狂った世界をクルクル廻して。

まろく

それぞれの仕事へ

「魔王様だって新しい魔法の開発頑張ってるじゃないですか」
小さなお菓子を抱えてティアがパタパタ飛んできた
「……おおぉ、そうだったそうだった今回の魔法は威力と大きさ共に過去最高の物が完成しそうなんだ」
「それは素晴らしいですね、どのような魔法何でしょう」
アリエが両手を合わせて良い笑顔で聞いてくる。戦闘の話になってからとても楽しそうなのは気のせいだろうか…
「詳しくは完成したら報告するからまっててくれ、80%は出来上がってるから楽しみにな」
「それはそれは、分かりました、とても楽しみにしていますね」
少し深くなった笑顔が恐怖心をかきたてる。
食事が進み、話が進み、程よく満たされ一息つく
「それでは魔王様、私は経理の仕事をしなくてはならないので失礼します」
壁のように並んだ皿の倒を崩壊させないように立ち上がり、ネクタイを直し横に立てかけてあった杖を持ち丁寧に礼をする 
「俺も朝の訓練があるんでこれで」
豪快に立ち上がり皿の壁が揺れる。妖精達が慌てて抑えるが一番上の小さい皿が耐えきれず支えようとする妖精の上に落ちそうになる瞬間、緑の円が皿を囲み空中で停止する。アパタイトの得意とする重力の魔法
「気をつけて下さい、アーネストさん」
「ああぁ、わりーわりーケガなかったか?」
ゆっくりと元の位置に皿が戻ってゆく
「大丈夫だった?ケガない?これ食べる?」
ティアが急いで飛んでくるが妖精の良いところは全てを楽しく楽観的に捉えること
「わー、ビックリしたー…ん?何ともないよ」
ティアの気遣いは無駄のようで全く気にしてないようだった
「それでは改めて私はこれで、あなた達行きますよ」
「俺らも行くぞモタモタするなよ遅いやつは訓練量3倍だな」
2人が部下を連れてグレートホールを後にする
「あの二人って結構仲良いですよね」
「そうだな、だが俺とロネリーの方が仲良しだぞ」
「えへへぇ」
「分かりましたよ仲間はずれの僕はさっさと自室に戻りますとも」
そう言って気品よく立ち上がりスタスタと部屋を出ていった。スマイルの直轄の部下は一人しかおらず、その彼は今実験の真っ只中で手が話せないらしくここ一ヶ月部屋から出てくるのを見ていない
「それじゃ俺も自分の仕事済ませるか、ロネリーはこの後どうする?」
「妖精さんとアリエさんのお手伝いだよ!」
アリエの方を見ると優しい笑顔で返してくれた
「お任せください私がしっかり遊んであげますから」
「ああ、任せたぞ、くれぐれも優しくな」
「分かっていますよ」
「じゃーなロネリーまた後でな」

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