小さき蒼雷の魔法使い
第五十四話「報告」
「すみませんが、冒険者カードを見せて頂けますか?」
「……冒険者カードか?」
「はい。冒険者カードです。」
ライガは冒険者登録試験の事を思い返していたのだが……。
しかし、貰った記憶どころか説明すら聞いていない。
もしかして、カレンかシオンは聞いているのかもしれない!
そう思って振り返ってみたが……高速で視線を逸らされた。
これは、正直に言ってみるか……それに今朝早くに人を呼び出したのは冒険者ギルドの職員並びにギルドマスターなのだから大丈夫だろう。
「冒険者カード貰って無いから無い。今日は冒険者ギルド職員に呼ばれて来ている。」
その瞬間ライガの後ろから声をかけてくる者がいた。
「おい!坊主?受付嬢が困っているだろう?冒険者にもなってねぇのに邪魔をするな!」
そして、周りは静寂に包まれた。
その静寂は酒場にまで伝わり時間を止めたようだった。
カレンとシオンの圧力が……殺気が噴き出すまでは…………
「ひっ!?」
ライガに言った男は後ろに居た少女たちの圧力により腰を抜かした。
その様子に慌てたライガはカレンとシオンを抱き寄せ、落ち着かせた。
「二人とも大丈夫だから!落ち着いてな?」
「……ご主人。」
「…………。」
これは不味いな。
一先ず出直す事にした方がいいな。
そんな時ギルド受付の奥にある階段から慌てて一人の老人ウィドが降りて来た。
「これは何事じゃ!?」
「ギルドマスター!!」
ギルドマスターの登場に一番早く反応したのは階段の近くにいた受付嬢だった。
「いえ、少女たちが突然……。」
「少女?」
そこで始めて状況の確認に周りを見渡したウィドは騒ぎの中心に居るのがライガ達だとわかり慌てて中心に飛び込んだ。
その状況にライガ達も気が付きウィドへと向き直った。
「随分な対応だな……爺さん。」
ライガ達の雰囲気に流石のウィドも少し恐怖を抱くが、そこはギルドマスターとして状況確認のために何があったか聞き込みに入った。
「すまないが……何があったか教えてくれるか?」
「そうだな……ギルド職員が今朝俺達の宿に本日依頼の報告をしてくれと連絡があった。
だから、来てみたら受付には足止めをくらい、そこの男に威圧的な物言いをされたから2人が切れかけた。
以上だが、これでいいか?」
ライガはこれまでの事を簡単にして教えた。
そして、ウィドは心底ギルドが消滅しなくて良かったと思ってしまっていた。
「ああ。どうやらこちらの不手際が原因のようじゃしのぅ。
申し訳ないが執務室まで来てもらえんだろうか?」
三人を見てここでの話は大変目立ち、さらに少女たちもいらついているようなのでこのまま放置するわけにはいかなかった。
その為、執務室で落ち着いてもらいつつ、依頼の件の話が出来ればと思っていた。
「ここじゃ、話もしづらいしいいぞ?いこう。」
「それじゃ、ついて来てくれ。執務室へ案内しよう。」
そして、4人がギルドの二階へと姿を消して数秒ののちに再びギルドホールに騒がしさが戻ってきた。
しかし、その場にいた一定以上の実力者たちは暫くライガ達の消えて行った方を見ていたのだが……。
ウィドに先導され前回の大会議室よりさらに奥に行き、扉の前で足をとめた。
そのまま、扉に手を掛け押し開けた。
「ここが、執務室じゃ。
そこに座って少しゆっくりしてくれ。儂は少し準備物があるのでな。
リザ、お茶を入れてくれるか?」
「分かりました。少しお待ちください。」
執務室には当たり前だが書類が山のようにあった。
しかし、散らかっている訳ではなくしっかりと整理整頓がなされ、分かりやすいように仕訳がされていた。
これだけ見れば、仕事の出来る人なのだろうが……先ほどの女性が有能な可能性もあるから何とも言えないのが難しいところである。
ライガが部屋を観察している中、カレンとシオンは静かにすねていた。
「はぁ~2人とも俺は何とも無いし、あの程度の奴に如何こう出来る訳がないんだからさ?
そろそろ機嫌を直してくれない?」
「「……もう少し時間を……。」
息ピッタリ…………まあ、今はこのままでもいいか。
宿に帰ってから2人のカウンセリングをしておこう。
今回の事で暴走されると大変めんどくさい事が分かった上に、ミュールの街の一件から2人の精神が不安定な事も原因だと思われる。
ライガには2人が考えている事がいまいち分かっていなかった。
そして、少しの時間が経つと先ほどの女性が戻ってきた。
「お待たせしました。お茶です。
あとクッキーです。」
そう言って女性……リザは机に人数分の飲み物と摘めるお菓子を置いてくれた。
「どうも…………ん?クッキー?」
「どうかしましたか?」
「いや、別に何でもない。」
異世界にもクッキーなんてあるんだな。見た目も記憶にあるものと似ているな。
そこに丁度タイミング良くウィドも席に着いた。
手には数枚の書類などが入った箱を持ってきていた……恐らくこの件の話をする上で必要な物だと思われる。
「待たせたな。お茶とお菓子もある事だし、つまみながら話をしようか。」
皆様、柊☆黐です。
本日もお読み頂きありがとうございます。
是非お気に入り登録といいね!をして行って下さい。
お願いします!!!!
