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小さき蒼雷の魔法使い

柊木凪

第一話「新しい世界」

改稿を行いました。



 ここは何処だろうか。
 確か、自分の部屋で寝たはずなのだが……夢なのか?どこを見ても真っ暗で上下左右の感覚が無い。
 いや、この表現は正しくないだろう。感覚はあるがわからない。ただ本能的なものなのか出たいと思った瞬間には、出口へと向かっていた。
 そう、後々に世界を変えうる少年ライガの誕生だった。

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 そして、ライガが産まれてもうすぐ三年の月日が過ぎようとしていた。

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 ある日の夜、とある部屋で2人の男女が話をしていた。

「明後日で、ライガが産まれて三年か……早いものだな」

「ええ。一事はどうなるかと思ったわ」

 この者たち、男の名をガイヤ、女の名をサーシャと言い、ライガの両親に当たる。
 二人とも実は物凄い人達なのだが、それはまた別の話。

「まあ、やっと高熱も落ち着いたし、無事に三年目を迎えられそうだ」

「ええ、本当に良かったわ」

 ライガの体調はこの数週間で悪化して昨日までの一週間、高熱が続いていた。しかし今朝方には状態が良くなっていた。
 そんな昨日までの事を振り返るように、サーシャが呟き思いついたように言った。

「そういえば、教会へはいつ行きましょうか」

「そうだな。 教会へは、明後日の朝に出ようか。 街まで山を降りないといけないからな」

 そう言ったガイヤは息子の成長を嬉しく思いつつ、教会の事で時の流れを早く感じてしまい内心で呟いた。

(教会か……もうそんな時期なんだな。早いものだ)

 因みにサーシャの言っている教会に行くとは、この世に生を受けて無事に3年間を生きる事が出来た子供たちが、神様たちの祝福を受ける儀式の様な物の事である。

「そうね。明日は用を早めに切り上げて帰ってきてくださいね」

「わかっているよ。さて、今日はもう寝ようか」

 サーシャに明日の事を聞かれたガイヤは、サーシャにもう寝るよう促して内心では明日の事を考えていた。

(用と言っても、明日はただの運動をするだけなんだが……どこら辺に行こうかな?)

「はい。おやすみなさい」

「ああ。おやすみ」

 こうして、ガイヤとサーシャは寝床に向かった。

 × × ×

「う~ん。ここ何処だろうか? 向こうの部屋で教会に行くとか聞こえたけど?」

 この少年、名をライガ。本作の主人公である。
 一週間前から昨日まで高熱に魘されていた上に、産まれてからの記憶はない。 しかしある事に気が付いたのだった。

「そもそも自分の部屋で寝ていたはずなんだが、起きたら別の知らない部屋って誘拐とか……なんだろうか? しかし眠いな」

 そう――今現在のライガは、強烈な眠気に襲われていた。

 (まあ、いいや。 今は寝よう……起きたら……きっと)

