赤髪の少年。またはアランに向け、背後に留めておいた火球を一直線に飛ばしていく。が、一つ目、二つ目、三つ目を易々と回避し、四つ目、五つ目を剣で弾き飛ばす。武器はお互い鉄剣なのだが魔法を弾くのはそうそうできるものじゃない。


「むっ」


ローズはちょっと不満そうな声を出すがそれと異なり、観客席からは「わっ」や「おおー」などの声があがる。
それを気にせず、一気にローズに接近し、攻撃を…


ドラゴン息吹ブレス


「うおっ!?」


ドラゴン息吹ブレス
いい所としては前方方向の範囲攻撃ができ、さらに色々な属性が込められる。授業では習わない魔法なのだが魔法が長けているものは図書室などで勉強をし、個人で覚えるという。


そんなローズの呪文に気づき、すぐさま回避を取る。どうやら火術が込められているようだ。きずかなければ今頃、炎に抱かれていただろう。さらに今回は火術だったが、他ので来るかもしれない。属性によって範囲や攻撃力。さらには状態異常まで変わってくる。さらには竜の息吹のせいで間合いは剣には不利な距離。逆に言えば魔法適正距離。それでも


旋風エアスラッシュ


旋風エアスラッシュ
剣に風属性を乗せ、飛ばすイメージで使う魔法。ものすごく鋭く、刃物が飛んでくると言っても過言ではない。火球などとは違い、火球などは生成するのに時間が少しかかるがこれは物体に込めるので即使えてしまう初心者向けである。


だが、アランの場合は魔法であって魔法じゃない。


「また、あれか」


「本当に、ウケる」


なんて言葉が笑い声と共に客席から聞こえてくる…はずだがアランの集中力はそちらに意識を向かず、ただ一つだけ。一方旋風の方は致命傷とは程遠とく、軽々と見極められかわされていく。


火球ファイアボール


攻守交代をし、ローズが火球を四つ生成する。言葉はもう交わさず、ただ相手だけを見つめる。


そして火球が迫ってくるが遅い。やはり魔力の影響か、速度が見て取れてしまう。そんな火球は受けるまでもなく回避しまたもや攻守交代をする。


爆裂破壊バーストクラッシュ


爆裂破壊バーストクラッシュ
身体能力強化魔法の一つでもある。足と剣に魔力を貯め、貯めた魔力を一気に爆発させた勢いで接近しつつ剣の方でも爆発をし、攻撃にも勢いを加えるため、当たれば通常より高い威力を持つ。


「クスクスクス」


また笑い声が聞こえる。大丈夫だ。心を乱すな。


そう思いつつ足を一歩踏み出し踏ん張る。その瞬間そこから爆発に似たような土煙が起こり、一気にローズに接近する。


「ッ!?」


ローズが変化に気づき、剣を盾とするが、剣を振り下ろし鉄剣を粉々に破壊する。


「…。ソッ、ソードブラスト!アランの勝利!お互いに礼!」



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