やはりオレは恋をしてしまっている

春川 桜

ピンチ⁉︎

学校が始まって一週間が過ぎた。

「はぁー。疲れたよ」
「全く〜だらしないわね」
「普通だろ、勉強して歩いて帰る日々なんて…」
「どうしたの?」
「いや〜ちょっとね。」

オレは今、かなりピンチなのだ。
それは勉強なのだ。
お嬢様学校だけあり平均値が高く、オレはそれを下回っていたので何とかしなければならなかったのだ。

「まぁ、どうせ勉強が出来てないんでしょうけどね」
「何故それを…」
「それくらい分かるわよ。一緒に過ごしてたら少しは分かるわよ」
「なら、助けてくれよ〜」
「えぇ〜どうしようかなぁ~」

舞結は少し怒りながら腕を組んで背を向けた。
その時、オレは何で怒っているのかは分からなかった。
放課後、オレは図書館で勉強していた。
静かで誰もいない夕暮れの中、1人でテスト勉強に明け暮れていた。

「あの、大丈夫ですか?」
「えっ?あぁ、テスト勉強で難しい所があっただけだから」
「ちょっと見せてもらいますね」

そう言うと、眼鏡のショートカットの女の子はオレの隣に座り、問題集の問題を見始めた。
見た感じ、かなり勉強が出来るような感じがするのだが、オレは彼女が問題を見て解くのに集中しすぎて、かなり近くまで寄っている事を全く気づいてないのにドキドキしていた。

「これなら私、お教え出来ますよ」
「本当に?助かるよ」

オレは図書館少女と1時間近く勉強をした。
気づくと辺りは少し暗くなり始めていた。

「今日はありがとうね」
「いえいえ、お安い御用ですよ。では、また」

オレは図書館少女と別れた後、寮へと着くと舞結が立っていた。
何故か遠目でも怒っているのが分かった。

「どうしたんだ?そんなに怒って?」
「あなたが朝、勉強出来ないから助けてって言ったのに何ですぐに帰ってこないのよ ︎」
「いや、だってあの後…」
「言い訳しない ︎今からきっちり教えてあげるから覚悟しなさい ︎」
「えっ ︎」

その後、夜中の2時まで、みっちりと勉強を舞結に教えられ、テストの赤点は逃れることが出来たのだった。


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