小さき蒼雷の魔法使い
第六十一話「ライガと王家の接触」
「いや~何事もなくて良かったな!」
「ええ、改めましてよくお越しくださいました。陛下、そして王妃、アリア王女。」
現在王家の一行は、何事もなく領主の屋敷に着き、一時の休息をお茶と共に満喫していた。
そして、少しの時間が過ぎ部屋の窓から太陽の光が少しずつ照らす頃それぞれが情報の交換、更に今回の目的の詳細を改めて話を始めることにした。
「さて、シエルとはこの間会ったのだがな。
近頃の辺境は注意が必要だから、仕方がないだろう。」
「はい、最近は安定はしていますが、やはり森の魔物たちが森の入り口付近にまで来ること自体が多くなってきています。」
バルトの表情から安心は出来ないことは伝わっていた。
しかし、王家としても辺境に戦力を集めすぎるわけにも行かないので、この件は現状維持と言うことで話が付いた。
そして、バルトは次の今回の訪問に関しての本題へと話を切り替えることにした。
その話を始めようとした瞬間にバルトの対面に座る王家の3人は待ってましたとばかりに笑顔を向けて待ち望んでいた。
「……えっとですね。
今回の訪問の理由にルーベンスの街のSSランク冒険者ライガ、カレン、シオンとの話がしたいと言うことですが、なぜこのタイミングなのでしょうか?」
「そうだな、ライガと言う少年に会いたかった。
そして、シエルや他の貴族の子供たちの救出のお礼を兼ねてだ。
答えにはなっていないが、少年が王都に来るのを拒んだらしいのでな、来させてもらった。」
ドランは、バルトの問いに答えつつ机の上に用意されたお菓子を美味しそうに口に運んでいた。
「では、ライガ君と直ぐに会われますか?
必要なら呼びますが。」
「その必要はないぞ?
ジーザスが既に会いに向かっているからな。
時機に連れて来てくれるだろう。来てくれるといいなぁ。」
ドランたちがバルトの屋敷に着き、安全が確認できた瞬間にジーザスはライガの居場所へと向かっていたのだ。
そして、ドランは大きな騒ぎにならないことを祈るばかりだった。
そんな祈りを知らないライガは、カレンの後ろから出てきてこちらを見ているジーザスを見返していた。
何の目的で来たのか知らないが、面倒ごとの予感しかしない。
しかし、この男、ジーザスが本気を出して来るなら流石に逃げられないだろう。
ライガの思考を余所にジーザスが話しかけてきた。
「まあ、そんなに警戒しないでくれ。
ある人が話があるからこうして俺がこの場に来ている。
取り敢えず、話だけでも聞いてくれないか?」
この状況じゃあ、聞くしかないだろうな……。
「わかった。話だけは聞こう。」
「そうか。じゃあ、早速だが俺と来てくれないか?」
「来てくれ?どこに行くつもりなんだ?」
話だけならばこの場で話しても同じことだと思ったライガは反射的に聞いてしまっていた。
そして、ここで話をしろと言えば良かったと後悔をしたがもう遅かった。
「じゃあ、来てくれるんだな!
これから行くのは領主の屋敷だ。」
「わかった。じゃあ、ちょっと待っててくれ。
準備をするから……あと、何の話かだけってもういないしどこ行った!」
「ご主人。さっきの人は下の店で待っていると言っていました。」
この時、ライガは思った。
あいつは本当に王国騎士団長なのかと。
しかし、成り行きとは言え、約束したのだから行かないわけには行かないので行くだけ行こう……そして、話を聞いたら帰るぞと心に決めて準備を進めた。
3人が準備を終えると、ジーザスの待つ宿の店に向かった。
「待たせたな。」
「いや、大丈夫だ。何か食べるか?」
ジーザスは、パンの様なものを食べながら聞いてきた。
「俺はいい。二人はどうする。」
「ご主人、私はどちらでもいいですが、シオンは食べたいようです。」
「その様だな。悪いが、もう少し待ってくれ。」
「別にいいさ。ついでに何の話か説明をしておくよ。」
そして、食事の時間を使って、話の概要を簡単にだが説明してもらった。
簡単に言うと、俺が貴族の子供たちを救出した件で、王都に行かなかったから、王が俺に会いたいらしい。
「いや、概要?はわかったけど……俺が行かなかったから来るのは王としてはおかしいだろ?」
この世界の王様を詳しく知っているわけでは無い、だから、ライガの想像の王様の話にはなるのだが、それでも辺境に来るのはおかしく思ったのだ。
「まあ、この国の国王陛下は、特別だからな。
簡単に言えば、自由人なんだ。」
「……そうか。
まあ、シオンも満足したみたいだし行くか?」
「「はーい」」
「よし、宿の側に馬車を待たせている。
それに乗っていこう。」
そして、馬車に乗り、領主の屋敷で待つ国王たちの元へと向かっていった。
皆様、柊☆黐です。
本日は誠にお読み頂きありがとうございます。
是非是非ブックマーク登録とポイント評価をどうかお願いします。
登録と評価を頂いている皆様に置かれましては、大変感謝しております。m(_ _)m