では、次回第五十五話「新人SSランク冒険者」をお楽しみにっ♪
「……冒険者カードか?」
「はい。冒険者カードです。」
ライガは冒険者登録試験の事を思い返していたのだが……。
しかし、貰った記憶どころか説明すら聞いていない。
もしかして、カレンかシオンは聞いているのかもしれない!
そう思って振り返ってみたが……高速で視線を逸らされた。
これは、正直に言ってみるか……それに今朝早くに人を呼び出したのは冒険者ギルドの職員並びにギルドマスターなのだから大丈夫だろう。
「冒険者カード貰って無いから無い。今日は冒険者ギルド職員に呼ばれて来ている。」
その瞬間ライガの後ろから声をかけてくる者がいた。
「おい!坊主?受付嬢が困っているだろう?冒険者にもなってねぇのに邪魔をするな!」
そして、周りは静寂に包まれた。
その静寂は酒場にまで伝わり時間を止めたようだった。
カレンとシオンの圧力が……殺気が噴き出すまでは…………
「ひっ!?」
ライガに言った男は後ろに居た少女たちの圧力により腰を抜かした。
その様子に慌てたライガはカレンとシオンを抱き寄せ、落ち着かせた。
「二人とも大丈夫だから!落ち着いてな?」
「……ご主人。」
「…………。」
これは不味いな。
一先ず出直す事にした方がいいな。
そんな時ギルド受付の奥にある階段から慌てて一人の老人ウィドが降りて来た。
「これは何事じゃ!?」
「ギルドマスター!!」
ギルドマスターの登場に一番早く反応したのは階段の近くにいた受付嬢だった。
「いえ、少女たちが突然……。」
「少女?」
そこで始めて状況の確認に周りを見渡したウィドは騒ぎの中心に居るのがライガ達だとわかり慌てて中心に飛び込んだ。
その状況にライガ達も気が付きウィドへと向き直った。
「随分な対応だな……爺さん。」
ライガ達の雰囲気に流石のウィドも少し恐怖を抱くが、そこはギルドマスターとして状況確認のために何があったか聞き込みに入った。
「すまないが……何があったか教えてくれるか?」
「そうだな……ギルド職員が今朝俺達の宿に本日依頼の報告をしてくれと連絡があった。
だから、来てみたら受付には足止めをくらい、そこの男に威圧的な物言いをされたから2人が切れかけた。
以上だが、これでいいか?」
ライガはこれまでの事を簡単にして教えた。
そして、ウィドは心底ギルドが消滅しなくて良かったと思ってしまっていた。
「ああ。どうやらこちらの不手際が原因のようじゃしのぅ。
申し訳ないが執務室まで来てもらえんだろうか?」
三人を見てここでの話は大変目立ち、さらに少女たちもいらついているようなのでこのまま放置するわけにはいかなかった。
その為、執務室で落ち着いてもらいつつ、依頼の件の話が出来ればと思っていた。
「ここじゃ、話もしづらいしいいぞ?いこう。」
「それじゃ、ついて来てくれ。執務室へ案内しよう。」
そして、4人がギルドの二階へと姿を消して数秒ののちに再びギルドホールに騒がしさが戻ってきた。
しかし、その場にいた一定以上の実力者たちは暫くライガ達の消えて行った方を見ていたのだが……。
ウィドに先導され前回の大会議室よりさらに奥に行き、扉の前で足をとめた。
そのまま、扉に手を掛け押し開けた。
「ここが、執務室じゃ。
そこに座って少しゆっくりしてくれ。儂は少し準備物があるのでな。
リザ、お茶を入れてくれるか?」
「分かりました。少しお待ちください。」
執務室には当たり前だが書類が山のようにあった。
しかし、散らかっている訳ではなくしっかりと整理整頓がなされ、分かりやすいように仕訳がされていた。
これだけ見れば、仕事の出来る人なのだろうが……先ほどの女性が有能な可能性もあるから何とも言えないのが難しいところである。
ライガが部屋を観察している中、カレンとシオンは静かにすねていた。
「はぁ~2人とも俺は何とも無いし、あの程度の奴に如何こう出来る訳がないんだからさ?
そろそろ機嫌を直してくれない?」
「「……もう少し時間を……。」
息ピッタリ…………まあ、今はこのままでもいいか。
宿に帰ってから2人のカウンセリングをしておこう。
今回の事で暴走されると大変めんどくさい事が分かった上に、ミュールの街の一件から2人の精神が不安定な事も原因だと思われる。
ライガには2人が考えている事がいまいち分かっていなかった。
そして、少しの時間が経つと先ほどの女性が戻ってきた。
「お待たせしました。お茶です。
あとクッキーです。」
そう言って女性……リザは机に人数分の飲み物と摘めるお菓子を置いてくれた。
「どうも…………ん?クッキー?」
「どうかしましたか?」
「いや、別に何でもない。」
異世界にもクッキーなんてあるんだな。見た目も記憶にあるものと似ているな。
そこに丁度タイミング良くウィドも席に着いた。
手には数枚の書類などが入った箱を持ってきていた……恐らくこの件の話をする上で必要な物だと思われる。
「待たせたな。お茶とお菓子もある事だし、つまみながら話をしようか。」
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コメント
柊木凪
読んで頂いた上にコメントまでありがとうございます。
作者はとても嬉しいです。(*^^*)
これからも頑張って参りますので、今後ともよろしくお願いします。
m(__)m
こう
今日見つけていちから読んだんですがとても面白かったです。
ストーリー構成は他の人は分かりかねますが僕は良いと思いました。
頑張って下さいね!!
(。・ω・。)ゞ