 そして、ライガは再び寝ることにしたのだった。

 × × ×

 まだ辺りが薄暗く早朝と呼べる時間帯に、ライガは目を覚ました。

「……う、うん? 寝る前に見たな。夢じゃないのかね?」

 ライガは上体を起こして辺りを見渡し、先ほどと同じ場所である事を確認した。

「仕方ないな。一先ず、情報の整理をしよう」

 昨日は真っ暗でよくわからなかったが、この部屋は割と広い作りをして、大きめの窓が一か所に付いている。

 そこでライガはベッドから少し動いて、外の様子を確認することにした。

「外の様子は、まだよくわからないな」

 外を確認して見ると、まだ薄暗く遠くを確認することは出来ない。
 そしてこの部屋には、時間を確認する時計の様なものが無く、現在の時間を確認することは出来なかった。

 ライガはこの部屋をもう一度見渡し、ふと思った事を呟いた。

「殺風景な部屋だなぁ……」

 この部屋には広い割に、ベッドと本棚しか置いていない。 そして、本棚には数冊の本が確認出来るが、その他には何も無い。

「それにしても、誘拐にしてはベッドに寝かされているだけなんだよな」

 今のライガはベッドに寝かされているだけで、手を縛るなどの拘束が何一つされていない状態だった。
 そこでライガは、現在の状況に関して、少し考えを改める事にした。

「もしかしたら、誘拐ではないのかも知れないな。 まだ、可能性の話でしかないが」

 誘拐で無いなら何なのかと思わなくもないライガだが、ベッドから移動して部屋を調べてみようとした時、彼に疑問を抱かせた。

 ――身体的違和感。

 ライガは自分の手や足を見て、思い浮かんだ事を呟き考え込んでしまう。

「う~ん。 例えるなら頭脳は大人、見た目は子供ってとこだな」

 ライガから見た目線は低く、腕や足も短い事に加えて、先ほどから呟く度に聞こえていた声もおかしい事に気が付く。

「何かがおかしいとは思っていたけど、声も高くなってる!?」


 ――この状況からライガには、1つの可能性が脳裏によぎる――


「これは……まさか、転生してしまっているのか!?」

 この考えに至ったライガは、小さくなっている自分の身体を確認して状況の整理を試みた。

「もし転生をしているのなら、前世で死んだのか? けど死んだ記憶はないし……とりあえず、身体のチェックからした方がいいな」

 そしてライガは、少しの不安を抱えながら、今の自分が出来る事を確かめるために軽く身体を動かす事にした。 そして数分間後。

「よし! 確認は出来たが……やはり動かしづらいなぁ」

 ライガは少し身体を動かしたことで、不安も和らぎ次の行動を考える事にした。

 しかし、子供の身体と言えば少し身体を動かせば疲れると思っていたライガだったのだが、思ったほど疲れている感じではない。

「子供ってこんなに体力あるのか? そういえば、転生と言えば分かりやすい方法があったな。近くに人はいないし、試すか」

 そしてライガは周りをもう一度見渡し、誰も居ない事を確認すると、あることを言った。


「ステータス!」


 ライガの言った『ステータス』とは、自分の情報を簡単に見る事が出来るシステムの事で、ゲームなどによく使用されている。
 しかし、何故ライガがこのタイミングで『ステータス』と言ったのか……それは、転生と言えばステータスだろうと考えてしまったからであるが、確証は全くない。

「……出ないな? 誰も居なくて良かったけど、独りでステータスって恥ずかしい」

 しかし、少し待ってみても何も起こる様子は無い。
 ライガは誰にでも無く一人で恥ずかしさを紛らわすために呟き、もう一つの考えていることも試すことにした。


「ステータスオープン!」

 ――ブオゥン――


 ライガが『ステータスオープン』と呟いた瞬間、静かな部屋に音が鳴る。
 そして目の前には、半透明で青白く光っているどこか電子的な表示が現れ、様々な情報が表示されていた。

「おいおい。やれば出来るものなんだな」

 ライガは少しの間、そのステータス画面を眺めた……数秒後。この状況に驚愕し、思わず叫んでしまう。

「ステータスが出たら異世界確定だろうが!?」

 ここまでの不安を吐き出したライガは、一旦落ち着くように深呼吸を繰り返し、改めてステータスを見つめ考えを内心呟いた。 

(俺の知る限り、地球には個人にステータスなんてものは無はず。だけど、実際に目の前に『ステータス』と言ったことで表示されているから異世界なんだろうなぁ)

 ライガは、異世界だと認識し始めることで疑問が増えていったが、それ以上に、この状況を楽しむ余裕が出て来る。

「どうしよう。考えれば考えるほど疑問が増えてくな……まあ、今考えても分からない事は置いておこう」

 最初こそ『誘拐ではないか』と考えていたライガだったが、現状ではこれ以上の情報が無いため、一息入れてこれからの事を考えることにした。

「さて、あれこれ考えるのは後にして、取り敢えずはステータスの確認からしていこう!」

 ライガは、改めて自分の目の前に表示されているステータス画面を確認していく。


≪ステータス≫
 名 前:ライガ
 種 族:人種?
 性 別: 男
 年 齢: 3
 レベル: 0
 職 業:___
 称 号:転生者 魔導師の子
     拳聖の子 ???