次回はやっと国王とのご対面です。
では、第六十二話「国王の想い」でお会いしましょう。お楽しみにっ!((o(^∇^)o))
「ええ、改めましてよくお越しくださいました。陛下、そして王妃、アリア王女。」
現在王家の一行は、何事もなく領主の屋敷に着き、一時の休息をお茶と共に満喫していた。
そして、少しの時間が過ぎ部屋の窓から太陽の光が少しずつ照らす頃それぞれが情報の交換、更に今回の目的の詳細を改めて話を始めることにした。
「さて、シエルとはこの間会ったのだがな。
近頃の辺境は注意が必要だから、仕方がないだろう。」
「はい、最近は安定はしていますが、やはり森の魔物たちが森の入り口付近にまで来ること自体が多くなってきています。」
バルトの表情から安心は出来ないことは伝わっていた。
しかし、王家としても辺境に戦力を集めすぎるわけにも行かないので、この件は現状維持と言うことで話が付いた。
そして、バルトは次の今回の訪問に関しての本題へと話を切り替えることにした。
その話を始めようとした瞬間にバルトの対面に座る王家の3人は待ってましたとばかりに笑顔を向けて待ち望んでいた。
「……えっとですね。
今回の訪問の理由にルーベンスの街のSSランク冒険者ライガ、カレン、シオンとの話がしたいと言うことですが、なぜこのタイミングなのでしょうか?」
「そうだな、ライガと言う少年に会いたかった。
そして、シエルや他の貴族の子供たちの救出のお礼を兼ねてだ。
答えにはなっていないが、少年が王都に来るのを拒んだらしいのでな、来させてもらった。」
ドランは、バルトの問いに答えつつ机の上に用意されたお菓子を美味しそうに口に運んでいた。
「では、ライガ君と直ぐに会われますか?
必要なら呼びますが。」
「その必要はないぞ?
ジーザスが既に会いに向かっているからな。
時機に連れて来てくれるだろう。来てくれるといいなぁ。」
ドランたちがバルトの屋敷に着き、安全が確認できた瞬間にジーザスはライガの居場所へと向かっていたのだ。
そして、ドランは大きな騒ぎにならないことを祈るばかりだった。
そんな祈りを知らないライガは、カレンの後ろから出てきてこちらを見ているジーザスを見返していた。
何の目的で来たのか知らないが、面倒ごとの予感しかしない。
しかし、この男、ジーザスが本気を出して来るなら流石に逃げられないだろう。
ライガの思考を余所にジーザスが話しかけてきた。
「まあ、そんなに警戒しないでくれ。
ある人が話があるからこうして俺がこの場に来ている。
取り敢えず、話だけでも聞いてくれないか?」
この状況じゃあ、聞くしかないだろうな……。
「わかった。話だけは聞こう。」
「そうか。じゃあ、早速だが俺と来てくれないか?」
「来てくれ?どこに行くつもりなんだ?」
話だけならばこの場で話しても同じことだと思ったライガは反射的に聞いてしまっていた。
そして、ここで話をしろと言えば良かったと後悔をしたがもう遅かった。
「じゃあ、来てくれるんだな!
これから行くのは領主の屋敷だ。」
「わかった。じゃあ、ちょっと待っててくれ。
準備をするから……あと、何の話かだけってもういないしどこ行った!」
「ご主人。さっきの人は下の店で待っていると言っていました。」
この時、ライガは思った。
あいつは本当に王国騎士団長なのかと。
しかし、成り行きとは言え、約束したのだから行かないわけには行かないので行くだけ行こう……そして、話を聞いたら帰るぞと心に決めて準備を進めた。
3人が準備を終えると、ジーザスの待つ宿の店に向かった。
「待たせたな。」
「いや、大丈夫だ。何か食べるか?」
ジーザスは、パンの様なものを食べながら聞いてきた。
「俺はいい。二人はどうする。」
「ご主人、私はどちらでもいいですが、シオンは食べたいようです。」
「その様だな。悪いが、もう少し待ってくれ。」
「別にいいさ。ついでに何の話か説明をしておくよ。」
そして、食事の時間を使って、話の概要を簡単にだが説明してもらった。
簡単に言うと、俺が貴族の子供たちを救出した件で、王都に行かなかったから、王が俺に会いたいらしい。
「いや、概要?はわかったけど……俺が行かなかったから来るのは王としてはおかしいだろ?」
この世界の王様を詳しく知っているわけでは無い、だから、ライガの想像の王様の話にはなるのだが、それでも辺境に来るのはおかしく思ったのだ。
「まあ、この国の国王陛下は、特別だからな。
簡単に言えば、自由人なんだ。」
「……そうか。
まあ、シオンも満足したみたいだし行くか?」
「「はーい」」
「よし、宿の側に馬車を待たせている。
それに乗っていこう。」
そして、馬車に乗り、領主の屋敷で待つ国王たちの元へと向かっていった。
皆様、柊☆黐です。
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