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ひととかぜと日常

香月 玄_コウヅキ ハル

Episode6 紙 Ⅱ

カミ

2

 そしてさらに3日後。今日も相変わらず手紙が入っていた。
 迅はいつも私から紙を取り上げるなり中身を確認する。今日も彼はそれを確認し、大きな溜息をついたのだった。

 そして帰り道。
 河原に沿った遊歩道はウチの高校の運動部のトレーニング道だ。
 帰りは迅も実体化して隣を歩いてくれる。いつも迅と2人で、並んでゆっくり歩く。…小学生の時と違って手を繋いで帰る、なんて事、今はなんだかこっ恥ずかしくて出来やしないけどね。


『零は…』

 さっきから何を言っても空返事だった迅が、悩むように私の名を口にした。
「んー??」
私は小石を蹴飛ばしながら返事をする。学校の校門からもう6コ目だ。
『…結婚について、零はどう思ってる?』
「…………………………はい?」
 あまりに突拍子もない事を問いかけてきたもんだから、数秒の間をおいた後の、間抜けな返事を返してしまった。あぁ…ほら、石も何処か行ってしまった。
『……もし誰かに結婚してと言われたら、どう?』
何を急に言い出すのだ…。しかも彼氏いない歴=年齢の女子に。
 初めは冗談かと思ったが顔を見るにそうではないことを悟り、よく考えてみる。
「そら自分のタイプで、相手が結婚してーて言われたら結婚するわな。相手によるぜ、相手に」
そう言うと彼は、そう、と静かに頷いた。
 ……ってそれだけかいっ。悩んだのに!答え頑張って考えたのに!

 結婚かぁ…結婚以前に彼氏いたことないからなんとも言えんがな…。
 そういえば中3の時だったかな、以外な人に彼氏ができたっていうのを聞いて、それに驚いて
「えっ、あの人彼氏いたのかっ」
と言ったわけなのだが、それに対して
「彼氏いたことない人いないっしょ」
と言ってのけた友人に心なしか殺意が湧いたのを思い出した。
 いーまーすーよー?!こーこーにぃぃ!!
………なんて半ギレで言えるわけもなく、苦笑いで
「そだねー」
と返した自分にも正直殺意湧いたね。
 我ながら短気で困ったものだ。

「あー、彼氏欲しい」
おっとシマッタ。本音が口から…って、これこれ、迅サン?小さく溜息こぼすな。

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