 ステータスを確認したライガは、内心でこう思った――
(……随分と簡単な表示なんだな)

 ライガは、ステータス画面に表示されている情報が思っていたような感じでは無かったため若干落胆するも、最低限必要と思われる情報は表示してあることに安堵する。

「ステータスと言えば、体力とか身体能力の数値が書いてある物だと思っていたけど、細かい事は書かれてないのか」

 ライガは、一先ず書かれている情報を一つずつ確認していくことにした

「さて、想像していたものとは違うけど、貴重な情報である事には変わりない。じっくりと時間のある内に確認しておこう」

 そう言ってライガは、まずステータス画面の一番上に表示されている名前の項目を見ることにする。

「名前はライガで……名字みたいなのは無いのかな?」

 静かな部屋にライガの声が消えていくなか、疑問を抱きながらも、ライガは次の項目へと目線をずらして種族の項目を見た。

「で、次が種族か。これは、何故最後に疑問で終わっているんだろう?」

 ライガは種族の項目で最後に表示されている『?』が気になり、思わず呟いてしまった。

「最後に『?』が付いていたら、俺が人間じゃないみたいじゃん」

 種族を確認して、遠まわしに人間扱いされていない事に若干の違和感が残ってしまったが、ライガは続きのステータスを確認していく事にする。

「性別は別に気にする事はないな。しかし、年齢が3歳とは思わなかった」

 性別が男なのは特に違和感もないので、よかったのだが……問題はその後に控えていた年齢という項目である。

「ん~ 年齢が3歳だとは思わなかった。体のサイズから子供だとは思っていたけどね」

 ライガは1人で両手を眺めながら呟き、次のレベルの項目へと目線を移動させたのだが、『0』と表示されている。
 恐らく何かしらの経験値を手に入れることで、レベルが上昇するのだろうと勝手に思う事にしたライガは、続けて職業と称号の項目に目を向けた。だが、職業の項目には何も書いていない。

「職業は、成長して何かしらの業種に就いた時に追加されるんだろうな」

 そう言ったライガは、称号という項目を見た時に、今まで確認した情報よりも多く書いてある事で期待しつつ読んでいく。

「称号の項目か。いろいろ書いてあるな」

 確認した項目 《称号》 転生者 魔導師の子 拳聖の子 ??? の4つが書いてある。

「う~ん。転生者に魔導師と拳聖の子供か……これは、いつの間にか死んだんだな、俺」

 称号にはライガの疑問の一部である、転生の文字があったことで複雑な感情が廻ったのだが、同時に前に進む覚悟も決まったようだ。
 ライガは、称号に書いてあった『魔導師の子』『拳聖の子』の2つに目を向けて内心で呟く。
(魔導師や拳聖ってことは、この世界には魔法の類もあるんだろうなぁ。素質がありそう)

 ここまでステータスを確認してきたライガは、ずっと考えていた事を言った。

「ん~。それにしても日本の記憶はあるのに、個人の記憶が思い出せないのはどういう事なのだろう……まあ、その内分かるだろう」

 ライガ自信が思うには、恐らく記憶を個人に関してだけ消されたのだろう、と考えるのが今のところはいいのではないかと思う事にして今は置いておく事にした。

「そう言えば、称号にある『???』って何だろうな。解放条件か何かしらのアクションがいるのかも知れないな」

 ステータスで、自身の事を確認していたライガだったが、情報集めも次第に限界を感じて来ていた。

「他の部屋でも見に行くか。転生している事は分かっていても、まだ俺の置かれている状況が定かでない以上、静かに行動することにした方がいいだろう」

 ライガは情報の探索を開始する事にした。

「さて、何処から見ていくかな」

 普通情報と言えば、本を読むのが手っ取り早い。
 しかし異世界だと、本は貴重な場合が多いとどこかで聞いた事があったライガは、目的をこの世界についての本を探すことにした。

「それじゃ、行くとしますかね」

 こうしてライガの最初の冒険が幕を開けたのだった……。



 初めまして、柊☆黐ひいらぎもちと言います。
 
 小説初心者なので、疑問に思うことや誤字、脱字等あるとは思いますが楽しんで頂けるように頑張りたいと思います。
 
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そして、コメントを宜しくお願い申し上げます。
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 最後にこの作品「小さき蒼雷の魔法使い」は完全に趣味で書いているため不定期投稿となります。予め御了承ください。
 
 では...次回、第二話「迷子?」でお会いしましょう。お楽しみに!!

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