話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

小さき蒼雷の魔法使い

柊木凪

第六十三話「適当でも上手く行く」

「そろそろ、真面目な話をしましょう。」


「ああ、そうだな。

ここからは別の話になるが、三人に対して依頼がある。」


 ミリアの声かけを受けて、ドランを含む王国側は真剣な表情でライガたちに言い放った。


「……俺たちに依頼?」


「正確には、他にもいる。

今回は、Sランク以上の実力を持った者たちに声をかけている。」


 ドランの言葉を聞いたライガは、Sランク以上が複数人いる依頼に疑問を持った。


(確か、Sランク以上は人の領域を超えた超人、若しくは人外の存在だったはずだが、そんな奴らを集めて何をさせる気だ?)


 ライガの考えを他所にドランは、少し間を空け話を続けた。


「今回の依頼は、かなりの危険を伴う故にSランク以上と指定をしている。

このことからも分かると思うが、実力が無い者は同行すら許されないのだ。」


(まあ、実際はライガを含めた三人の実力試験なのだが、危険度はSランク指定なのだから結局は変わらないし、バルトの話ではこの少年が相当な実力者だと聞いている故に確かめない訳にはいかない。)


「それで……どうして俺たちなんだ?

これでも冒険者になって間もないし、依頼内容を誤魔化しているから何かがあるんだろうがSランクなんて肩書きだけだぞ?」


「ん?冒険者登録試験でSランク冒険者を個別に倒したと聞いているぞ?

Sランクはな、手加減していてもAランクとは大きな差が存在している……それを簡単に倒せるなら今回は大丈夫だろうと思うぞ。


後は……依頼だったか、これは後で説明しよう。

簡単に言えば情報収集と討伐依頼だ。」


 そう言ったドランの表情は、真剣そのものだった。

 ドランの言葉により、それまでの空気が一変した。


「……情報収集と討伐依頼?」


「そうだ。討伐依頼は万が一の話だから今は気にしなくてもよかろう。」


 ライガが思わず聞き返し、今まで静かにしていたシオンとカレンも話に交じって来た。


「……ご主人、討伐依頼があったら……。」

「そうだよね。もしかして、私達でやらないと行けなかったりする?」


 2人が心配しているのは、罰で言っていた10回依頼を受ける間の戦闘は2人でこなすと言っていた物のことだが、提案した本人はと言うと……。


(あ~、そんなこと言ってたな。忘れてたわ。)


 そう、記憶から消えていた。

 すっかり忘れていたライガは、どうしようかと思っていた時、ドランが口を開き言ってきた。


「何の話をしているのか分からないが、霊峰はアルファス王国内で聖地とされ頂上に行くにつれて魔物も強くなるのだ。だからという訳ではないが、四人で協力した方が良いのではないか?」


「……まあ、確かに今回は通常じゃないからな。

俺も参加しよう。」


(今回の依頼は断れそうにないし、これは感だが良くない感じがする。)


 ライガは、密かにこの後の予定を考えつつ、ドランの話に再び耳を傾けた。


「まあいい。さて、今回の依頼を説明しようか。

今回の依頼は、SSランク四人でパーティを組みアルファス王国の側にある霊峰……アルファス霊峰の調査を頼みたい。」


「調査ってことは、その霊峰で何かが起きる可能性があるのか?」


「うむ。あくまで可能性なのだ……。

起きるかもしれないし、起きないかもしれない。」


 ドランの曖昧な言葉にライガたちもこれ以上聞く事が出来なかった。


「少しよろしいですか?」


 皆が静かになったタイミングでカレンが口を開いた。

 今まで依頼に関してはライガしか話していなかったが、カレンは構わず疑問を指摘した。


「今回の大体の依頼は分かりましたが、それならば何故私たちなのでしょうか?

国王陛下が直々に辺境にまで足を運んでいる場合ではないのではないですか?」


 カレンの指摘にドランは静かに息を飲んだ。

 そして、つとめて平静を装いつつ返答した。


「今回の件はアルファス王国だけの問題だけではなくなる可能性もありいうるのだ。

故に全容は話す事はできないのだ。


 すまんな。それで、依頼は受けてもらえるな?」


(この依頼……怪しいところが多くない?気のせいだろうか。)


 ライガは念のためにドランへ大事な質問をすることにした。


「依頼を受けるかどうかは、報酬次第だな。」


「勿論それなりの物を用意するつもりだ。」


「よし!なら受ける。みんなもいいか?」


 ライガの言葉にシオンとカレンは頷き話は纏まったのだった……。

 そして、この瞬間ドランは表情には出さなかったが、心を撫で下ろしていた。


(……強いと言っても子供だから簡単に話は終わると思っていたんだが……深く聞かれなくてよかったな。

危うく話してしまうところだったが、意外と適当でも上手くいくもんだな。)


 こうして、ライガ達は結局王都へと向かう事になってしまったのだった……。




皆様、柊☆黐です。

今回もお読み頂きありがとうございました。


是非お気に入り登録といいね!の方をお願いいたします。


次回はライガ君の王都デビューですね!……多分。

第六十四話「創造神の呼びだし。」お楽しみに!!

「小さき蒼雷の魔法使い」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く